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【試乗】全てが予想を超える。コイツは買いだ。メルセデスAMG GTに試乗する

2015/08/02

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ついにこの機会がやってきたか、という感じのメルセデスAMG GT試乗。
これだけ期待が大きかった車はここしばらく無く、しかし期待が大きすぎると失望も大きいため、はやる心を抑えての試乗です。

エンジンはC63等と共通のV8ツインターボ(M177型)。

ドライサンプを採用し、AMG GTの場合は車体が専用設計ということもあって、フロントマウントながらも極力車体中央かつ下部にエンジンが押し込まれています(重量配分は47:53でリアが重い)。
そしてこのエンジンの特徴はバンク内にタービンがあるということで(”ホットインサイドV”レイアウト)、これはロールセンター適正化のためにメルセデスがとことんこだわった結果なのでしょうね。

トランスアクスル・レイアウト、アルミ製スペースフレーム、マグネシウム製フロントセクションなど、まあよくぞここまでお金をつぎ込んだな、という印象がありますが、それもこれも「打倒ポルシェ911」という意気込みのなせる技なのだと思います。

トランスミッションはAMGスピードシフトDCTで、表記を見る限りはC63の”スピードシフトMCT"とは差異があるようですが、どんな差異なのかは不明。
C63では「トルクコンバーターの代わりに湿式クラッチを使用=マルチクラッチ」とあり、C63は基本がATで、GTではクラッチを自動化したMT(デュアルクラッチ)と考えるのが妥当かもしれません。

デフはAMG GTでは機械式、AMG GT Sでは電制デフ。
その他価格差以上の差異がAMG GTとAMG GT Sとにはあるように思われ、可能であればGT Sを選んだほうが良さそうです。

AMGダイナミックセレクトにおいても「コンフォート」「スポーツ」「スポーツプラス」まではGTとGT S共通ですが、GT Sのみが「RACE」モードがあり、すべてのパラメーターがサーキット向きに。
コンフォートでは燃費重視、スポーツではサウンドは控えめでESP介入も早め、パワステのアシストが減る設定。
スポーツ・プラスではこれに加えてサウンドが大きくなる、というもの。
サスペンションはそれぞれのモードに応じたダンピングに変化するようですね。

なおレーダーを使用した安全運転支援デバイス「ディストロニック・プラス」やブラインドスポット・アシストを標準で備えることが特徴で、このレベルのハイパフォーマンスカーにこういったセーフティ系ドライバーズ・アシストが搭載されるのは珍しいと思います(基本的にスポーツカーの場合は自己責任で運転、という姿勢が多いようには思われる)。

ほかにも一般道と高速とでライトの照射範囲を変えるシステムや、対向車線側を広く照らしたりステアリングと連動して照射角度を変えるインテリジェントライトシステムなど、標準での安全装備は第一級(スポーツカーの範疇を超えてサルーンと遜色ない)と言えますね。

外観に関しては以前にUPしているのでここでは追求しませんが、何度見ても驚くほどのロングノーズは圧巻。
シートはリアタイヤのほぼ前に位置するようなレイアウトで、実際に乗車することでリアタイヤにけっこうなトラクションがかかるのだと思います。

さて、ドアを開けて乗り込みますが、ドアは助手席の市場でも感じていた通り、かなり短いですね。
幅の大きな車ですが、このあたりは乗降性を意識しているのだと考えられます。
ドアを閉める時の音はC63の重厚な音とも異なり、やや機械的な、しかし精密さを感じさせるガチン、という音が混ざって聞こえます。

サイドシルはこの手の車としては標準的な高さと幅で、今までのメルセデスからするとかなり乗り降りしにくいものの、ポルシェ911と比べるとほとんど変わらない乗降性といったところ。

シートは比較的タイトで、これもメルセデスの常識からするとかなり固く薄いと言えるでしょう。
ただしクッション性が悪いわけではなく、座り心地は優れ、そしてそれ以上にホールド性に優れます。
このシートはかなり秀逸で、角度や幅、調整の範囲やその他もろもろ含めても素晴らしいと言えますね。

ステアリングホイールの経は小さく、そしてグリップも太いですが、薄いながらもパッドが入っているのが特徴。
ポルシェやランボルギーニではこの「パッド」がなく極めてソリッドな握り心地なのですが、ここは各社の考え方が出る部分で、もっと厚いパッドの入るメーカーもあります。
ステアリングホイールは直接にドライバーと触れる部分でもあり、ここは意外と重要(ただしどれが正解というものはなく、単に好みによると思う。ぼくは単に小径で太く、パッドが入っていないものが好み。断面は真円のほうが良い)。

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ドアミラーはけっこう小さく、右後方の視界(試乗車は左ハンドル)はちょっと心配。
ただし目視で後ろを振り返ると、驚くほど後方がよく見えるので(とくにリアウインドウから後方は非常によく見える)まず心配はなさそうです。
ドアミラーはウイング状のステーを介して取り付けられており、右前方(Aピラー付け根あたり)の視界を遮らないように設計されていて、本当によく考えられているなあ、と思います。

