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一人の男の狂気が産んだアポロIE(インテンサ・エモツィオーネ)。その構造や機能を見てみよう

2017/10/26

発表にさきがけオンラインで画像を公開

アポロがその新型車「IE=Intensa Emozione(インテンサ・エモツィオーネ)」をオンラインにて先行公開。
画像を見ただけでもそのパフォーマンスの高さを感じさせるハイパーカーですが、これはアポロ代表のノーマン・チョイ氏によると「現存するハイパーカーにはどれも満足できない。だから自分が満足できるもの、笑顔に慣れるものを作った」とのこと。

現在アポロは香港企業となっていますが、香港はとんでもないお金持ちが多くスーパーカー/ハイパーカー天国でもあり、それだけにこのノーマン氏の発言には重みがあります(おそらくノーマン氏自身でもほぼすべてのハイパーカーを所有しているものと思われる)。

アポロ Intensa Emozione(インテンサ・エモツィオーネ)は、これでも公道走行が可能だ

なおアポロ・インテンサ・エモツィオーネはこの過激なルックスにもかかわらず公道走行が可能。
エンジンはターボもハイブリッドも持たない「自然吸気」6.3リッターV12/780馬力(このあたり、やはり前出のノーマン氏はよくわかっている)。
レブリミットは9,000回転とされており、これはかなり高回転型エンジンだと言えますね。

↓ドアはガルウイング。これはカウルを外した状態

アポロは香港企業ではありますが、アポロのデザイン拠点は英国にあり、そして英国はモータースポーツの本場ということもあって、多くのファクトリーの協力を得たであろうことも容易に想像可能。
パフォーマンスとしては0-100キロ加速2.7秒、最高速度は時速333キロ。

時速400キロを超えようというハイパーカーが見られる中では地味な数値ではあるものの、ノーマン氏は「単純な速さよりは、運転する楽しさを優先したい」としており、ハンドリングには自信がある模様。
一方で「将来的にはいくつかの記録に挑戦するつもりだ」としており、今後さらなるエボリューションモデルの登場、それによるニュルブルクリンクのラップタイムや最高速アタックなどの可能性を匂わせています。

時速300キロの時点においてダウンフォースは驚愕の1350キロ。
パワーが異なるので直接の比較はできないものの、ロータスのサーキット走行専用モデル「エキシージ・レース380」が時速273キロ時点にて240キロのダウンフォース発生ということを考えると、アポロIEの数字は「途方もないもの」であることがわかります。

↓F1マシンに比較すると、意外とフラップやフィンが少ない

なお価格は約3億円で、限定10台のみの生産。

何にも似ていない独特のスタイル。
ノーマン氏の職業は不明ですが、お金があればこういったものがつくれる、という羨ましい例ですね。
ドアミラーは意外やコンベンショナルな「ミラー(カメラではない)」を採用しています。

リヤはさらに過激。
レーシングカーすら超えており、宇宙から来た乗り物のようですね。

アポロ Intensa Emozione(インテンサ・エモツィオーネ)のインテリアはこうなっている

こちらはインテリア。
シートは固定式で、オーナーそれぞれの体型に合わせて「型取り」されるオーダーメイド。
ペダルとステアリングが動いてドライビングポジションを調整する方式です。
公道走行可能な車両といえど、「前が見えない」のは間違いなさそう(フロントカメラがないと一般道の走行は難しい?)。

ドライブモードは「ウェット」「スポーツ」「トラック」の3つで、トラクションコントロールは12段階。

トランスミッションは6速シーケンシャル(ヒューランド製)。
構造上、最初のスタートだけマニュアルでつなぐ必要あり。

アポロ Intensa Emozione(インテンサ・エモツィオーネ)のシャシーはこうなっている

エキゾーストシステム、サスペンションは芸術品のようなつくり。
このあたりはパガーニを意識したのかもしれません。

こちらがカーボンシャシー。
シャシーそのものの重量は105キロしかなく、「走行可能な状態」での重量は1250キロ。
この重量はパガーニ・ウアイラと同等ですね。

カーボン製と言えど構造としては非常に珍しく、マクラーレンやランボルギーニ・アヴェンタドール、パガーニなど「カーボン製バスタブシャシー」を持つ車のほとんどは「カーボン製のキャビンに、アルミ製のサブフレームを接続」したもの。
しかしアポロ Intensa Emozione(インテンサ・エモツィオーネ)では、前後サブフレームもカーボン製というか、「フロントとリアのサスペンション取付部まで一体化した」構造で、このあたりも(サスペンションだけではなく)F1を参考にしたのかもしれません。

サスペンションはF1にインスパイアされたダブルウィッシュボーンでプッシュロッド式(ダンパー/スプリングはビルシュタイン製)、アンチロールバーは調整式。
ブレーキはブレンボ製、とのこと。

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