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ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4購入前の試乗を通じて感じたこと

2017/10/26


ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4に試乗。その印象はいかに

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ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4の試乗をお願いしたのは「ランボルギーニ大阪」さん。
ショウルームを訪問し(じつは997カレラ購入直後にも訪問したこともあるので2度目です)、実際に車(ガヤルドLP560-4)を見て触れてみると、事前に想像していたのとは異なる部分も改めて発見することに。

まずはルックス。
ガヤルドはフェイスリフトを受け「LP560-4」へスイッチするにあたり、レヴェントンやエストーケにみられるようにフロントバンパー先端がトンがったデザインへ変更されましたが、これが思ったよりも目立たない、ということ。

そしてガヤルドのリヤビュー。ぼくは今回のLP560-4への変更で「(オフィシャルフォトを見る限り)なんかテールランプ形状が普通になったなあ」という印象を持っていたのですが、ところがドッコイ、実車はかなりナイスです。ショルダー上まで回り込むデザインをやめ、テールランプが小さくなったぶん、車もワイド&ローに見えますね。

もうひとつは室内。相当に低いポジションを強いられると思いましたが、予想したほどではないと感じました。ぼくの感覚では通常の範囲内ですね。

エンジン始動時の轟音は尋常ではない

最後はエンジン音。ある程度の勇ましさは予想していましたが、エンジン始動した瞬間、何かが爆発したんじゃないかと思えるほどの轟音。
正直、金額よりもドライバビリティより もこの轟音を聞いた瞬間、「ああ、オレにはこの車はムリだ」と思いました。正確に言うとぼく自身はOKなのですが、近所にかける迷惑(窓ガラスが振動したり、犬がいっせいに鳴き出したり、盗難警報装着車が一度に発報したり、子供が泣き出したり、という阿鼻叫喚の地獄を演出してしまうであろうこと)を考えると、絶対ムリ、と思ったのです。

実際にはこの轟音は約1分ほどで収まり、その後のアイドリングはぐっと落ち着いてカレラよりも静かになります。
ちょいと気になった部分としては、サイドに貼られた「LP560-4」のロゴが少し安っぽかったこと、リヤディフューザーの後方への張り 出しが大きくなったので、マフラーから出てくる水分やその他でディフューザーがすぐに汚れそうであること。そして、前後バンパーのハニカムグリルがミニクーパーS同様、洗車後の悩みのタネ(水が溜まって出てこない)になるであろう、ということ。

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しかし、そんな細かいことはどうでもいいじゃあないか、というくらいガヤルドの存在そのものが特異な輝きを放っていますね。とにかく幅広で低い、という印象を受けます。
あらかじめ試乗を申し込んでいたので早速ドライブさせていただきますが、キーはアウディと同様のもので、しかし若干本体の形状とボタンが異なる模様。車に比較して、キーはわりと普通、といった印象です。

ドアを開け、乗り込むところまでは「思っていたよりも」普通に出来ます。とくに身をかがめたり、滑り込むような窮屈さを感じず、このあたりはカレラとそれほど変わりがない、という印象ですね。

ただし座っている位置はやはり低く、低い全高のなかでスペース補確保するため、そして重心を下げるためという目的もあるかと思いますが、着座位置に加えシートの肉厚も薄いので、長時間座り続けることに対しては若干の不安を覚えます。ですが、シートの構造は抜群で、結構「しっくり」来ますね。ぼくはイタリア車についてはあまり親しむ機会はなく、この座面が一般的なのかどうかは不明です。そういえばイタリアはソファでも硬めの製品が多いようには思います。

エンジン始動直後の爆音は以前に述べたとおり。しばらくするとあの爆音が嘘のように落ち着きますが、このとき室内にいると、振動や排気音はほとんど感じず、かなり静かですね。
とりあえずATモードで走らせます。段差を越えるときは思ったよりも衝撃が無く、サスペンションが良く衝撃を吸収していること、ボディ剛性が高いことを感じますが、その反面シートが薄いことに起因するのか、腰のあたりに突き上げを感じます。

