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MT/AT論争に終止符。同じ車体、同じエンジン、同じ駆動方式のVWゴルフRとアウディS3が競争すると?

2018/04/15

| VWゴルフR、アウディS3は基本的に「同じクルマ」 |

CARWOWがフォルクスワーゲン・ゴルフGTIとアウディS3とを直線で加速競争させた動画を公開。
面白いのは、この二者について、「車体、エンジン、駆動方式は一緒であり、しかしトランスミッションがMTかATか」の違いだということ。
もっと正確に言うならば、ゴルフRとS3は同じMQBプラットフォーム、同じ2リッターTFSIターボエンジン(310馬力)を持ち、同じハルデックスによる4WDシステムにて4輪を駆動する、ということ。

トランスミッションが違えば加速はどうなる?

要は「バッジ違い」とも言えるモデルであり、仮にデュアルクラッチ・トランスミッションを持っていたとするならば0-100キロ加速は双方とも公称値で4.6秒。
ただし比較車両では、ゴルフRのほうが「マニュアル・トランスミッション」となっており、こちらの公称値は0-100キロ加速5.1秒(つまり0.5秒だけマニュアル・トランスミッションのほうが遅い)。

動画だと「同じエンジン、同じ駆動方式の場合、トランスミッションの違いでここまで差が出る」ということを見ることができますが、その差はけっこう圧倒的。
つまりマニュアル・トランスミッションのほうが「オイオイどうした!」というくらい遅いということになり、現代ではここまでMTとデュアルクラッチとの間に差が開いとしまった、ということに。

なお、デュアルクラッチの優位性は」変速スピード」だけではなく、エンジンのトルクを最も効率よく路面に伝える(駆動力に変換できる)という部分も。
つまりエンジン出力(回転数)とギア、トラクションコントロールとを統合しコントロール(カーブではABSもあわせて制御)することで「最も速く」走れるわけですね。

一方マニュアル・トランスミッションだと「人の操作」という不確定要素が入ることになり、これによって統合制御が難しくなることも。
つまり「変速にかかる時間」だけがマニュアル・トランスミッションにとって「速く走れない」理由ではないということですが、クルマの電子制御技術が向上するにつれ、両者の差が開くことになりそうです。

加えて、「AIの天敵は人間」とも言われるように、速く走れるクルマを、人間が操作することで「遅くしてしまう」こともある、ということですね。

ちなみにデュアルクラッチは1980年代にポルシェとアウディが共同して開発を行ったもので、ポルシェはレースにこれを投入。
実際に装着されたのは「962」ですが、当時は信頼性に欠け、重量も嵩み、動きもナーバスでドライバーに嫌がられた、という逸話も。
それが今では「PDKでないと勝てない」ところまで来ており、技術の進歩には相変わらず驚かされますね。

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