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2003年に「最後の一台」が日本へ来て終了と思われたチゼータV16T。実は今でも受注生産可能

2018/03/30

| チゼータV16Tはランボルギーニと深い関係にある |

ゲームソフト「グランツーリスモ」に登場するチゼータ(CIZETA)V16Tがまだ新車で購入できることが判明。
見た目がランボルギーニ・カウンタックに似ていますが、それもそのはず、デザイナーはカウンタック(やミウラ)をデザインしたマルチェロ・ガンディーニ。

エンジンは名称からもわかるとおり「V16(6リッター540馬力)」で、これをミドシップかつ「横置き」にマウントされています。※諸説あるものの、ランボルギーニ・ウラッコのV8を2基合体させたものとされる
トランスミッションは5速MTで、駆動輪は後輪のみ。
エンジンは片バンク8気筒(のV16)でこれを横置きとし、そこへ直角にトランスミッションを積むために上からドライブトレーンを見ると「T」となり、これが「V16T」の名称の由来に。

レイアウトはランボルギーニ・ミウラと同じ

なお大排気量エンジンをミドシップ横置きというのはランボルギーニ・ミウラと同じ構造ですが、これはシフトリンケージなどがかなり「複雑」でメカニズム的制約も多いとされ、その後のカウンタックではエンジンが「縦置き」に(チゼータV16Tはそれほど困難なレイアウトに挑戦した車、だということ)。
カウンタックに付与される「LP」はエンジン後方縦置きを意味する「Longitudinale(縦)」、「Posteriore(後ろ)」の略ですが、ミウラの場合はエンジン縦置きではないので「L」がなく、単に「P400」というネームが付与されていますね。



そういった経緯でランボルギーニとの関連性の高いチゼータV16Tですが、車体構造にはチューブラーフレームを採用しボディはオールアルミ。
ボディサイズは全長4443ミリ、全幅2060ミリ、全高1242ミリ(全高はガンディーニのデザインとしてはけっこう高い)。
0-100キロ加速は4.4秒、最高時速は328キロという、発表された1989年当時としては相当に高いスペックを持っています。

チゼータV16は「ディアブロがこうなるはずだった」クルマ?

なお車体デザインは上述の通りマルチェロ・ガンディーニですが、チゼータV16Tは彼が「ディアブロ用」に考えたデザインが採用されることに。
というのも、ディアブロをデザインする際、当時ランボルギーニの親会社であったクライスラーはマルチェロ・ガンディーにの初期デザインを却下(ガンディーにらしい、角ばったデザインをクライスラーは好まなかった)。
よって、ガンディーには却下された案をチゼータV16T用としてサルベージした、ということですね(のちにランボルギーニがアウディに買収され、ディアブロ”6.0”発売時にはガンディーニの初期デザインに近いものへと変更された)。

ただ、いかにディアブロの原案を使用したとしても、ディアブロで想定した「V12エンジン縦置き」とチゼータでの「V16エンジン横置き」とでは大きく事情が異なり、車体後部のデザイン変更を余儀なくされた、とも伝えられています。

チゼータV16Tは発売当時7000万円程度という高価格な車で、そのため販売が思うように進まずに9台の生産にとどまったと報じられており、最後の一台(コンバーチブル)は2003年に製造されて日本へと出荷された、とのこと(日本には合計2台がある、と言われている)。

なおチゼータV16T生みの親と言われるクラウディオ・ザンポーリ氏によると「今でもオーダーがあればチゼータV16Tは生産可能」とのことで、当時の製作機械はすべて保存されているようですね(ただし保管場所はバラバラなので再集合させるのには時間が必要)。

VIA:HAGERTY

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