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【試乗:ルノー・メガーヌGT】さすがルノー・スポール。ゴルフを超えた、コスパNo.1のハンドリングマシン

2017/11/20

さすがはルノー・スポールの手掛けたスポーツモデル

新型ルノー・メガーヌに試乗。
新型にスイッチしたばかりのメガーヌですが、現在のラインアップは「ルノー メガーヌ GT」「ルノー メガーヌ スポーツ・ツアラー GT」「ルノー メガーヌ GT-Line」。
エンジンは1.2リッターから1.6リッターという構成です。

ルノー メガーヌ GTの装備やスペックを見てみよう

今回試乗した「メガーヌGT」はその中でも最もスポーティーなモデル。
主な装備としては下記が挙げられます(ルノーのホームページより)。

4コントロール(4輪操舵)
GT 専用シャシー
エマージェンシーブレーキサポート(アクティブブレーキ)
SDW(セーフティディスタンスワーニング、車間距離警報)
LDW(レーンデパーチャーワーニング、車線逸脱警報)
BSW(ブラインドスポットワーニング、後側方車両検知警報)
イージーパーキングアシスト
パーキングセンサー(フロント・リア・サイド) + リアカメラ
ルノー・マルチセンス
アンビエントライト
R.S.ドライブ
パドルシフト

スペックはこんな感じ。

ボディサイズ:全長4395/全幅1815/全高1435mm
重量:1430kg
サスペンション形式:
エンジン:1.6リッターターボ(4気筒)
出力:205馬力
トランスミッション:7速AT(7EDC)
サスペンション形式:フロント/マクファーソンストラット リア/トーションビーム
価格:3,340,000円

なおルノー・ジャポンのページの解説はかなりわかりやすいので、詳細が気になる人は公式ページへ。パフォーマンスセーフティ&ユーティリティデザインの三つに分かれています。

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ルノー メガーヌ GTの外観を見てみよう

やはり大きな特徴は「CシェイプフロントLEDヘッドライト」。
ルノーはモデルチェンジごとに(同一モデルであっても)大きくデザインを変えるのが特徴で、例えば前モデルの面影を残すドイツ車やアメリカ車とは大きく異なる部分。

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ヘッドライト内部のプロジェクターに採用されるハウジングは「ブラックとホワイト」で、かなりオシャレ。

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バンパー下部のスリットはダミーではなくちゃんとエアが流れる構造。
見かけだけや「フタ」がされている車も多いのですが、こういった部分を見てもメガーヌGTは細部に至るまで真剣に作られ、無駄なデザインや構造がないこともわかります。

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結構大きなディフューザー。
アンダーボディはフラットに近く、(飾りではなく)ディフューザー効果もちゃんと得られるように。

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ドアハンドルは高級感のあるメッキパーツが付与。

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フロントフェンダーサイドにはガーニッシュ。

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ブレーキディスクはハウジング部に肉抜きが施された軽量仕様。
こういったところを見てもメガーヌGTが本気であることがわかります。

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ルノー言うところの「3Dテールランプ」。

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ルノー メガーヌ GTのインテリアを見てみよう

日本仕様はセンターコンソールが専用に。
5つのカラーを持つアンビエントライトも装備されています。
メーターは7インチサイズのTFT液晶ですね。

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シートは市販車ということを考えると「異例に大きな」サイドサポートを装備した「GTスポーツシート」。
ヘッドレストにはチェッカーが刺繍で入ります。

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シート表皮はアルカンタラとレザー。

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ステッチはブルー。

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GT用ナパレザーステアリングホイールのステッチもブルー。

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シフトノブのステッチもブルー。
クロームの加飾も与えられています。

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シートベルトにもブルーのライン入り。

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ルノー メガーヌ GTで走ってみよう

アンロックしてドアを開けるとまず「おっ」と思うのが「効果音」。※キーはカード状のけっこう大きなもの
いわゆるウエルカムシークエンスですが、これはなかなか面白く、気分が盛り上がるところ。
早速乗り込んでドアを閉めますが、その瞬間に感じるのが気密性の高さ。
重厚な音というわけではないものの、(説明が難しいのですが)ドアを閉めた瞬間に「隙間がなくなった」という印象があります。

その後にシート等を調整してステアリングコラム左脇のプッシュボタンを押してエンジンスタート。
この瞬間は心地よい音と振動が入ってくるようになっていて、この辺り「ノイズやバイブレーションを完全に排除しようとする」一部の日本車やアメ車とは異なるところ。
インテリアそのものも質実剛健なイメージがあり、ドイツ車にやや近い考え方を持つようにも思います。

