| 新型ポルシェ911GT3には「ツーリングパッケージ」が継続設定? |
新型ポルシェ911GT3「ツーリングパッケージ」と思われるプロトタイプが走行中。
走っているのはモンツァ・サーキットで、ポルシェがここを借り切り、通常の911GT3、新型935とともに高速テストを行っていたようですね。
他に目撃された新型911GT3と比較すると「リアウイングがない」のはもちろんですが、リアディフューザー形状にも変化が(カモフラージュされているのでよくはわからない)。
なお、現行ポルシェ911GT3ツーリングパッケージはポルシェにとって「意図しなかったニューモデル」。
それがなぜ投入されたのかということですが、あまりに高騰したポルシェ911Rの市場価格を抑えるため、と公的に語られています。
新型911も現行のモデル構成を継続か
ポルシェは2016年に限定991台にて「911R」を発表して、これはGT3と同じスペックが与えられ、しかし当時GT3系には採用されていなかったマニュアル・トランスミッションを持ち、ウイング等を省いて「シンプルにまとめた」ミニマリスト向けの、しかしスパルタンな911。
この人気に火がついて一時は”億”というプレミア価格までつけてしまい、これに困ったのがポルシェ。
生粋のポルシェファンに向けたはずのクルマがそのファンに届かなくなってしまい、「クルマは投機商品ではない」として、911Rと同じスペックを持つモデルとして「限定発売」の枠を外し、誰でも買えるモデルとして発売したのが「911GT3ツーリングパッケージ」。
実際のところこの効果は大きく、一気に911Rの市場価格が一気に下がることとなっていますが、実際にこの911GT3ツーリングパッケージはかなり人気があるようで、「911カレラ」シリーズにも同様の手法を採用し、軽量シンプルに仕上げた「911カレラT」を投入しています(こちらはあまり売れていないと思う。なぜなら高いから)。
そういった経緯がある「911GT3ツーリングパッケージ」ですが、この動画を見るに、どうやら992世代でも設定されるのは間違いなく、というのもこのプロトタイプは「992GT3っぽいフロントバンパーとリアフェンダー、センターエキゾースト、大径ブレーキディスク」といったハイパフォーマンスモデルの要件を備えており、しかし「ウイングレス」。
「911ターボ」特有の、リアフェンダー上の吸気口もないことを考えると、消去法にて「911GT3ツーリングパッケージしかないだろう」ということに。
なお、この個体はサイドウインドウ周辺にアルミ製のモール(オプション。つまり992でも継続採用される)、そして内装にはロールケージも装着済み。
ブレーキローターが真っ赤に加熱されているところを見るとセラミックディスクではなくスチールローターを装着しているのかもしれませんね。
さらに今回の動画を見ると、「マニュアル・トランスミッション継続」のようにも。
というのもシフトダウンやシフトアップがPDKに比べて(そのサウンドからするに)ちょっと遅いように感じられ、かつチラリと見えるドライバーがなんとなくシフト操作をしているようにも見えるため。
ただ、これらは確固たる証拠はなく、かつこれまでに公開された新型911(992)の内装スパイフォトを見ると「マニュアル・トランスミッションの装着は難しそう」でもあり、正式に発表されるまではわからない部分でもあります。
そしてエンジンサウンドを聴く限りでは、その甲高い透き通ったサウンドからして、やはり「自然吸気(NA)エンジン採用」だと思われ、これはまず間違いなさそうですね。
それでは動画を見てみよう
こちらが新型ポルシェ911GT3ツーリングパッケージと思われるプロトタイプが走行する動画、「Next Gen. 2020 Porsche 992 GT3 (Touring)? Testing Hard at Monza! - Flat Six NA & Manual Gearbox!」。