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価値の上がるクルマ、維持できるクルマ、下がるクルマはどうやって決まるの?市場理論を考える(前編)

2018/04/21

| 価値の上がるクルマや価値が下がるクルマはどこが「分かれ道」? |

世の中にはいろいろな車があって、中には価値が上がるもの、下がらないもの、下がりまくるものが存在。
ぼくはクルマを購入するのが趣味の一つのようなものですが、色々なクルマを売買する過程で、ある程度の相場観というか、「このクルマは値が下がらないだろうな」とか「このクルマは買うとヤバい」という経験則のようなものが身についています。
なおぼくはクルマで「儲けよう」」と考えているわけではなく、単に「乗り換えるときに高く売れないと、次が買えない」ために売却価格を気にしている、ということですね。

クルマを買うときには「予想売却価格」も重要

クルマを買う前から売るときのことを考えるのはいかがなものかという向きもあるかと思いますが、売却価格を気にしなくても良いほどの財力はなく、かつぼくは「新しいモノ好き」なのでひとつのクルマにずっと乗り続けるタイプでもなく、よってぼくにとって「売却価格」は非常に重要な要素。

今回は「値が下がりにくいクルマ」と「一定から値が下がらないクルマ」「値が下がるクルマ」について考えてみたいと思います。

まず、値が下がりにくいクルマの条件としては「限定」「突出した装備や付加価値がある」「代替性がない」「もともと割安」「実用品としての需要がある」「特定購買層がいる」こと。
これらについて、もう少し掘り下げてみましょう。

1.限定モデル

「限定」については述べるまでもなく、国産車だと先代のシビック・タイプRや、スバルWRX STI 「S208」などですね。
単にお買い得装備がついた「売るための限定」ではなく、メーカーが根本的にそのクルマの性能を向上させるために手を加えたもので、外観や機能、運動性能が根本的に異なるクルマ。
日本人は特に「限定」にヨワく、こういったクルマは価値が下がりにくくなっています。
フェラーリも同様で、限定モデルはもちろん、通常モデルですら供給が絞られており、これが「極端に高い中古相場」を形成。
フェラーリとと同じ価格帯のクルマとしてはランボルギーニ、ポルシェ、アストンマーティン、マクラーレンなどがありますが、「(価格ではなく供給状の理由で)なかなか手に入らない」という理由によってフェラーリは価格が下がらない、という状況となっています。

2.突出したキャラクターを持っている

「突出した装備や付加価値がある」については、その方向性はまさに色々。
走りという点ではシビックTypeRやルノー・メガーヌR.S.。
これらはさらに(最近のハイパフォーマンスカーがどれもDCT化している中で)「マニュアル・トランスミッション」という希少性が。
ポルシェだと「GT3/GT3RS」、ボクスター・スパイダー、ケイマンGT4も同様で、「ピュア」というところが色褪せぬ輝きを放つのだと考えています(テクノロジーにこだわると、それを超える技術が出てきたときに急激に色褪せる。よって基本に忠実なピュアスポーツは強い)。

あとはMTと似たようなものですが、「自然吸気エンジン」も今では大きな価値の一つ。
ポルシェやフェラーリでは顕著で、現行ラインナップがどんどんターボ化するにあたり、NAは排他的価値を持つことになっていて、同じ理由で今後「ハイブリッド」が普及するようになると「ハイブリッドではない」スポーツカーの価値が上がることになりそう。

そのほか、レースで活躍したクルマは比較的人気が高い傾向にありますが、最近ではレースから撤退するメーカーも多く、かつモータースポーツ人気自体が日本では下火なので、ここは最近アテにならないところ。

3.他のクルマとはまったく違う

「代替性がない」クルマについて、上の項目とも似ていますが、たとえばスバルWRX STI。
これはシンメトリーAWD、ボクサーエンジンということで代替性がなく、トヨタFJクルーザー、ホンダ・エレメントも同様。
他だとトヨタbBオープンデッキ、ホンダCR-Xデルソル、いすゞ・ビークロスといったクルマもここに分類でき、いわゆる「珍車組」だと考えても良いかと思います。
輸入車だと、シボレー・コルベットは「他に替えられない価値」があり、クライスラー(プリマス)プロウラーもこのジャンルの代表格。
いわゆる「コレクティブルな」クルマで、趣味性が高く、コレクションとして置いておきたい、と思わせるものや、新しい時代をつくったエポックメイキングなクルマだとも言い換えることができ、ホンダNSX、日産GT-Rも同じかもしれませんね。
広義ではレンジローバー・イヴォーク、ジープ・ラングラーも該当しそうで、アウディの「オールロード」もこれに近いと思われます。