シートは見た目のスパルタンさに比較すると驚くほどコンフォート。
日本車やアメ車のシートは柔らかく、イタリア車やドイツ車はシートの反発力が強いことが多いように思いますが、ルノーのシートはそれらとも異なり、しかし絶妙の座り心地を実現しているようですね。

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早速ギアを「D」に入れ、電気式パーキングブレーキを解除して走行開始しますが、クリープが適度にあり、ストップ&ゴーの多い状況でも扱いやすい挙動。

驚くべきはその加速で、ちょっとアクセルを踏み込むとかなりのトルクをもって加速。
とても1.6リッターとは思えないパワフルさですが、これはフリクションロスの少なさ、そして駆動系のマスの小ささも起因していると思われます(ブレーキローターなどを見るに、相当にドライブトレーンの軽量化に配慮されている模様)。

ブレーキ、ステアリングフィールについてもかなり「自然」な印象があり、相当に「作り込んでる」感のある車。
ちょっと走って車に慣れると思い通りに扱うことができ、例えばアクセルだと踏み込んだ時に「自分が期待した通りに」加速し、ステアリングホイールを切ると「期待した通りに」車が曲がり、ブレーキを踏んでも「期待した通りに」止まる車。

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思った以上に加速したり/思ったよりも加速しなかったり、思ったよりも曲がりすぎたり/ステアリングを切り足す必要があったり、ガックンと止まったりもしくは止まらなかったりということがなく、とにかく操作した通りに過不足なく反応し、「気持ちのいい」車。

多くの車は思ったよりも加速させることで「速い」と思わせたり、思ったよりも曲がって回頭性に優れると思わせたり、思ったよりもガツンと止まってブレーキが効くと思わせるものがありますが、メガーヌGTはそういった「過剰な演出」はなく、極めて自然。

先代メガーヌRSに乗った時にも感じたのですが、こういった車はそうそうあるものではなく、さすがにモータースポーツ部門の「ルノー・スポール」が手がけただけはある、と思わせる車(モータースポーツではこういった演出は必要ない。必要なのは要求した操作に答えるだけのポテンシャルと結果だけ)。

正直「よくこんな車を作れたな」と思わせるものがあり、改めてルノーの地力の高さを見た気がします。

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なお、ここで触れておかねばならないのはルノー渾身の4輪操舵システム“4CONTROL”。
時速60キロ未満では逆位相、それ以上では同位相に後輪が切れるロジックを持ちますが、低速時の回頭性の良さは特筆もので(最小回転半径は5.2メートル。このサイズだと通常は5.5-5.7メートルくらい)、かつ高速走行時の車線移動では「斜め前」に移動するような感覚があり、しかしこれを全く違和感なく実現している、と感じます。

↓こちらは高速走行時における4CONTROL作動の様子

ドライブモードは「コンフォート」「 ニュートラル」「 スポーツ」「 パーソナル」の4つ。
これはセンターコンソール上の「R.S.ドライブボタン」で変更が可能。
各モードに合わせてエンジンレスポンス、パワーステアリング、エンジンサウンド、メーター内表示などが変更になるのは他メーカー同様ですね。

ルノー メガーヌ GTは総合的に見てどう?

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ルノー・メガーヌGTはとにかく動きが自然で違和感のない車。
あまりに自然すぎてその素晴らしさに気づくことができないんじゃないかと思わせるほどですが、これは「ドライバーのどんな操作にも」破綻なく応じるだけのポテンシャルを持っているからこそ、と思われます(懐が深い)。

安全性においても現在考えうる最高レベルのものを持っており、パワフルなエンジン、性格無比なステアリングレスポンスや強力なブレーキを持ち、品質の高い内装、乗り心地の良い足回りを備え、ドライブモード設定も可能という「全部入り」な車。
いやこれだけの運動性能があるなら「RS」はいらないんじゃないか、と思わせるほどの車で、これだけ揃って334万円、というのはかなりお買い得と言えそう。

ぼくはこれまでフォルクスワーゲン・ゴルフが「反則」と言えるほどのコストパフォーマンスを持っている車じゃないかと考えていましたが、ルノー・メガーヌGTはそれを超えるコストパフォーマンスを持っている、と断言できます。

ほかの画像はFacebook上のアルバム「ルノー・メガーヌGT」にアップしています。

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