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【まとめ】ポルシェ981ボクスター。納車され実際に所有してみた感想や印象など

2013/12/18

ポルシェ・ボクスター
boxster

ぼくにとって3台目となるポルシェ981ボクスター。
実際に納車され、乗ってみた印象などを一覧としてここにまとめてみます。

ガヤルドよりも大きい、ポルシェ981ボクスターの排気音/エンジン音について

981ボクスターの排気音・エンジン音ですが、けっこう大きく勇ましい音がします。
比較的低音であり好ましい類の音で、バサバサというボクサーサウンドが(987/997以降)強調された音になります。

反面、車内には通常走行時(2000回転くらい)あまり音が入ってこないようになっており、普通に流す分には快適ですね(補機類が回転しているような音は入ってくる)。

回転数を上げると一気にボクサーサウンドが炸裂することになりますが、それでも遮音がしっかりしているようで、室内の音に比べて車外からの音のほうが「かなり」大きく聞こえるようです。
なお、吸気音のようなものも聞こえますが、これは986ボクスター、997カレラでは聞こえなかったものです。

エンジン始動時、最近の欧州車は触媒をより速く暖めるために意図的に回転数を上げる傾向にありますが、987/997以降ポルシェもその例外ではなく、始動して数十秒の間は「かなり」大きな音がします。

なお、アイドリング時の音量についてもかなり大きめで、アイドリング時はガヤルドよりもかなり大きな音が出ます(ガヤルドは逆に静かすぎるくらい)。

ポルシェ・ボクスター(981)について、細かいところですが、フロントフードのラッチも改良?された部分です。

 

フロントフードを閉めるにはフロントフードを上から押さねばなりませんが、塗装面を押すと指紋がついたりしてちょっと嫌な場合があります。

なので多くの人はポルシェクレスト(エンブレム)を押してフードを閉めると思うのですが、これまでの世代だとエンブレムがラッチよりも前についていたので、エンブレムを押してフードを閉めようとすると、ラッチに力がかからず(フードがアルミで柔らかいため)フード先端が折れ曲がるという不幸な事態が起こる可能性がありました。
その場合は修復が非常に困難で、わずかの曲がりに対して多大な出費を要求されることになります。

ですが、981ボクスターではエンブレムとラッチの位置が(表裏)合うようになったので、クレストを押してフードを閉めてもフードが曲がる心配は無くなりました。

ポルシェがこれまでの問題を「問題」として認識していたのかどうかわかりませんが、車内収納スペースが小さく、フロントトランクを活用する機会が他の車に比べて多いだけに、ありがたい改良ではありますね。

ポルシェ981ボクスターとレンジローバー・イヴォーク。そのフィーリングの差

 

ふと、ボクスターとイヴォークとの差異について思ったことがあり、ここで記載しようと思います。
もちろん同列に語れる車ではないのですが、やはりそれなりに「違い」というものがあるのですね。

パワー感については、ギア比の関係か、これは意外と(日常使用する領域では)差がないように感じます。
燃費はほぼ同じか、ボクスターのほうがちょっと良いくらい(今のところ。ボクスターは最終的にリッター11キロくらいまで伸びると見ています。イ ヴォークは9.5キロ)。

なお、ぼくは今まで乗ってきた車の平均速度もデータとして残していますが、(ランボルギーニ、ポルシェを除いて)一番速かったのはミニ。そしてその次がイヴォーク。
イヴォークは意外と高い速度で走っているわけです。

しかしイヴォークはあらゆるところがマイルドというか、さすが紳士の国イギリスの車だけあって”ジェントル”。
エンジンの始動音は、ぼくが今まで所有した車の中ではもっともマイルド。
これは単に大人しいという意味ではなくて、音質そのものが紳士的、とい うことです。
排気音が紳士的な車、というのは初めて見たような気がします。

一方ボクスターは、触媒を暖める関係で回転数が一気に(エンジン始動後)に上がるのですが、正直言うとイヴォークに比べると「やや下品」です。
た だしこの下品さ(というと語弊があるのはわかりますが、適当な言葉が見つからない)、そっけなさが「ポルシェ的」であり、ぼくはこれを嫌いではありません。
多くのメーカーが意図的に排気音を演出しているのに対し、ボクスターは「ありのまま」を貫いているように思えるのですね。

そして各部の仕上げ。
外装においては、イヴォークはドアミラー付け根など、樹脂パーツは無塗装ながらも光沢仕上げのパーツを使用しています(自分で磨いてみた感じ、た ぶん無塗装。金型から取り出した後に磨いている?)。
対してボクスターはシボ仕上げの樹脂丸出しのパーツですね。
ここの「ポルシェらしい」といえば「ポルシェらしい」のですが、やはり現代となっては、もう少し気を使う必用があるかもしれません。同門のアウディは、こういったところには非常に注意を払っています。

内装についても、イヴォークはPVCレザーを「縫う」という、これまで見たこともない凝った手法を用いています。
まるで総革張りのように見せるため、ダッシュにもPVCレザーを「縫ってから」貼っているのです。

内装の照明、セレクターの上昇速度、各部の作動音やタッチ、という部分にまで配慮が行われていることがわかります。
たとえばウインカーレバーだと、ボクスターは作動時に「バキッ」と音がしますが、イヴォークは適度な節度と上品な音を伴ってレバーが倒れます(ガ ヤルドはもっとひどい音が出るので、同乗者が”折れた”のではないかと心配する)。
ですが、これも上で述べたように良し悪しではなく、メーカーとしての考え方、対象とする顧客の差であり、どちらが良い悪い、ということではないわ けです。

