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なぜロレックスの価値は高い?それは「リセールがいい」から。その構造、逆に「買ってはいけない」腕時計は?

2019/04/06

ロレックスはまず「損をしない」腕時計でもある

先日、「なぜロレックスの値上がりが続くのか」という記事をアップしましたが、あとでふと「そういえば忘れてたな」と思った要因がもうひとつあり、今回はそれについて記載してみたいと思います。

ズバリその要因については「売れるから」。
そしてこの「売れる」には「リセールがいい(損をしない)」と、「買ったときより高く売れる(儲かる)」という2つの側面がある、と考えています。

ロレックスは売っても損することは少ない

ロレックスの「値上がり構造」については先日述べたとおりですが、値段が上がっていても、プレミアが付いていて定価よりも高くなろうとも、人々に「買おう」と思わせる要因はやはり「高く売れるから」だと考えています。

株式や仮想通貨でも同じだと思われ、「値が上がる」と思わせるものは魅力的に人々の目に映り、それは太古より変わりのないところ。

とくに最近だとヤフオク!やメルカリといったネットオークションで簡単に転売ができるので、「売れる(転売できる)モノ」に対して人々が敏感になっているようにも思います。

ロレックスの場合、スポーツモデルを抑えておけば、まず「売っても損することはない」と言えるモデルで、運良く定価で入手できたとすると「むしろ儲かる」。
そしてこれが「未使用」在庫がゴロゴロ市場にある理由でもありますね(つまり投機商品化している)。

とくにサブマリーナ、GMTマスターⅡあたりはプレミア付きの価格で購入しても、1~2年後には買値を下回ることはない価格で売却できる可能性が高く、運良く購入したモデルが生産中止(ディスコン)になれば一儲けできるかもしれません。

つまり、ロレックスはリセールがいいということで、これがロレックスの価値を形成している一つの要因でもありますね。

「いい製品」のリセールが必ずしもいいわけではない

逆に、いかに性能に優れる腕時計であってもリセールが悪ければ人気を持続させることは難しく、よってパテックフィリップはオークションにおいて「自社の腕時計を高値で落札」することにより高い相場を形成し、「パテックの腕時計は資産価値がある」というイメージを浸透させているわけですね。

これは自動車でも一緒で、アウディが日本においてプレミアムイメージを伸ばそうとしたときに最初に手を付けたのが「中古相場の下支えならびに押上げ」だとされ、最初からこれを行うことで高い中古相場を維持し、それによって新車販売を優位にしているのがレクサス。※マツダ地獄はこの逆

そしてフェラーリも中古市場と新車販売とを密接にリンクさせ、高い相場を維持し、そのブランド及び製品価値を高めているわけですが、フェラーリとロレックスとは相通ずる部分が非常に多いとも感じています(フェラーリはデロイトの発表した”優れたブランド”ナンバーワンで、ロレックスは7位)。

全世界のブランド/企業中、フェラーリは「最も強力なブランド」No.1に。「最も優れた経営者」第二位は豊田章男社長!

腕時計業界だと、最近オーデマピゲが「中古腕時計ビジネスに参入」と報じられましたが、この狙いも中古市場のコントロール、そして「オーデマピゲの腕時計は買うときも高いが、売るときも高い」というイメージを与え、より高い価格で新品を売るためなのかもしれません。

そういったワケで、ロレックスの価格が上がり続ける理由のひとつには「高く売れる」というものがあることは間違いなく、これによって人々は「高いけど、買っても安心」と感じることになります(その意味では、ロレックス社自体も新品のプレミア化に噛んでいる可能性があり、うがった見方をするとブローカーと結託している可能性も。真実は不明ですが)。

リセールのいい腕時計メーカーは?

なお、リセールのいい条件のひとつに「中古相場安定」があることがわかると思いますが、もうひとつの「安い並行モノが入ってこない」ということも重要。

これは「グレーマーケット」に通じるものもありますが、Newsweekによると、中国マーケットの崩壊がこれに大きく関係しているようで、ざっとその流れを記すと下記の通り。

1.中国で腕時計がよく売れる、もしくは中国人が国外で腕時計を買い漁る

2.腕時計メーカーが腕時計を増産する

3.中国人が買わなくなる(行き渡る、もしくは景気の不透明感から買い控える)

4.販売店に在庫がダブつく

5.資金繰りに困る

6.グレーマーケットに腕時計を流す

7.安価で腕時計が流通したり、各国に並行モノとして流れる

8.市場価格が「並行モノ」の価格優先となり、正規腕時計が売れない

9.売却時も並行モノの安さに引きずられて安価に

10.ブランド価値が下がる

なお、このグレーマーケットには様々な業者が存在し、ブローカーもあれば有名な腕時計販売サイトが関与しているケースも。

そしてメーカーもやはり腕時計を「売りたい」ので、大手販売サイトに安く卸す代わりに、サイト上での割引率を一定のところで抑え、ブランドイメージを大きく毀損しないように「協定を結ぶ」場合もあるようです。

そしてNewsweekでは、グレーマーケットに流出するブランドとしては
オメガ、タグ・ホイヤー、ジャガー・ルクルト、ヴァシュロン・コンスタンタン、ブレゲ 。

逆に流出しないのはロレックス、 パテックフィリップ、オーデマピゲ、リシャール・ミル。

これにぼくの経験を加えるならば(最近の)ブライトリング、ルイ・ヴィトンはグレーマーケットに流出しにくく、これらは販路の管理を徹底することでブランド価値を上げようとしているようですね。
反面、ブルガリ、カルティエはグレーマーケットに流出しやすいようです。

よって、「買って間違いない」のは値引き販売を行っていないブランド(これはクルマも同じ)、並行モノが入ってこないブランドということになりますが、その代表格はやはりロレックスとオーデマピゲ。

逆にオメガ、ホイヤー(01以外)、ヴァシュロン・コンスタンタンは「買うとヤバい」とも考えています。

見方を変えると、グレーマーケットに流れやすいブランドは中古相場が安く、よって「本当に欲しいのであれば」中古で買うのが非常にお得ということにもなりますね。

そして、ブライトリングはまだ中古が安く買えるので、今のうちに欲しいモデルを中古で入手しておくのもいいかもしれません(あと数年すれば、グレーマーケット品が枯渇して中古相場が上昇する可能性も)。

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