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【動画】偽物ロレックスもここまできた!もはや真贋の判別がつかない”ハイエンドレプリカ”サブマリーナの「ここが本物と違う」

2020/01/25

| しかしよほどロレックスに慣れ、冷静な判断ができる人でないと判断は難しい |

さて、年々精巧になるフェイクウォッチ(偽物腕時計)。
これは中国や香港だと比較的ポピュラーで、高級ブランド街や繁華街を歩いていると「客引き」が寄ってきて偽物を買わないか、と声をかけてきたりします。
一度、興味本位でどんなものか見に行ったことがあるのですが、そのグレードはまさにピンキリで、ロレックス・デイトナのパチモノだと、もっとも安価なものは3,000円くらい、そしてもっとも高価なものでは4万円くらい。
そして驚くべきことに、購入していたのはほとんどが白人ばかりだったことを覚えています(もちろんぼくは買ってない)。

もう素人目にはフェイクと本物との見分けがつかない

そこで今回、腕時計チューチューバー、ジェニー・エリーさんが公開した動画が「偽物と本物のロレックス・サブマリーナ(166610LN)」との比較。
もはや見分けるのは難しく、細部を比較してようやく真贋がわかるというレベルで、ここ最近のフェイクウォッチの進化ぶりには驚かされます。
なお、今回比較対象として登場する偽物は価格600ドル(約6万6000円)の”ハイエンド”版。
ここでその比較を見てみましょう。

1.表面のブラシ仕上げ

まずは表面に用いられているブラシ(サテン)仕上げ。
本物のロレックス(ステンレスモデル)の素材は”スーパーステンレス”と呼ばれる904Lで、これは一般の腕時計に使用される316Lとは強度が全く異なるもの。
その強度の高さゆえロレックスにしか加工ができないと言われるほどですが、もちろんフェイク版サブマリーナは904Lを使用していないと思われ、その質感も異なります。

そしてフェイクのブラシ仕上げはやや深く、曲がっているようにも見えますが、ジェニー・エリーさんいわく「非常に優れた仕事であり、拡大鏡なしでは真贋の判別不可」。

おそらく両者並べても「どちらが本物か」言い当てられる人は少ないと思いますが、ぼくの経験上だと、フェイク版のブラシ加工は「深く」、よってそれらのつくる影によってやや全体が暗い色調に見える場合が多いように感じます。

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2.バックルの王冠

そして次はバックル(クラスプ)のクラウンマーク。
クラスプ表面と王冠との間にギャップがあるとレポートしていますが、フェイクは「王冠だけ別に作って、あとではめ込んだ」ように見えますね。
これもやはりルーペ無しではまずわからないだろう、という部分。

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3.グライドロックの操作性

ロレックス・サブマリーナにはウェットスーツ着用時などにブレスレットの長さを調節できる「グライドロック」なる機構が採用され、これは2ミリづつ、最大20ミリまで長さを調整できる仕組み。
本物の動きはスムーズ極まりないものの、フェイクの方はひっかかりがあって、グライドロックそのものが壊れるんじゃないかというくらいの差があり、ここは簡単に真贋を見分けられる部分かも。

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ただし、バックルの操作性は「極めて本物に近い」とも語っていて、ぼくが「ロレックス以外では実現できないだろう」と考えているブレスレットのコマのなめらかな動き、遊びの小ささもフェイクでは”しっかり再現”されているのかもしれません。

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4.アワーマーカーとスーパールミノヴァ

サブマリーナに採用されているアワーマーカーはホワイトゴールドの中にスーパールミノヴァが流しこまれていますが、フェイクに採用されるものは「ホワイトゴールド」ではないようで、その輝きがやや鈍く、そしてリング状の部分が「ちょっと分厚い」ようですね。
ただ、スーパールミノヴァの(光っていないときの)カラーは両者とも同じで、発光時の「ブルー」も同じ、とのこと。

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これもまた両者を直接比較して、かつルーペを用いないと真贋の編別ができない部分だと思われます。

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そして針についても非常によくコピーされているものの、針のエッジがなめらかではないようですね(それでも、この仕上げ品質はベル&ロスよりはずっと高い)。

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5.ルーレットの文字位置

本物のロレックス・サブマリーナの通称”ルーレット”については、文字盤上の「分」を示すバーと完全に位置が一致しているものの、偽物の場合は「微妙に」ずれています。
ただ、偽物も「ちゃんと合わそうと」作っていることもわかり、その再現度はかなり高いように見えますね。

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これについては、真贋判定の明確な基準となりそうですが、そのうちフェイクウォッチ職人はこの「ミス」を修正してくるのかもしれません。

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6.デイト表示

これはかなり明確な差異で、デイト表示の「文字」が偽物では一部不明瞭という件。
この個体では「29日」について、とくにその傾向が顕著であったようですね。
なお、サイクロップレンズの精度、拡大具合は本物と見分けがつかない、とのこと。

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かつて、ロレックス真贋を見分けるには、日付が「12時とともにカシャッと切り替わるかどうか(これが”デイトジャスト”の由来)」がひとつの基準であったと聞きますが、今はその部分までも完全にコピーされているようですね。

7.リューズの操作感

ぼくの考える「良い腕時計」の条件の一つにリューズの操作感がありますが、ロレックスはオーデマピゲとならび、もっとも操作感に優れる腕時計メーカーのひとつ。
スクリューロックを解除したときのポップアップ感、そこから引っ張りだひたときのクリック感、それを回転させたときの滑らかさなど。

フェイク版サブマリーナに関してはこれらの感触が優れず、とくにリューズを回転させたときの感触は「砂の中でグリグリしているかのようだ」。
これもまた操作してみればそれとわかる部分であり、もしロレックス・サブマリーナの真贋を判定せねばならない状況に遭遇したときは、グライドロックや竜頭の操作、そして日付を変えてみる、というのがもっとも端的に判断できる部分だと言えそうですね。

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以上、本物とフェイクとの比較でしたが、フェイクウォッチを購入するということは犯罪の片棒を担ぐということを意味し、あってはならないこと。
そして、フェイクウォッチは「フェイクな人」に向けて作られたものであることも忘れてはならない、と思います。

こちらはWatch Finderによる、ロレックス・デイトナの本物とフェイクとの比較。
実際に中を開けてまでの比較を行っていますが、正直「見分けがつかない」という印象です。

VIA:Jenni Elle, Watchfinder & Co.

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