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アルカンターラ大人気で深刻な供給不足に。そもそもアルカンターラって何?そんなにいいの?

2018/04/13

| アルカンターラの需要が急拡大し、生産が追いつかない状態に |

lamborghini aventador

現在、クルマの内装素材として人気のアルカンターラが「品薄」との報道。
「アルカンターラ」とはイタリア・アルカンターラ社が製造するスウェード調の素材で、当初は「代替スウェード」としての登場となっています。
そもそもなぜ代替素材が必要であったかということについて、当時の背景として「スウェードだと、均一な毛並みを持つものを広い面積で用意できない」。

アルカンターラはもともと「代替素材」

スウェードは動物の皮革を使用する(皮革の裏面を毛羽立たせたもの)という特性上、その表面を均一に加工することが難しく、ステアリングホイールやシフトノブなど小さな面積であればまだしも、シートなど広い面積に用いるのが難しかったわけですね。※スウェード素材を用いるのには”滑り止め”の意図が大きい

そこで登場したのがアルカンターラですが、スウェードよりも軽量(同じ厚さであれば天然皮革の半分くらいの重量)、難燃性を持つ、カラーバリエーションが豊富で色移りしない、撥水性が高い、クリーニング性が高い、そもそも汚れにくいなどスウェードにはない、そしてクルマとマッチした利点を多く持っており、一気にこれが自動車用内装素材として普及することに。
近年では「エンボス」「穴あけ」加工も可能となり、ランボルギーニが「ヘキサゴン」模様に加工されたアルカンターラをはじめて採用した、とも報じられていますね。※アルカンターラ社による、素材の説明はこちら

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さらにはベルベットのような外観を持つことから「高級な視覚的効果が得られる」ということで、スポーツカーに求められた「滑り止め」という本来の機能的な需要から(”軽量性”という観点からもアルカンターラが採用される)、高級車に求められる「ラグジュアリー感の演出」というところにまでその需要が広がることに。※トヨタも「アルカンターラ・リミテッド」を発売したことがある

加えて最近では「動物を傷つけない」という観点から採用を広げる自動車メーカーも増えており、今後さらにその需要が拡大するのは間違いなさそう。
ベントレーやレンジローバーなど、社会的地位が高い人が選ぶブランドはすでに「動物由来の素材を使用しない内装」への対応をはじめていますね。

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アルカンターラ唯一の欠点は「価格」

こういった感じで「欠点がない」と思えるアルカンターラですが、唯一の欠点が「(天然皮革よりも)価格が高い」。
たとえば、もともとフルレザー内装を持つクルマをオプションにて「フルアルカンターラ」にすると価格が高くなってしまうことからも明らかですが、とにかく価格が高いのが難点だとも言えます。※ランボルギーニ・アヴェンタドールの場合、アルカンターラを選ぶと95,580円レザーに比べて高くなる

ただ、それでも様々な要望によって(デザイン的、社会的責任)この流れがスピードダウンするとは考えにくく、そして今「価格」以外に問題となっているのが「アルカンターラの生産が追いつかない」ということですね。

なお、アルカンターラについては「技術の進歩が状況を変えてしまった」と考えられます。
つまり、クルマや家具、ファッション製品に天然皮革が使用されなくなるのは「天然皮革が手に入らなくなるから」ではなく、「アルカンターラのほうがいいから」というパラダイムシフトによって引き起こされる、ということですね。※ここへ環境負荷もプラスされる

これはちょうど、ガソリン車が絶滅するのが「ガソリンがなくなるから」ではなく、「ハイブリッドやEVの台頭」、そして「規制」によって過去の存在へと追いやられるのに似ていて、その意味では技術革新というのは大きな意義があり、自然環境すら超越する変化を生活にもたらす、とも言えそう。
同じ意味では、よく言われる「食糧危機」はなんらかの技術革新が解決するだろう、ともぼくは考えています。

ちなみにアルカンターラの起源は日本の「東レ」。
日本では「エクセーヌ(現在ではウルトラスエード)」として知られるもので、「アルカンターラ」はこの技術を使用してイタリアのアニッチ社との合弁で設立したアルカンターラ社で製造するものが「アルカンターラ」。
イタリアで生産されるということからイタリア車に採用されることが多く、そのため「イタリア=オシャレ」というイメージからも他メーカーが(イメージ的に)こぞって採用に動き出した、とも言われていますね。※東レによるウルトラスエードの紹介はこちら

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