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マツダが実質減益。CX-5の販売が伸びるも「値引き」が収益を圧迫→マツダ地獄に逆戻り?

2018/02/15

| マツダが販売好調なるも実質「マイナス成長」。その中身は? |

東洋経済にて、「マツダが米国で苦戦」との記事。
マツダは円安メリットで増益となったものの、現実としてはアメリカ国内で販売台数が減少しており(つまり為替が動かなければ減益となっていた)、その内容について切り込んだ内容となっています。
なお売上高は8.5%増加し2兆5479億円、営業利益は5.1%増加の1071億円、と数字だけ見るとやはり「好調」ではありますね。

アメリカ市場では大きく販売を落とす

マツダが製造する車のうち80%は「輸出」で、マツダの発表した数字によると、国内生産は971,455台で、輸出は793,173台。
たしかに輸出比率は81.6%とかなり高くなっており、前期比で対ドル5円、対ユーロ11円”円安”に動いたことで315億円の為替差益が発生することになりますが、この為替差益を「抜き」にすると逆に26%の減益になる、と記事では指摘。

その大きな原因としては上述のように「アメリカ国内販売の不調」にあるということになり、これもマツダの発表によると、2017年において北米での販売は-15.1%(280,048台)。
欧州(210,317台)は+3.1%、オセアニア(6,431台)は-2.0%、その他(220,914台なので小さい比率ではない)が-22.0%。
なお日本国内での販売は209,660台で+4.1%という数字となっています。

この数字が示すとおり北米が大きく販売を落としていることがわかり、この理由としては法人向けのまとめ納入(フリート販売)を絞ったため。
このフリート販売は一時的に台数が稼げるものの、値引き要求が厳しく(他社と競合する)利益を得るのが難しいとされ、また一定期間経過後に買い戻す必要があり(これは日本と異なる)、あとで買い取りのための出費を余儀なくされ、かつ中古相場が下落してブランドイメージを下げるという懸念も。

なお日産が販売台数を稼ぐために注力しているのがこのフリート販売で、そのため日産は「将来ツケが回ってくる」とも言われますね。

そこでマツダですが、これは昨年に発表されたとおり北米法人の社長を久しぶりに日本人へと置き換え、「スバルを手本に」販売を立て直すと報じられたとおり「健全な」販売方式へと転換中で、現在は「産みの苦しみ」の最中だとも言えそう。

マツダの販売減速、値引き増加は業界平均を大きく上回る

しかし現在北米で「苦しい」理由が2つあり、ひとつは「セダン(アクセラ)が売れない」こと、もうひとつは「CX-5が売れても儲からない」こと。
セダンが売れないのはほかメーカーも同じですが、マツダ・アクセラは業界平均の-10%を大きく超える20%以上の減少に。

セダンがオワコンなのは数年前から報じられるものの、なぜ日本の自動車メーカーは未だセダンを投入し続けるのか不思議なくらい(地元アメリカのメーカーはとっくに頭を切り替えている)。
マツダの場合はとくにセダンを増やしているわけではなく、しかし大きな打撃を食らっており、この数字を見る限りではトヨタやホンダは「売れないと言われるセダンでの新型を投入することで」まだ減少幅を小さくできていたこともわかります(トヨタはカムリ、ホンダはアコードという、もともと大量に売れるモデルがあるのでテコ入れの効果はあるが、マツダはそうではない)。

もうひとつ「CX-5を売っても儲からない」ということですが、これもアメリカの特殊事情で「インセンティブ」というものがあり、これはディーラーへの「報奨金」。
CX-5についてはこのインセンティブが増加に増加を続け、2806ドル(スバルの倍以上)に達したとしています。

インセンティブについて説明すると、要は「1台売れば、この金額をディーラーがもらえる」お金。
ざっとCX-5が400万円として、1台売ればディーラーは30万円もらえる、ということですね。
この報奨金が大きくなればなるほどディーラーは「そのクルマを売りたくなる」という仕組みですが、逆にこのインセンティブが大きな車は「人気のない車」と言いかえることも可能。

このインセンティブは消費者には無関係ですが、アメリカでは「複数ブランドを併売する」ディーラーが多く、たとえば「マツダのインセンティブが30万円」「スバルのインセンティブが15万円」だとしたら、ディーラーはお客さんに「マツダ車を勧める」わけですね。
しかしながら、スバルの人気は高いので(そしてインセンティブはユーザーに関係ない=還元されないので)お客としては「マツダじゃなくてスバルがいい」ということになり、しかしディーラーは儲かるマツダを売りたい。
そうなると「30万円のインセンティブのうち」10万円をお客に対する値引きに回して提示し、20万円をマツダからもらうようにすれば、「スバルを売るよりも5万円インセンティブがまだ大きい」ということに。※実際は車両価格や、インセンティブ抜きの利益によっても変わる

しかし「10万円差だったらスバルの方がいい」とお客が言ったとき、そしてその声が大きくなったときが問題で、その場合に「マツダはディーラーに支払うインセンティブを大きくしてでも」クルマを売るという手段に出るわけですね。
実際のところインセンティブの業界伸び率は5.7%といいますが、CX-5のインセンティブ伸び率は24.8%だと言うので、いかに販売が伸びたといえども「競争力がズルズル落ちてきている」ということに(よってCX-5一台あたりの利益が減ってきている。経常ベースの損益分岐点を割っている可能性も)。

このインセンティブはそのメーカーが「これだけの台数を売るためにこれだけ出してもいい」という額で、まざ在庫によっても大きく変わるものではありますが、マツダは一般にこれが大きく、スバルはこれがかなり小さい、と言われています。※日本でも販売対策費として値引きの原資、下取りアップ、特定メーカーの殻の乗り換え時の補助といった形でメーカー→ディーラー→消費者に還元される

とにかく、こういった状況を鑑みるにマツダの伸びは「必ずしもクルマが良くて売れているわけではない」「利益増加は為替差益」「売却時に安くなる→ブランド価値が下がる」ということが当てはまり、負のスパイラルに陥る可能性が高い、と考えられそう。

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