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鍛造ホイールと鋳造ホイールの重量を測ってみた→18インチで1本4.5キロの差が。結局、鍛造/鋳造って何?

2017/12/11

| ホイールは鍛造であるに越したことはない |

よくホイールで「鍛造」や「鋳造」という言葉を聞きますよね。
ですが、この差は一体何?と考えるかもしれません。
今回、ユーチューバーmilanmastracci氏が同じサイズのホイールで、「鋳造」「鍛造」それぞれの重量を計測しているので紹介してみたいと思います。

「鍛造と鋳造」その差は4.5キロ

ホイールサイズは両方とも18インチ、リム幅も同じ。
タイヤを装着した状態での計測ですが、まずは鋳造ホイールを測ってみると21キロちょっと(これでもけっこう軽いほう。通常22-24キロくらい)。

そして今度は鍛造ホイール。
ニスモLM GT4になりますが、17キロくらい。
その差4.5キロほどとなっており、鍛造ホイールは鋳造の(タイヤ込みですが)3/4近い重量、というのはかなり驚き。
しかもこれを4輪に装着することになるので、×4だけの差が出る、ということになりますね。

こちらがその重量を計測してみた動画、「Cast vs. Forged Wheels (Comparing EXACT Sizes)」。

結局鍛造と鋳造って何なの?

鍛造ホイールで有名なBBSがよく言うのは、鋳造は「パン」、鍛造は「モチ」(以前はBBSののウエブサイトに記載があったのですが、今はなくなっている)。
パンは中に気泡があってスカスカで、モチは臼でペッタンペッタンとつくので「圧縮されて」中身が詰まっている、ということですね。
同じサイズであれば「パンのほうが軽い」のは間違いありませんが、同じ強度のものを作るとなるとモチのほうがずっと少ない量で薄く、結果的に軽く作れることになり、よって「モチ」のほうが優れる、というのがBBSによる解説の骨子となります。
なお、同じく鍛造で有名なレイズによる解説はこちら

実際の製造に関しては「鋳造は金型に溶かしたアルミを入れてそのまま冷やして形に」し、「鍛造は金型にアルミの塊を入れてホイールの形にプレスして成形する」というところがその差になりますが、ほかにも鋳造と鍛造との中間(半溶融鍛造)とも言える製法や、「削りだし(ビレット/CNC)」といった製法も。

鍛造ホイールはこうやって作る

こちらはHREホイールの製造工程を収めた動画。
アルミの塊を「筒」のような形に成形し、そこからスポークを削り出している様子がわかりますね。
この方法だと、すべての工程を鍛造にて行う方法に比べてデザインの自由度が高くなり、かつPCDなどの自由度が高い(型を作ると決まったサイズしか作れない)のでワンオフサイズでの制作も可能に。

一概に鍛造がいいというわけでもない

一概にどの製法が優れるという話ではなく、いずれの製法にもメリットやデメリットがあり、「鋳造はコストが安く、デザインの自由度が高いものの重量が重い」「鍛造はデザイン的な自由度が制限されコストも高いが軽量で強い」というのが一般的。
それぞれのデメリット(コスト、重量)を緩和しより軽く強度が高い製法が半溶融鍛造やCNCだとも言えますね。

なおぼくの経験だと、鋳造であっても鍛造に負けないほど軽いホイールもあり、しかしコストが安いので、あえて鍛造ではなく、とくにパワーがさほど大きくなく、速度域も高くない車の場合、そういった「安価で軽量な鋳造ホイール」を選んだ場合も。
逆にハイパフォーマンスカーであれば「絶対に鍛造」だと考えています(鍛造は密度が均一なので、高速走行の際に安定しているように思う)。

同じく「鍛造」でもメーカーに寄って性質がけっこう異なる

ちなみに同じ「アルミホイール」でもそれは「アルミ100%」ではなく様々な金属が含まれる「アルミ合金」。
よって各社それぞれ異なる性質(配合)を持ちますが、同じ鍛造でもBBSはオフィシャルサイトにもある通り「しなり」があり、比較的乗り心地が良い、と考えています。
反面、同じ鍛造でもレイズはかなり「硬い」ようで、乗り味もかなりソリッドに。

ぼくが今までチューニングに投じたコストの大半は「ホイール」で、今まで交換したホイールセットはざっと数えると16セット。
様々なメーカーや製造方法のホイールを試していますが、結論から言うと「高出力な車だとBBS、軽量な車だとレイズが一番いい」と考えています。

ホイールを変えても「走りは変わらない」「サーキットにでも行かない限りは体感できない」という向きもあるものの、ぼくは軽量ホイールについて、段差を超えたときや不整路、加速しながらレーンチェンジを行うような場面において明らかな差があると考えており、かつ軽量なホイールのほうが車体への攻撃性も低いと考えていて、そのため「ホイールはいいものを装着したい」というのがいつも思うところ(よってランボルギーニ・ガヤルドやウラカンにおいて、60-80万円くらい支払っても鍛造ホイールをわざわざ装着している)。

参考までに経験上だとBMW(ミニ)とフォルクスワーゲンの純正ホイールはかなり重く、よって軽量ホイールへの交換による恩恵を受けやすい、と考えています。
ポルシェのホイールはもともとかなり軽量で(ポルシェ曰く、素材の時点でかなり軽量らしい)、よほどの軽量ホイールでないと逆に「重くなってしまう」ことも。
そしてこれも経験上ですが、ポルシェにて例え純正(鋳造)ホイールと重量が同じであっても「鍛造ホイール」へと交換した場合、やはり運動性能に差を感じるので、「重量」以外にも鍛造と鋳造には確実な差があるようですね。

もう一つ余談で、軽量化のためにスポークを極端に補足しているホイールは「割れる」ことがあり、日本の道路だとまずこういった話は聞かないものの、舗装が「硬い」国などでは時々耳にします。

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