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【競売】もっとも価値のあるポルシェ911、「カレラRS2.7」通称ナナサンカレラの試作車。予想では1億7000万円

2018/10/15

| ポルシェ911カレラRS 2.7のプロトタイプが競売に登場 |

ポルシェ911カレラRS 2.7のプロトタイプがオークションへと登場予定。
ポルシェ911カレラRS 2.7は言わずと知れた、「もっとも価値の高いポルシェ911」ですが、ポルシェはこのクルマの市販にあたって合計9台のプロトタイプを製造した、と言われます。

そして今回競売に登場するのは「二番目に」作られたプロトタイプで、シャシーナンバーは9113600012。

カタログにも登場した「由緒正しい」911

このプロトタイプが製造されたのは市販モデルの911カレラRS 2.7が発売される半年前の1972年4月で、市販モデルとのもっとも大きな差異は「ダックテールリアスポイラーの有無」。
最初のプロトタイプ4台は通常の911カレラのボディシェルを利用して作られているためだそうですが、その後の5台は「ダックテールリアスポイラー装備」ということになりますね。

そのほかの差異としては85リッタータンクを備えること、フロントウインカー周辺にクロームのトリムを持つこと、エンジンルーム内部がボディカラー同色ではなくブラックにペイントされていること。

このプロトタイプは、他に作られた「外観が普通の911カレラと同じ」3台のプロトタイプとともに1973年のカタログにも登場しているといい、ジャーナリスト向けに貸し出されたこともあるようですね。

ポルシェは911カレラRS 2.7の生産が終了した際、このシグナルイエローのプロトタイプを、レーシングドライバーにして最初の911カレラRS 2.7のオーナー、ヘルムート・ケーニッヒ氏に”タダで”プレゼントしたそうですが、そこからこの車両は複数人のコレクターの手を経ることになり、そのうちアメリカ人オーナーが一度レストアを行い、その後現在のドイツ人オーナーの手に渡った、と記録されています。※残りの8台の運命も気になる

今回オークションに出品するのはRMサザビーズで、予想落札価格は最高で1億7000万円程度とみられていて、改めて911カレラRS 2.7の価値の高さを思い知らされますね。

なぜポルシェ911カレラRS2.7は高価なのか?

そこで疑問に思うのは、なんで「911カレラRS 2.7がそんなに高いのか」ということ。
1973年に生産されたことから、日本では通称「ナナサンカレラ」と呼ばれ、その生産台数は1580台のみ。

当時ポルシェがグループ4カテゴリのホモロゲーションモデルとして生産したもので、ベースは911S/2.4。
軽量化、パワーアップ、足回り強化という、現代のRSモデルにも通じる「スポーツカーの基本」を強化したモデルです。

https://intensive911.com/?p=103136

エンジンは2.7リッターで210馬力、トランスミッションは5速マニュアルのみ。
グレードは「ツーリング」「スポーツ」「レーシング」があり、さらに軽量な「ライトウエイト」バージョンも存在したようですね。

「911RS」と名がつくモデルは1975年の「911カレラRS3.0」があり、こちらのほうが生産台数105台と圧倒的に少ないものの、やはりポルシェ911にとって「はじめての」RS=レンシュポルトモデルである、1973年の911カレラRS2.7のほうが歴史的な価値が高い、ということなのかもしれません。

VIA:RM Sotherby’s

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「究極の」クラシックポルシェ、通称ナナサンカレラ「ポルシェ911カレラRS2.7」がオークションに登場予定。
1973年に限定生産されたことからそう呼ばれますが、その生産台数がわずか1580台。
そして今回オークションに出品される個体はその中でも「わずか200台のみ」が製造された「ライトウエイト」バージョンであり、まさに「究極中の究極」とも言えそうです。

「ライトウエイト」は2,687ccのエンジンはそのままながらもハードサスに大きなブレーキ/タイヤが特徴で、リアフェンダーもタイヤを収めるために幅を拡大。
さらには鋼板やガラスにも薄いものを採用して軽量化を行っている、とのこと(ポルシェの基本的な考え方がこの頃から変わっていないのもわかる)。
1973年に納車された後は幾つかのレースに参戦し、その後1993年にはアメリカへ輸入され、フルレストアされることに。

ヘッドライトの内側やレンズ類もきれいになっていますね。

タイヤも(おそらくポルシェの発売する、クラシックモデル向けの)新品に。

エンブレムが軽量化のために「ステッカー」になるのも現代のRSモデルへと受け継がれています。

内装も完璧にレストア。

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