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現在の自動車におけるエレクトロニクス関連が占めるコストは「40%」。2000年代初めには20%程度だった電子制御装着率が現在では80%にも達したことがその理由

2020/05/30

| おそらくこの傾向は想像するよりも速く進むことになりそうだ |

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現代の自動車のコストにおけるエレクトロニクスの割合はなんと「車両の40%にものぼる」という報道。

2004年にはスタビリティコントロール、サイドエアバッグ、タイヤプレッシャーモニター、リアパーキングセンサーなどの装着率は20%にとどまっていたそうですが、2017年の時点でそれらの装着率は80%にも上り、2020年では(当然ですが)さらに増加する見込みです。

なお、これら装着率の増加は安全性向上や規制がその理由であり、同様の理由によってさらにクルマの家電化が進むとされています。

そして2020年では「クルマのコストの40%を占める」これらエレクトリックデバイスについて、2030年には45%にも達するとも言われ、さらには自動運転化が進んでゆくとこの数字はもっと増加することになりそうですね。

もはやクルマは自動車メーカー単体では作れない

かつて自動車というと、車体があってエンジンやトランスミッションがあって、車軸にブレーキ、タイヤにホイールが装着されたものであり、電気系というとヘッドライトやテールランプといった灯火類、あとはプラグくらい。

その後にエンジンが電子制御化され、ABSやトラクションコントロールが登場し、快適装備としてはエアコンやパワーシート、シートヒーターなどが一般化。

さらにその後には運転支援デバイスやインフォテイメントシステム、快適面ではアンビエントランプやマッサージシートも登場。

そしてサスペンションも電子制御化され、車種によってはエンジンマウントやエキゾーストシステムにもエレクトロニクスが介入し、それまでは機械式であったデフや4WDシステムも今や電子式が主流となっています。

細かいところだと、これまでアナログ式だったメーターやスイッチ類も「デジタル」へと移行しつつあり、とにかくクルマはどんどん家電化していると考えて良さそう。

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今後はさらに電動ターボや自動運転、ハイブリッドといった技術が一般化するものと思われ、そう考えると「2030年に45%」どころか60%くらいのコストがエレクトロニクスによって占められることになりそうですが、考えようによっては「メカニカル(アナログ)」なデバイスが「エレクトリック(デジタル)」に置き換わるだけのものもあり、単純にコストが増えるということにはならないのかも。

たとえばスロットルについては、それまで「ケーブル」だったものが「スイッチとエレクトリックワイヤー」に置き換わっていて、これによって車両の設計自由度が向上したり、左右ハンドルどちらでも作りやすくなったり、というメリットがありそうです。

同様にステアリング、ブレーキも「バイワイヤ」化されるとコストが下がる可能性があり、エレクトリック化によって設計や製造が効率化する部分があるのも間違いない、と思います。

一方でハイブリッド化や自動運転、安全に関わるものは「それまでなかったものが”オン”されることになる」ので、これらについては確実にコストが高くなりそう。

なお、自動車のエレクトロニクス化が進むにつれ、これまで「自社もしくはグループ内で完結していた自動車の製造」が不可能になり、より多くのサプライヤーからパーツを仕入れたり、設計においてもより多くの人や会社がかかわることに。

こうやって自動車のコストはどんどん増加してゆくことになりますが、目には見えない部分のエレクトロニクス化によってコストが増加するのは消費者にとっても許容し難く、であれば消費者にもわかりやすいよう、メリットを教授できるようにと考えたのがマツダの「プレミアム」だと言われます。

ただ、「ほっといてもコストが上がる」部分に加え、さらにマツダの考えるプレミアムが乗っかってしまったため、現在のマツダ車はやたらと高くなってしまっているという現状も。

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同様の理由にて、増加する自動車の製造コストを吸収するためか、多くの自動車メーカーが「ほとんどの消費者が不要と考えている」自動運転機能を追加することでさらに車両価格を上げ、その価格を正当化しようとしている様子も見られ、この傾向も”EV化”同様に消費者不在の、そしてメーカー側の理由による困った傾向だとも考えています。

VIA:Deloitte

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