4.コストパフォーマンスが高い

「もともと割安」なクルマというのも世の中にはいくつかあり、たとえばフォルクスワーゲン・ゴルフRや日産エクストレイル、トヨタ・ハリアー、トヨタ・ノア/ボクシー/エスクァイアはこういった部類。
ただ「もともと割安」という要素だけでは価値を維持できず、もともと割安な上に「運動性能が高い」「モノがたくさん載る」「人がたくさん乗る」「オシャレ」といった要素が複合的にミックスされ、それが「価格が下がりにくい」という状況を作り出すようです。

なお、スバルは先端技術に手を出さずに既存技術にこだわってクルマを作るメーカーで、そのため「ハイブリッド」「水素」などに手を出すトヨタやホンダとは異なり、投資が少ないメーカー。
つまり会社運営にかかる費用が他に比べて少なく、つまり「それだけ安くクルマを作り、安く売れる」ということに。
よってスバルのクルマは昔から価格に比較して「馬力が高い」「装備に優れる」傾向にあり(つまり価格競争力がある)、ここが人気の理由ではないか、と考えています。

なおBMW M2は(M4に近い)パフォーマンスの割に価格が安く(同じBMWだとM4の価格がゆうに1000万円を超えている)、よってM4に引っ張られ中古価格もかなり割高(かつMTだともっと下がりにくい)。

5.趣味性よりも実用性

「実用品としての需要がある」ということですが、たとえば4WDは寒冷地で「生活必需品」でもあり、そのためスバルの4WDは価格が下がりにくい、という状況があります。
ハイエースもここに分類でき、絶対的な需要に下支えされている、と言って良さそう。



6.誰かがなからず買うクルマ

「特定購買層がいる」ということですが、これは上述の「ハイエース」が該当。
モノが載るだけなら日産キャラバンでもいいわけですが、「ハイエースでないと」という層がいる、ということですね。

そしてトヨタ・ランドクルーザーも同様で、レクサスLSも同じ。
ランクル以外の4WDやLS以外のサルーンではダメだという人々が多く、そういった人々に支えられて独特の市場を形成しています。
新車は高価ですが売るときも高く、中古相場も同様に高値維持ではあるものの売るときもまた高い、という特殊な市場。
よって、「安いから」という理由でランクルに似たクルマや、レクサスLSに似たクルマを買ってしまうと、あとから困ることになる、というケースも。

その他だとジープ・ラングラー、ハマー、ミニ、アルファード、ジムニー、メルセデス・ベンツGクラス、デリカD5といった車種もここに該当。
おおよそそのクルマに乗る人がイメージできる(アルファード=マイルドヤンキー、みたいな)車種は「特定顧客がついていて」「独自の市場が形成されている」と考えてよく、売るときに困らないと考えています。

そしてこういったクルマは中古車ショップにとっても「価格を下げなくても(もしくは高くても)誰かがいつかは買う」とわかっている車種なので、店頭価格も「強気」な傾向があるようですね。

加えて、「スポーツカー(スポーティーカーではない)」も同じで、アバルト124スパイダー、トヨタ86/スバルBRZなどのFRかつマニュアル・トランスミッションを持つクルマは支持層が少なからずおり、かつオッサンのセカンドカー(お遊び用)としての需要もあるので、以外に「下がらない」クルマでもありますね。
とくに86/BRZは走り屋御用達、という需要も。

7.その他の事情

ほか、その時代に合った人気モデルは当然ながら価格が下がりにくい傾向があります。
今だとスズキ・ハスラーやホンダN-BOX、トヨタ・プリウスなどですね。
ただ、ブームが去ったり、競合が出てきたり、数が異常に増えて供給が需要を超えると相場が一気に下がることに。
たとえばトヨタ・プリウスは日産ノートe-powerの登場で今後相場が大きく崩れるだろう、と考えています。
トヨタC-HRもそのうち「供給過多」に陥りそう。

特殊な事情ですが、「日本では手に入るが、海外では手に入りにくい」クルマがあり、トヨタ・アルファードの上位グレード(海外では下位グレードしか販売されていないケースが多い)、アウディQ2(日本はタマ数があるが、東南アジアでは不足している)といったクルマが現在中古相場高めですが、これらもいずれは是正されそう。

以下、後編へ続く

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