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「アイドリングストップはモトが取れない」?新型トヨタ・ヤリスにアイドリングストップ非装着のワケ

2020/01/30

| アイドリングストップで劇的に燃費が改善するわけではなく、その割にかかるコストが大きい |

ベストカーWEBにて、「アイドリングストップは、実はあんまり意味がない」という衝撃の記事が掲載に。
この記事は新型トヨタ・ヤリスについて述べたものですが、新型やリスにはそもそもアイドリングストップが搭載されていない、とのこと。
アイドリングストップというと燃費向上手段としてはもはや「常識」で、今やフェラーリやランボルギーニといったスーパースポーツにも搭載されています。

そしてベストカーがトヨタの広報に問い合わせ、正式回答として得たものは「新型ヤリスは、アイドリングストップがなくても他メーカーの競合に比較して競争力がある」というもの。
さらには筆者の見解として「アイドリングストップ非装着のほうがユーザーの負担も小さい」という意見を述べています。

新型ヤリスの燃費はたしかに競争力があった

なお、記事によると日本車でアイドリングストップを最初に採用したのは2009年に登場した二代目マツダ・アクセラ。
たしかに登場時にはいろいろな媒体で技術解説がなされていて、「右折待ち=ハンドルが右に切られて停止していると停止しない」「すぐにエンジンを再始動できるようにエンジン停止時のピストンの位置を計算してある」といった内容を見た記憶も。

そして記事では「ちょうど2009年は(2008年の)リーマンショックの影響で景気後退が懸念され、エコカー減税が開始された年」。
これに乗っかる形で急激にアイドリングストップが(日本にて)普及したようですね。

そしてヤリスに搭載されるのはTNGA思想に基づき新設計を行った高効率エンジンで、つまり「高い燃費性能を誇る」もの。
RAV4などに搭載されている2リッター4気筒「ダイナミックフォース」エンジンもやはり同じ系統にあり、新設計のドライブトレーンをフルに装着すると「燃費が従来モデル比で18%改善する」とも紹介されています。

トヨタが今後新型車に採用するトランスミッション、エンジン、4WD、HV技術を公開。燃費を18%削減可能

そこでベストカーはまずアイドリングストップのついたデミオ”15S”と(アイドリングストップのついていない)ヤリス”G”との燃費を比較していますが、デミオはリッター15.2km~20.9kmであるのに対し、ヤリスではリッター15.7km/h~24.1km/hとかなりな優位性がある模様(燃費18%改善というのはまんざらウソじゃなさそうだ)。

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アイドリングストップの「モト」は取れない?

そしてベストカーでは「アルファード」「ロードスター」のアイドリングストップ装着車/非装着車の燃費も比較していて、おおよそ(同一車種間におけるアイドリングストップのあるなしで)5~10%の差があることを確認(アイドリングストップがあったほうが燃費が向上するのは間違いないようだ)。

ただ、アイドリングストップ機構そのものにお金がかかっている(つまり車両本体価格に上乗せする形でユーザーに転嫁)こと、アイドリングストップ車用のバッテリーは高価で寿命が短い(価格は1.5倍、寿命は2/3)とも述べていて、5~10%程度の燃費改善ではまずこれらコストのモトを取れないだろう、という見解も。

もちろんアイドリングストップしている間はCO2を出さないのでその分「環境に優しい」ということにはなりますが、より容量の大きなバッテリーを、より早いサイクルで交換することも環境負荷を増加させることには間違いなく、トヨタは「数字稼ぎ」のためにアイドリングストップを装着するよりも、実際の環境負荷や消費者への負担を考慮して「アイドリングストップ非搭載」を選んだのだろうと締めています(ぼくもそう思う)。

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VIA:Bestcarweb

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