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内装のビビリ音は感じないものの、試乗中は非常に鋭いキシミ音をなんどか耳にしました。雰囲気的には内装というよりはフレームがきしんでいるような感じでしたが、実際は不明。
車両感覚については997に比べると幅が8cm広くなっただけ、つまり片側4cmづつ広くなっただけですが、運転するとガヤルドはとんでもなく幅が広く感じますね。

しかし、ガヤルドの先端は角張っているせいか見切りは良く、車輌感覚はつかみやすいようです。ゆっくり走っていると非常に安楽で、それが560馬力の心臓を持っているとは信じがたいほど簡単にドライブできます。

高速に乗ろうとETCレーンへ入りますですが、やはりここでも全幅の広さに慣れず、ちょっとビビリ気味。無事ETCレーンを通過してアクセルを踏み込む と、それからはも怒濤の加速で、しかしながら姿勢はビシリと安定しているので微塵の恐怖感もありません。高速コーナーもとんでもない速度で駆け抜けます。
このあたりは4WDとミドシップレイアウトの恩恵といったところでしょうか。

ランボルギーニ・ガヤルドの安定性、動力性能は驚異的

ふだん997(RR)に乗っていてその動きに慣れていると、ガヤルドはちょっと信じがたい、驚異的な動力性能を持っていることに驚かされます。ガヤルドのメーターはLP560-4からフォントなどが一新されたと聞いていますが、メーター自体も全般的にちょっと見難い(慣れていないということも大きな理由)と感じます。とくにスピードメーターは340km/hスケールなので、一目盛りの間隔が狭く、160キロなのか190キロなのか、文字もメーターの針にかくれてしまって読みづらいと感じました。この点(必要な情報の表示)については、やはりポルシェは(質素といわれながらも)見やすいですね。

ステアリングは太く安定していて握りやすく、当初心配していたドライビングポジション(がうまくとれるかどうか)についても、まず問題なく決まります。
おそらくはeギア仕様のためにクラッチペダルのことを考えずにシート前後位置をあわせることができるのが大きな理由ですが、その意味でも購入にあたってはやはりeギアを選ぶべきなのかもしれません。ペダルレイアウトに関しても、走り出してしまうと違和感を感じませんが、ブレーキペダルのフィーリングについては、慣れないために当初かなりの違和感を覚えます。

ガヤルドのブレーキペダルは反発力が強く、踏力に応じてブレーキの効き具合を調整することが非常に難しく思えるのですが、ペダルの反発力を感じながら奥まで踏み込んで、いちばん奥の方で突如ブレーキが効くといった感じなので、思い切って踏む必要があると感じます。

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eギアについては、もっとも変速速度の速い「コルサ」モードに入れるとガッツンガッツン繋がって気持ち良い印象。通常のモードではやや「半クラッチ」の時間が長いようにも感じ、とくに高回転域ではその「半クラ状態」のために車体が揺さぶられるような印象を受けるので(たしかに初期モデルではボディが振動していた記憶がある)、回転数を上げて走る場合は、より変速時間の短いモードを選ぶのが良さそうです。

eギアの扱いやすさはピカイチ。ダイレクト感もMTに負けていない

このeギアというのは思ったよりも便利なシロモノで、アクセルを踏みっぱなしでも変速できますし、とにかくクラッチ操作を気にしなくてもいいというのはこんなにも楽なものなのか、ということを感じますね。

MTの持つダイレクトな感覚に非常に近く(というか同じ)、しかも煩わしいクラッチ操作が不要、という点ではこのeギアは非常に優れていると思います。現在主流になりつつある2軸出力ではありませんが、だからこそ従来のMTに近いものがあるのでしょうね。
そのおかげでステアリング操作とアクセル、ブレーキ操作に集中できるので、とにかく楽しく快適に車を走らせることができ、メンテ費用とeギア装着にかかるオプション価格のことを考えなければ、選ばない理由はない、と感じた次第です。

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ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4に試乗した印象をまとめてみよう

