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【米統計】「また次も買う」メーカーはダントツでトヨタ、2位はスバル。もはやアメリカでもアメ車はオワコンに

2018/03/13

| 各メーカーの強弱くっきり |

Edomundsが自動車のカテゴリやメーカーに対する「忠誠心」を調査した結果を発表。
この忠誠心(支持率といったほうがいいかも)は「乗り換えるときに、また同じカテゴリやメーカーのクルマを買うか」ということで数値化されたもので、統計を取った期間は2007年~2017年、その数およそ1400万台にも及ぶもの。

簡単にまとめると、こんな「感じとなっています。

・当然だけどSUVへの乗り換えが多い
・SUVを購入した人はまたSUVを買う傾向が拡大
・日本車に乗る人は「また日本車を買う」可能性が高い
・もっとも「また同じブランドに乗り換えられる」のはトヨタ

それでは内容を見てみよう

ここではざっと、その統計の内容を見てみましょう。
わかってはいたものの、けっこう衝撃的な結果となっています。

セグメントごとのトレンドはこうなっている

これは「SUV(緑)」「トラック(青)」「乗用車(グレー)」という3つのセグメントについて、「また同じセグメントのクルマに乗り換える」比率。

SUVに乗る人は75%がまたSUVへ、トラックに乗る人は74%がまたトラックへ、しかし乗用車に乗る人は57%しか乗用車に乗り換えていない、ということに。
グラフでは「2008年後半~2012年前半」をリセッションつまり景気後退だと示していますが、傾向が上昇しはじめた2012年後半からSUVとトラックの販売が急激に伸びていることがわかりますね。

この理由については「景気が良くなってガソリン代を気にする人が少なくなった(SUVやトラックは一般に燃費が良くない)、「ガソリン代そのものがシェールオイル革命などで安くなった」ということもありますが、魅力的なSUVが登場したこと、そして拡大したマーケットにあわせてさらに各メーカーがSUVを投入して選択肢が増え、結果としてSUVが魅力的な選択肢として目に映るようになってきたこと、があげられます。

SUVに乗っている人は次に何を買う?

こちらはSUVから買い換える人がどういったセグメントのクルマを買うか、というもの。
75%がSUVなのは上述のとおりですが、トラックへと移行する人が微増し、バンはほぼ変わらず。
SUVとトラックへの買い替え比率が増えた分、乗用車へと(SUVから)乗り換える人が減っていることがわかります。

SUVが人気→各メーカーがSUV投入→SUV選択肢が増えて市場が加熱→セダンにメーカーは力を入れない→相対的にセダンの魅力が下がる、というサイクルなのでしょうね。
ある傾向が生じればそれに追随するメーカーが増え、となると「目につくのはそのカテゴリの商品ばかり」になるので消費者もそれを選ぶようになる(日本だと軽自動車が同じ傾向なのかも)のかもしれません。

同じ国のブランドに買い換える比率は?

こちらは、今乗っているメーカーと同じ国籍のブランドに乗り換えるか?というもの。
日本車に乗る人の83%がまた日本車を選び、7%が韓国車へ、7%がアメ車へ、4%が欧州車へ。
韓国車に乗ると人は3%が欧州車、20%が日本車、68%が韓国車、9%がアメ車へ。
そしてアメ車に乗る人の4%が欧州車へ、29%が日本車へ、14%が韓国車へ、53%がまたアメ車へ。

圧倒的に「日本車→日本車」の比率が高いことがわかりますが、「韓国車の人はまた韓国車」「アメ車の人はまたアメ車」が最大比率で、しかし「アメ車からアメ車」は比率としては高くないこともわかりますね。



どの自動車メーカーが人気?

こちらは自動車メーカー別に「また同じメーカーに乗り換えているか」を表したもの。
トップはトヨタで63%がまたトヨタを選んでおり、2007年の58%に比べて増加。
スバルは61%(2007年は45%)なので、大きく人気化したこともわかります。
ホンダは60%、日産は48%、マツダは44%。
マツダはまだまだ数値としては低く、しかし「スバルをベンチマーク」として目下販売強化中、と報じられていますね。

下位だとクライスラーが16%とかなり低く、そして2007年の29%に比較しても下がっており、つまり消費者の支持が下がっているブランド。
ほか、以前に比べて「選ばれていない」のはダッジ、三菱、ビュイック、GMC、ヒュンダイ。

なお、この「買い替え」については単にクルマやブランドの魅力のほか、メーカー(ディーラー)の出す対策金が影響し、たとえば「マツダ地獄」のように、マツダからマツダへの買い替えだと条件が有利になるという場合もありそうです(韓国勢は特にこの傾向が強いと思われる)。

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高級車ブランドは「固定ファン」比率が少ない

こちらは高級車ブランドに限定した「また同じブランドに買い換えるか比率」。
トップはレクサスの51%ですが、トヨタの63%に比べると低い数字。
ただ、レクサスは品質や信頼性においても高い評価を獲得しており、まさにそういった結果を表しているようですね。

次点はアウディの47%ですが、2007年の34%に比較して大きく改善しており、ここしばらくで魅力を増したことがわかります。
3位はランドローバー、4位はメルセデス・ベンツとなりますが、メルセデス・ベンツは2007年に49%だった数値が2017年では39%と大きく下落。
BMWは2007年の26%から2017年では36%に増えており、メルセデス・ベンツはアウディやBMWに「食われた」と言えそうです。

5位はポルシェで、2007年には41%、2017年では38%。
これはほかメーカーが「ポルシェにぶつけた」商品を展開しているため、スポーツカーセグメントにおいてポルシェ以外の選択肢が増えたことが関係しているのかも知れません。
ただ、ポルシェの北米における販売の半数以上がSUVであることを考えると、カイエンやマカンの販売がほかメーカーのSUVに持っていかれている、とも言えそうです。

ただ、この「高級車」セグメントだと、購入する層は「いいと思ったクルマをパっと買える」人たちだと思われ、「燃費」「維持費」といった観点でクルマを選ぶとは思われず、また複数台所有している可能性も極めて高いため、「トヨタ」「スバル」といったブランドとは別の見方が必要なのかもしれません。

全体的な印象は?

全体的に見ると、パっと「欲しい」モデルや人気モデル、よく目にするクルマを思いつくメーカーは伸ばしており、そうでないメーカーは落としている、と言えそう。
プロモーションも関係しているとは思うものの、基本的には「魅力ある商品を揃えているかどうか」ということが一番大きな要因だとも言えそうで、「販売が伸びないから」と新しいクルマ(商品)にコストをかけなかったり発売する数が不十分だと「ジリ貧」になる可能性があり(三菱がそうかも)、今回の統計にはありませんが、アストンマーティンのようにいかに苦しくとも積極的に商品を展開してゆくことでチャンスが開ける、という場合もありそうです。
「苦しいときこそ前に進めるかどう」かでブランドの進退が決まるのかもしれませんね。

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参照/Image:Edomunds

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