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こんなコンセプトカーもあった。3輪で車体を傾けて曲がる「F300」。意外やその技術は現代のクルマにも

2018/06/05

| メルセデス・ベンツには未来に繋がるコンセプトカー”F”シリーズがあった |

メルセデス・ベンツが1997年に公開したコンセプトカー、「メルセデスF300ライフジェット」。
102馬力を発生する1.6リッターターボエンジンを搭載して後輪を駆動し、5速セミオートマチックトランスミッションを装備。
0-100キロ加速は7.7秒、最高速度は時速211キロ、というスペックです。
自動車とバイクとをかけ合わせたようなコンセプトカーですが、4輪ながらもBMWが過去に同様のコンセプトモデル「Z21 Just 4/2」を公開していますね。

なぜかメルセデス・ベンツのスリーポインテッドスターは与えられず

なお、この前に「F100」と「F200」があるそうですが、なぜか「メルセデス・ベンツ」のエンブレムがないのが外観上の特徴。
インテリアは「ジェット戦闘機」モチーフとなり、ほかのメルセデス・ベンツ製コンセプトカーとは大きく異なります。

↓この細い後輪のみで駆動するのはちょっと不安

F300にはACT=アクティブ・チルト・コントロールなるデバイスを備え、これはコーナリング時に車体の角度を変えるもので、ヤマハの3輪バイクが持つ「LMW=リーニング・マルチ・ホイール」と共通する考え方なのかもしれません(構造自体は異なる)。

メルセデスF300に採用されるACTは、ステアリング角に応じて「自動で」その車体アングルを計算し、アクティブに車体を傾けるようですが、日産も2009年に「ランドグライダー」で同様の機構を採用していますね。

↓こちらがNISSAN LAND GLIDER

なおタイヤの「側面まで」グリップさせる必要があるためタイヤそのものは専用開発で、ホイールはマグネシウム製。
シャシーだけだと重量わずか89キロと相当に軽量かつお金のかかった車体を持っており、さらには車体制御技術に連動し「車体の角度に応じて」照射角度を変えるアダプティブヘッドライトを備える(当時としては画期的)など、テクノロジー的にも”進んだ”クルマであったと言えそうです。

メルセデスF300はメルセデス・ベンツ日本のページでも紹介されており、F300はミニバンの「F100」、クーペモデルの「F200」とはずいぶん異なるデザインを持つことがわかりますね。
なお「F200(イマジネーションというサブネームが与えられている)」ではドライブ・バイ・ワイヤ、アクティブ・ボディコントロールを実装しており、これは現在のメルセデス・ベンツへと繋がる技術を持っていたようで、自動車に装備される先進技術は長い時間をかけて開発され、そして実用化されるのだと改めて思い知らされます。

メルセデス・ベンツはコンセプトカーについて下記のように語っていますが、まさに「そのとおり」という感じですね。

メルセデス・ベンツのコンセプトカーは、決してショーを彩るためだけに用意されるものではありません。すべてのコンセプトカーには、メルセデス独自の技術と思想が反映され、将来へのメッセージが込められています。

VIA:Motor1

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