こうやって見るとイヴォークはどうすれば人間の視覚や触覚的に高級に感じるのか、ということをよく理解しているように思います。
これはその成り立ち、ブランドの性質、顧客層から考えると当然ですね。

一方ポルシェは、そのルーツ、顧客層ともに「走り」「エンジニアリング」をベースとしていますので、もちろんお金のかけどころが違います。
「走る」「曲がる」「止まる」においてはほかのどのメーカーも(バランス的に)ポルシェを超えるものはないと考えていますし、ステアリングの初期 応答、ブレーキングにおいてはこれほど正確なものはない、と思います。

冒頭に述べたように「同列に比較はできない」両者ですが、あえて比較してみることで、両メーカーの考え方、車づくり、それぞれの良いところが改め て明確になってきますね。

イヴォークは、文字通りランドローバーの「戦略車」です。
登場時には「フォードのエコブーストエンジン「フリーランダーのシャーシ」「ボルボと同じハルデックス4」「普遍的な6AT」という、コストが掛 からない技術(しかしそのぶん安定がありトラブルはない)を用い、しかし見える部分にはコストをかけ、他社との差別化を図った車です。
ランドローバーからすると、一か八かに近い賭けであったかもしれませんが、失敗してもリスクが少なく、成功した時のリターンが大きい、「分の良い賭け」であったとは思います。
結果として賭けには見事勝利し、それで得たお金で9ATや独自開発エンジン、そして各種制御デバイスを今後搭載し、さらに魅力的な車になってゆくことと思います。

ポルシェも同様で、カイエン投入にて一気に会社としての規模を拡大してきましたが、それによって現在のボクスターも恩恵を受けているわけですね。

ポルシェの真骨頂は「見えない」部分にあると考えており、それは操舵感やエンジン、サスペンション、ブレーキ、といったところだと思います。

つまり戦略的に「外観」に特化したイヴォークと、伝統的に「中身」にお金をかけるポルシェ、と置き換えることもできると考えています。

ダウンサイジングは成功か?ポルシェ981ボクスターのエンジンについて

 

981ボクスターのエンジンについて、ベーシックモデルは2.9L(987世代)から2.7Lに引き下げられています。
しかしながらパワーについては、2.7Lでも265馬力を発生しますので、ぼくが以前乗っていたボクスターS(3.2L)の252馬力よりも強力ですね。

かつ車重も軽くギアも7段となりレシオもクロースしていると思われ、体感上は986世代のボクスターSよりも圧倒的に速いと感じます。

ぼくがここ最近乗ってきた車はターボばかり(ミニクーパーS、シロッコ、TT、イヴォーク)で、ボクスターは久しぶりのNAとなるのですが、それでもパンチの鋭さや加速においてはそれらに引けを取りません(馬力も大きく軽いので、当然といえば当然ですが)。

ポルシェの特徴として「息の長い中間加速」というものがあるかと思いますが、それはこのボクスターでも顕在ですね。

小排気量ターボであれば、出足が軽かったり、街中では軽快に走れても、ある一定の速度を超えると急に失速したかのように感じることがあります。

ボクスターはその逆で、出足が軽いわけではありませんが(それでもPDK搭載によってずいぶん変わった)、一定の速度域になると俄然元気を増します。

要は、そのメーカーや車が対象とする速度域が異なるということで、そこを理解しておかないと、ちょっと乗っただけで「速い/遅い」「乗り心地が良い/悪い」と判断するのは早計、ということになりますね。

もちろん良し悪しの問題ではなく、使用する環境や自分のライフスタイルに会うか合わないか、ということであり、エンジンの出力特性やギア比は重要です。

高速道路にあまり乗らず、街中でのストップ&ゴーが多く合流など急な加速が必要場合と、高速道路メインで停止と発進を繰り返す機会が少ない場合とでは、当然ながら同じ車でも印象が変わるわけで、やはり自分の使用環境と使用目的にあった選択が必要なのだと思います。

MTのポルシェでは、前者の状況は比較的苦手とする場合も多く、911であれば街中では2速か3速か迷うケースもありましたが、PDK(7速)になってからはそういった迷いやギクシャクした動きも無くなり、純粋に運転を楽しめるようになったと考えています。

広くなった?狭くなった?ポルシェ981ボクスターの収納スペース

981ボクスターの収納スペースですが、これは986・987世代と変わらずに前後トランクがあり、ミドシップオープンとしてはかなり大きなスペースを持っている、と思います。

前後とも容積は拡大したように思います が、リヤはちょっと間口が狭くなったようにも思えます(ただし数値としての容量はフロント150、リヤ130L、と987世代と同じ)。

なお、室内の収納スペースは、幌の収納 方法が変わったことにより、座席後ろ(上部)のちょっとしたスペースが消滅しました。
ちなみに、フロントトランク内側左右にある樹脂部分には工具、そしてパンク修理キットが内蔵されています。

事実上、室内にはバッグを置くところが なくなってしまったわけですが、そのぶん足元は広くなったように思えますので、ちいさなものであれば足元に置いておくと良さそうです。

ただ、ちょっとした小さいもの、たとえばコンビニでなにか購入したとしても、助手席に人が乗っていれば社内にはコンビニ袋を置くスペースがどこにもなくなってしまい、これはこれで困ります。

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