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わずか1787万円?台風で倒れた巨木に潰され大破したトヨタ2000GT。その損害賠償が半額で和解の見込み

2018/03/10

| 不幸な事故に巻き込まれたトヨタ2000GTの訴訟がついに和解 |

yahoo!ニュースにて、あの2014年に倒木によって大破したトヨタ2000GTの補償をめぐり、和解が成立する見通し、とのこと。
これは2014年6月8日、富山県南砺市の国道156号を走行中に山中から倒れてきたブナの大木が2000GTを直撃する、という不幸な事故に端を発する訴訟です。
なお車両の購入金額は3500万円で、これに治療費を加えた3900万円をトヨタ2000GTの所有者と運転者の二名が富山県を相手取って損害賠償をもとめた、というのが訴訟の内容。

クラシックカーの価値はなかなか認めてもらえない

第一回の口頭弁論では富山県側がこれに反論して争う姿勢を見せていたものの、今年に入ってから富山地裁が「1787万円を富山県が支払う」という和解案を提示しており、今回これが成立する見込みだと報じられています。

もともとの原告側の言い分だと「ブナの木が倒れる可能性は予見でき、その管理義務を怠った」との主張で、富山県としては「毎週パトロールしており、管理は適切で、木が倒れることは予見できなかった」と反論。
今回の和解についても意見が真っ二つに分かれ、原告側は「富山県の管理体制に問題があったことを地裁が認めた形になる」とコメントしたのに対し、富山県は「管理体制に問題はなく、責任を認めたわけではない。裁判所の和解案提示に従ったまで」と述べており、見解はどこまで行っても平行線なのかもしれません。

クラシックモデルの「希少価値」はなかなかこういった案件において反映されることが少なく、それは加入する任意保険も同様で、保険金額で修理費用や毀損された価値を補えない、というのは大きな問題でもありますね。

なお、この2000GTについては修復されることが当時報じられているものの、その後の経過は不明です。

トヨタ2000GTはこんなクルマ

トヨタ2000GTは1967-1970年に生産されたトヨタのスポーツカーで、トヨタとヤマハとの共同開発によるもの(その意味ではレクサスLFAとの共通点がある)。
350台程度が国内仕様/海外仕様合わせて製造され、オープンの特別仕様車がボンドカー(「007は二度死ぬ/1967年」)として使用されたことでも有名ですね。

なお1967年の東京モーターショーに展示され、その後シャネルのモデル、そして東京モーターショーのトヨタブースでコンパニオンを務めていたツィッギーに贈られたことでも知られます(これは偶然発見され、近年レストアされた)。
ちなみのこの「ゴールド」は1967年に展示された際のオリジナルカラーで、当時「世界に一台しか存在しない」ものであったそう。

2000GTのカタログカラーは前期モデルでペガサスホワイト、ソーラーレッド、サンダーシルバーメタリックの三色で、後期型ではこれに加えてベラトリックスイエロー、アトランティスグリーン、トワイライトターコイズメタリックが加わって合計6色に。



2000GT発売時の価格は238万円ですが、これは当時の大卒初任給の価格が3万円以下であったことから現代の貨幣価値に換算すると2000万円くらいの価格設定。
海外でも人気が高く、RMサザビーズ開催のオークションでは1億2000万円程度で落札されたことも。

日本だと東京・お台場にあるMEGA WEBヒストリックガレージ、大阪・天保山にあるG LIONミュージアムにて実車を見ることが可能です。※トヨタ・2000GT (1967年~) トヨタ名車列伝5話にも紹介がある

こちらはヒストリックガレージに展示される個体。
G LIONミュージアムにはぼくが訪問した際に2台の展示があり、うち一台はカスタムが施された非常に珍しいものでした。

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