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初代BMW Z4で知られる鬼才デザイナー、クリス・バングルが奇妙な車を発表した件

2017/12/05

これまでの作品とギャップありすぎ

BMWに在籍していたデザイナー、クリス・バングル氏が奇っ怪な車を発表。
これはパサデナにあるアートセンター・カレッジ・オブ・デザイン(同氏の母校でもある)にて彼の新プロジェクトとして公開されたもの。
クリス・バングル氏は2009年にBMWを去った後はすっかりその話を聞かなくなっており、よってこれは同氏の「8年ぶり」となる自動車デザイン。※たしかにBMWを辞任する時、「次は何も決まってない」とは言っていた

自動車としては8年ぶりの作品

なお彼は「大手自動車メーカーを去った後、中国/韓国の自動車メーカーに行かなかった」珍しいデザイナーの一人。
ミニ(R56)をデザインしたマーティン・ヒルデブランド氏はQOROSに移動していますし、ほか引き抜きの多いヒュンダイ/キアだと過去にはこういった事例が。

・キアが初代アウディTTのデザーナー、ペーター・シュライヤー氏を獲得、その後キアCEOへ
・ヒュンダイがブガッティ・シロンのデザイナー、アレクサンダー・セリパノフ氏獲得
・ヒュンダイがランボルギーニ副社長獲得
・ヒュンダイがベントレーのインテリアデザイナー獲得
・ヒュンダイがランボルギーニ・ガヤルド/ムルシエラゴ、ベントレーのデザイナー、ルク・ドンカーヴォルケ氏引き抜き
・ヒュンダイがBMW Mディビジョンのエンジニア、アルバート・バーマン氏を引き抜き
・ヒュンダイがMディビジョンのデザイナー引き抜き

それはともかく今回の新プロジェクト「REDS」ですが、詳細の公開はナシ。
室内空間を最大化した、街なかの移動のみを目的とした電気自動車にも見えます。

見るからに奇妙な車ではありますが、もともとクリス・バングル氏は奇妙な車ばかりをデザインしており、これまでの作品だと(BMW以外にも)クーペ・フィアット、フィアット・バルケッタ、BMW Z9、BMW 7シリーズ(E65/66)、BMW 6シリーズ(E63)クーペ、BMW Z4(E85/86)など。
この7シリーズのトランクに採用されたデザイン(マスを小さく見せながらもトランク容量とエアロダイナミクスをバランスさせる)は秀逸で、その後多くのメーカー(メルセデス・ベンツやトヨタ)がこれを模倣。
トヨタに至ってはいまだにこのデザインを採用しているほどで、ぼく的にこのデザインは「自動車デザインにおける革命」と考えているほどであります。

過去のクリス・バングルの作品を見てみよう

まずはクーペ・フィアット。
ヘッドライトのダブルバブルが特徴的。
当時としては先進的な「ピラー埋込み」ドアハンドルを持っています。

フィアット・バルケッタ。
割り箸のようなドアハンドルを持ちますが、これも「コンセプトカーがそのまま発売された」かのような衝撃がありましたね。

BMW Z9。
片側のドアは通常開き、もう片側はガルウイング。
この時点で「例の」テールエンドが登場しています。

BMW 7シリーズ。
この「バングル・バット」「バングル・アス」と呼ばれるリアデザインをBMWのもっともコンサバな7シリーズに採用したのは驚き。
よくBMWの上層部が許可したな、と思います。

BMW 6シリーズ。
これもクリス・バングルらしい一台。
当時のBMWは「客層の若返り」「新しい客層の獲得」を真剣に考えており、そのためにこういった一連のアバンギャルドなデザインが登場したと考えられます。

そしてBMW Z4。
これも議論を呼んだ一台であり、やっぱり「よくこれをBMWの役員会が承認したものだ」と今でも驚かずにはいられない一台(誤解のないように言っておくと、ぼくはクリス・バングル氏のデザインについてはかなり気に入っている)。

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