ぼくがガヤルドLP560-4の市場で非常に優れていると思ったのは、以下のポイント。

1)やはりeギア。気を遣わずに運転に集中できる装備としては非常に優れたものだと思います。また、クラッチを気にせずにシートを比較的後ろに下げることができるのも良いですね。
2)体感パワー、加速感に関してはほぼ予想どおりでしたが、安定性、ハンドリングについては予想以上。運転のしやすさも予想以上。
3)走り出してからの乗り心地の良さ、 静かさについても予想以上ですね。地上高についても気をつければ問題の無いレベルでしょう。
4)そして、ちょっと嬉しかったのがフロントナンバープレートの位置と取り付け方法。これは金具で取り付けてあるだけですので、金具をチョチョイと弄れば ナンバー取り付け角度自体を曲げることができそうです。たかがナンバープレートではありますが、997では悩みのタネ(位置があまり良くなかった)であっただけに非常に嬉しいポイントですね。ちなみにリヤのナンバープレートはリヤフォグを一部隠してしまっていますが、このあたりが「日本市場はどうでもいい」的な印象を受け、もしかすると各国の法規とデザインとのギリギリとの妥協点があの位置なのかもしれず、それはそれでOKです。
5)乗降性。ルーフは低いですが、横方向へのルーフの幅が狭いので、頭を(ぶつけることを)あまり気にせず乗り降りできます。

逆にちょっと問題だと感じたのは下記のポイント。

1)シートの薄さ
2)通常もしくはATモードにおける、高回転時のeギアの変速ショック。
3)意外に気になったのが風切り音。これは排気音が静かであるせいもあるでしょうね。かなり大きく感じました。
4)やはり気になったのが後方視界。ルームミラーはリヤウインドウすべてをカバーするほど良く見えるのですが、ナナメ後方の視界はとにかく皆無に等しく、これはトンネルバック形状をしているCピラーが視界を遮っていることも原因ですね。これは実際に路上では大きな問題になる可能性もあり、室内天井に(後方に向けて)カメラを設置しようか、と思ったほどです。
5)そして、これは常にぼくの頭の中にありますが、「この価格は適正なのか」という疑問。
その他、これがあったら良かったのに、と思うのは電気式パーキングブレーキ、そしてエンジンスタートボタンもしくはエンジン始動に関するなんらかの演出。このあたりはアストン・マーティンが上手ですね。

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ぼくは、この類の車を試乗するときは、だいたいカレラに乗って訪問していました。カレラに乗っていって、その直後に試乗を行い、またカレラに乗る。または、納得できない部分があれば、同じ試乗コースをカレラで走ってから帰る、といった行動をとることで、いろいろなことが適正に判断できると考えていたからです。そのような場合、今まで気づかなかったカレラの良さに気づくこともあり、それが面白かったりして、これが「911はスポーツカーのメートル原器」といわれる所以なのか、と考えたりします。

もうひとつ別の車で、ガヤルドと同じ4WDレイアウト+似たようなパワーとなると、比較対象に挙るのがやはり日産GT-Rですね。あらためて思うのは「GT-Rは凄い車だ」ということです。体感的な安定感はガヤルドが上、加速感はGT-Rの方が上だと感じました。0-100のタイムは同じですが、このあたりはターボ/NA、ギア比の差異によるものでしょう。
GT-Rは安定しすぎているのか「運転している感覚」が希薄で、かつ目に入る内装もまだ普通な範囲(着座位置もそんなに低くない)。

ただしガヤルドは、停車していても目に入る風景が「ガヤルド」であり、「オレは今ガヤルドに乗っている」感が強いですね。また、車の挙動や排気音、ハンドリングなども、ガヤルドの方が「運転している」感が強く、楽しいと感じました。その一方、GT-Rはそれらを感じさせないのにあの速さ、というところが恐ろしくもあるわけです。

余談ながら、様々な車の試乗を繰り返す中で再評価の機運が高まったのがアストン・マーティンV8ヴァンテージ。デビュー当初のモデルにも試乗して(とくにペダル剛性に)感銘を受けたわけですが、最新モデルはハンドリング、エンジンともにさらに磨きがかかり、とても良い車になったと思います。

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