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当時完売しなかったポルシェ・カレラGTも今となっては新車価格の3倍以上。走行111キロの個体が1.8億円

2018/12/10

| 発売当時は約5700万円、230台も予定販売台数に届かなかったのに |

走行わずか111キロのポルシェ・カレラGTが中古市場に登場。

カレラGTはもともとレーシングカーとして車体/エンジン共に開発したもので、しかし参加するカテゴリがなくなってしまったために「市販車」へと転じた悲運のモデル。

発売は2003年、価格は5000万円程度(為替差損回避のためにユーロによる支払いのみだった)、生産台数は1500台が予定されていたものの1270台のみが生産されており、つまり当時は「完売しなかった」珍しい限定車。
そして、予定生産台数に達しなかったため、そのコンポーネントをなんとか売らなくてはということで企画されたのが918スパイダーだという歴史を持っています。

コンディションは「タイムカプセル」

なお、今回のポルシェ・カレラGTはフランスの自動車売買サイトに掲載されているものですが、その説明にあるのは「タイムカプセルから出てきたかのようなコンディション」。

確かに画像を見るとその表現に嘘偽りはなさそうで、その様子を見てみましょう。

ホイールは「センターロック」を採用し、左右でナットのカラーが異なります。
これは左右でナットを締め込む向きが異なるために「左右間違えないよう」にカラーをあえて変えてあるため。

ちなみにぼくが持っているポルシェリモワも同様に「左右のロックを間違えて逆にしないよう」ラッチのカラーが変更されています。※製造された年代はカレラGTと同じ

内装は朱色のようなブラウン。
ボディカラーはシルバーですが、これは「もっとも一般的であった」カレラGTのカラーコンビネーションです。

車体はカーボン製モノコック。
ぶっといサイドシルですね。

サスペンションはインボード式。
カーボン製の大きな構造物も見えます。

エンジンルームは全体的に「まさに新車」コンディション。
エンジンそのものは5.7リッターV10で603馬力を発生します。
レクサスLFAと並び、今でも「世界で最も美しいサウンドを奏でるエンジン」だと言われていますね。

シフトノブは「バルサ材」。
これはポルシェが徹底した軽量化を狙ったためで、過去のレーシングカーにも採用されていた素材です。

ちなみにトランスミッションは「6速MT(カレラGTにATはない)」。
すでに同時期にフェラーリはクラッチレスMTへと移行していますが、ポルシェがPDKを採用するのはそのずっと「後」。

一度だけカレラGTを運転したことがあり、その時の印象は「そのクラッチの重さは、まるで厚い壁を踏んでいるかのようだ」。
つまり踏んでも微動だにしないということですが、それもそのはずで、「45kgの踏力を必要とする」と言われています(正直、もう一度運転させてくれると言われても断ってしまいそう)。

今回、このカレラGTの販売価格は約1億8000万円。
相場からすると「ちょっと高い」値付けですが、このコンディションであれば「納得」の価格だと言えそうですね。

VIA:AutoHebdo

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