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フェラーリの2018年第三四半期は台数ベースで10.6%成長。しかし台数増加を喜べないフェラーリならではの理由とは?

| フェラーリは販売を伸ばしたくとも大幅に伸ばせない |

フェラーリが第三四半期の販売状況を公開し、この期間における販売台数は2,262台であったことを発表。
これは前年同期比で+10.6%となり「成長」を意味しますが、フェラーリの場合は「販売台数の増加」イコール希少性の喪失を意味するので、これは痛し痒しなところですね。

なお、この10.6%はフェラーリが「もっと売れるのを抑えて」の結果だと思われ、つくづくフェラーリが特殊な会社であるということもわかります。

やはり人気はV8モデル

内訳を見ると、V8エンジン搭載モデル、とりわけポルトフィーノの調子がよく、11.4%増加。
ポルトフィーノはその前身でもある「カルフォルニアT」に比べて人気が高く、納車までも2年ほど待たねばならない、とされていますね。
V12モデルだと+7.9%で、牽引役は812スーパーファスト。

地域別だと中国・香港・台湾除くアジア地域が最大の伸びを示して+27.5%の325台、「中東・アフリカ」は+13.%で1,005台(台数では最多。やはり中東でのデリバリーが多い?)、アメリカは+4.6%の770、中国と香港・台湾は+6.6%で162台。

販売増加に対するジレンマは大きい

なおフェラーリは営利企業であり、株主に対する責任を考えると業績を伸ばさねばならず、しかしこれは「販売台数を伸ばすことで」達成するのは難しい、というジレンマに直面しています。

トヨタやフォルクスワーゲンであれば販売台数を伸ばして利益も増加させるという手法を取ることになりますが、フェラーリの場合は販売台数が増えると希少性が損なわれ、それによる中古相場の下落を招き、ひいてはブランド価値を損なう可能性も。

実際に、フェラーリの記念限定モデルにおいても、やはりもっとも台数の多いF40は相場が安く、フェラーリが過去に「販売台数を年間1万台まで引き上げる」と公開したときにもフェラーリの株価が大幅下落しているので、フェラーリのファンや株主は「台数増加に対してネガティブ」だと言えます。

つまり「利益は伸ばさなくてはならないが、販売台数は伸ばせないの」がフェラーリの内包している問題でもあり、トヨタやフォルクスワーゲンは”客が求めるだけ作るのがそのビジネスで、フェラーリは客が求めるだけの数を作らないのがビジネス”という相違があるわけですね。

フェラーリは2018年上半期も利益トップで「1台売って900万円」。ベントレーは「1台毎に210万円の赤字」



もともとフェラーリのビジネス自体が「販売対象や台数を絞る」というところにその基本があり、限定モデルの販売台数が「249台」「499台」といった感じで「キリのいい数字から1台少ない」のは、フェラーリ創業者であるエンツォ・フェラーリの”顧客が求めるよりも1台少なく作る”というところから。

そうすることでフェラーリはその価値を上げてきており、しかしこれ以上販売台数を増加させるのは「危険」という判断もあって、現在フェラーリは分岐点に立たされていると言えそう。

そしてフェラーリの販売台数はこんな感じで増えてきていますが、「1万台を超える」ともはや希少性を維持できなくると考えられ、そこでフェラーリが考えたのが「SUV」と「超限定モデル」。

Ferrari-6

前者は「プロサングエ」として報道されているもので、後者は先日発売された「モンツァSP1/SP2」に代表される「ICON=アイコン」シリーズとなります。

SUVの発売はブランドイメージを阻害するかもしれませんが、スポーツカーセグメントの販売台数を増加させることなく利益を得られますし、超限定シリーズはフェラーリの過去の大いなる遺産を活用することでそのブランドイメージと利益を最大限に伸ばすことも可能(販売価格が高く、利益も高い)。

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実際のところスーパースポーツ市場は拡大を続けているものの一種「バブル」にも近く、一定のところを超えると急激に市場に車体が「余りはじめる」ことになるという懸念があり、フェラーリはじめほかスーパースポーツカーメーカーもこの問題に対処する必要がある、というのが今の状況なのかもしれません。

なおランボルギーニ、マクラーレンともに「スーパースポーツは年間4000台を超えると希少性を維持できない」としており、ランボルギーニは販売をこのレベルに抑え、かわりに「ウルス」で利益を稼ぐ予定。

マクラーレンももうじき「4000台」レベルに達しますが、その後の計画は不明で、おそらくは超限定モデルを定期的に発売することで利益を積み増しするほか(しかしこれもいずれ限界が来る)、マクラーレン以外の自動車メーカーの生産を請け負うのではないかと考えています(工場自体は年間8000代の生産が可能だとされ、これを遊ばせておく手はない)。

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