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現存するのは400台以下。超レアな変態車「ランチア・ストラトス」が競売に

2017/12/22

| ランチア・ストラトスの売り物はめったに出ない |

ランチア・ストラトス・ストラダーレがオークションに登場。
これは492台のみが製造されたうち44番目の車両となっています。

ランチア・ストラトスは「ラリーでの勝利のためだけに作られた」車で、「市販車をラリー用に改造したわけではない」のが他多くのラリー用車両とは異なるところ。※要は愛すべき変態車でもある

ランチア・ストラトスとは?

まずは「グループ4の規定」が「年間400台生産すればいい」というところから計画が始まり、ランチアは500台の生産計画を策定。
諸々の事情があって最終的に492台にとどまっていますが、それでも無事にホモロゲーションを取得し、実際にラリーでは猛威をふるった車です。

デザインはベルトーネに在籍していたマルチェロ・ガンディーニ、エンジンはフェラーリ・ディーノ246GT/GTSと同じ2.4リッターV6(190馬力)。
駆動輪は後輪のみで、トランスミッションは5速マニュアル。

全長は3710ミリと極度に短く、全幅は1750ミリ、全高は1114ミリ、ホイールベースは2180ミリ。
スイフトスポーツの全長が3890ミリ、幅は1735ミリなのでこれに近いということになりますが、ホイールベースはスイスポの2450ミリよりも随分短く、極端なディメンションを持つ車(直線のことはあまり考えておらず、コーナリング性能を極限まで高めている。なんせ勝つことしか考えていない)だということもわかりますね。
なお全高はランボルギーニ・ウラカンより5センチも低く(アヴェンタドールと比べても2センチ低い)、自動車史的に見ても「特殊な」部類に属する車。

サスペンションもラリー参戦を前提としたもので、フロントがダブルウィッシュボーン、リアがマクファーソンストラット(調整式)。

ちなみにサイドウインドウは「ちょっと」しか下がらないようですね(漫画「モンキーターン」で知った)。

今回販売に出される個体は走行距離71,008キロ(けっこう普通に乗っていたのかもしれない)、エンジンやトランスミッションはオリジナルのままで、2017年にはいったんオーバーホール済み。
ボディカラーは「ロッソ・アランチョ・ラリー」で、内装色だとカーペットはレッド、シートはハバナ。

Bピラーには今はなき「BERTONE」のロゴ。

他の何にも似ていない独特のリヤビュー。

インテリアも非常に簡素。
収納スペースは「ヘルメットが入る程度」とされ、車体構造同様、インテリアもレース以外は考えられていないことがわかります。

こういった「レースのホモロゲーション用に企画され、それが市販される」という車は金輪際発売されることはないと思われ、大変に貴重な車だと言えそう。
時折売りに出されると5000~6000万円程度の値を付けますが、現存するランチア・ストラトスは400台に満たないと言われ、今後「値上がりする」車の一つなのは間違いない、と言えますね。

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VIA:Motor1

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RMサザビーズ開催のオークションにてランチア・ストラトスHFストラダーレが登場予定。

492台製造されたうちの445台目で、初回登録は1975年、イタリアにて。
そこから二番目のオーナーに渡り、11年後に現在のオーナーの手に渡ったとのこと。

ドライブトレーンはフェラーリ・ディーノの2.4リッターV6で、これはもちろんオリジナルのまま。
キャブレター仕様で192馬力を発生し、5速MTで駆動します。

ランチア・ストラトスは市販モデルをラリーカーに仕立て上げたわけではなく、まずラリーカーに勝つ為の車(整備製が高いこと、壊れないこと、運動性能が高いこと、が条件だったとされる)を考え、ホモロゲーションを獲得する為に市販モデルを発売したという逆のアプローチをとった車であり、その意味では非常に純粋な車ですね。

デザインはベルトーネ、そしてシャシーの原案はダラーラと言われ、当時としては黄金のコンビによる車です。
全長3710ミリと極端に短く、しかし幅は1750ミリ(当時としてはかなり広い)、そして全高は1114とウラカンより46ミリ、アヴェンタドールよりも22ミリも低いという、とんでもないプロポーションを持つ車です(縦横比、高さは現代だとアルファロメオ4Cのようなイメージ)。

かつてフェラーリF430ベースでストラトスを復活させる計画もあったようですが様々な問題でお蔵入りになっており、しかしいつかは復活させてほしい車ではあります。

Photo:RM Sotheby's

関連投稿:ランチア・ストラトスがオークションに登場。1976年製、レストア済み

ランチア・ストラトスがオークションに登場予定。
ストラトスはそもそもラリーのホモロゲーションのためにだけ生産されたという特殊な背景を持っており、生粋のレーシングカーといっても過言ではない車ですね。

ガンディー二によってスケッチされベルトーネの元で完成を見たとされますが、フェラーリ・ディーノのV6エンジンを持ち、192馬力を発生(もともとの馬力では危険すぎるという理由でデチューンされている)。

492台のストラトスが製造されたとされますが、今回の個体は1976年製でレストア済みだそうです。

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