フロントウインドウは極端に天地が狭く、これが他の車との相違、ひいてはAMG GTの特別感を演出している部分ですが、これによるネガティブな面はありません。
むしろGLAやCクラスに比べて前方がよく見えるほどで、上述のドアミラーもそれは同じです(他のメルセデス車はAピラーとドアミラーが重なり、そのぶん死角が大きい。ダッシュボードもほかのメルセデス・ベンツに比べるとおそらく低い)。

なお長大なフロントボンネットがフロントウインドウごしに見え、これはこれで他の車には見られない光景なので「今AMG GTに乗っている」ということを強く意識させてくれるものですね。

ミラー、シートポジションをあわせていよいよエンジンスタート。
巨大なセンターコンソールにあるスタートボタンを押すと勢いよくV8が目覚めます。
シフトはセンターコンソールにあり、Dレンジに入れて試乗開始。
ほかのメルセデスのようにクリープがないのでアクセルを軽く踏んで車を発進させる必要がありますが、とくに神経質なところはなく、軽く、するりと車が動きだします。

まず走行モードは「コンフォート」ですが、ここで感じるのはボディ剛性の高さ。
正直なところC63やよりも乗り心地がよく、サスペンションがしっかり動いているのがわかります。
スプリングレート、ダンピングとのバランスがよく、非常に滑らかですね(ただしストロークは短い)。
C63はバネレートの方がダンピングに勝っており、ちょっとゴツゴツした印象がある、とぼくは認識しています。
それに対してAMG GTは「しっとり」という感じで硬さは感じません。

いくつかカーブを曲がりますが、ここで思うのはロングノーズであるにもかかわらず、ステリングの入りが良いこと。
ロングノーズというとカーブを曲がるときにフロントを振り回すようなイメージがありますが(BMW Z3は端的で、フロントを持て余していた)、AMG GTはまったくロングノーズを意識させるところは無いように思います。

ロングノーズ、そして自分がリアタイヤの前に座っていることを意識させられるのはむしろ後ろ向きに走る、つまりバックするときで、自分を中心にグリン!と車が回るような感覚です。
なおバック時は思った以上に車が曲がるのでかなり注意が必要(ぼくはこれで隣に駐車している車に近づきすぎてしまった)。

全般的に回頭性が非常によく、ミドシップカーほどではないものの、思った通りに曲がりますね(ステアリングを切ったらそのぶんだけ曲がる。足りないことも曲がり過ぎることもない)。
911ほどシャープではありませんが、逆に程よいファジーさもあり、懐の深さを感じさせます。

トランスミッションの出来も良く、シフトショックもほぼ皆無ながらもダイレクトにつながっていることがわかりますね(直前にC63を試乗しただけに余計そう感じる)。
ヒルスタートアシスト、アイドリングストップについても非常に滑らかで、そこには振動や衝撃という文字はなく、高級サルーンのようなマナーがあります。
スイッチのタッチ含め、全体的には非常に上品で落ち着いた雰囲気を持っていますね。

アクセルを踏み込むと、一瞬のタイムラグ(正直、ターボラグは大きいと思う)があったのちに怒涛の加速を見せつけます。
あっという間に速度計の針がぐんぐん上がり、瞬時にして法定速度上限に。
ピッチングも抑えられており姿勢変化が非常に少ないのも良いですね。

ブレーキも非常によく効き、カックンブレーキではなく踏力に応じて効きを強めるタイプ。
ゆっくり踏んでも、ガツンと踏んでも安定した動作を見せます。

慣れてきたところで「スポーツ」にモードを上げますが、排気音がたくましくなるのがわかります。
ただ乗り味としては大きく変わるものではなく、このモードは雰囲気重視といった感じですね。

ただ、もうひとつ上の「スポーツ・プラス」に入れると劇的ともいえるほどの変化があり、排気音が段違いに大きくなり、ダンピングもハードに(ちなみにこの”スポーツプラス”の足回りの硬さが、ウラカンの一番柔らかい”ストラーダ”と同じくらい)。

アクセルに対する反応も一気に変わり、スポーティーを通り越してレーシーと言えるまでの正確に変化します。
もちろんバブリングも発生し、これはどこのメーカーとも異なる高音でキレの良い味付け。
ポルシェはちょっとこもった野太い音で、フェラーリやランボルギーニは炸裂音(弾ける感じがある)、ジャガーは振動まで伴う雷のような音ですが、そのどれとも異なる小気味良い音です。
※ぼくが知る限りでは、ジャガーFタイプのバブリング音がもっとも大きく派手

ステアリング、加速、ブレーキ、視界、サウンド、その雰囲気まであわせてすべて期待以上と言え、正直言って「欲しい」と思わせる車であることは間違いありません。

メルセデスAMG GTは何から何まで専用設計のパーツが多く、それは小さな外装パーツにまで及びますが、それだけAMGが手間をかけた、ということですね。
また座る位置がこれまでのメルセデスの車とは全く異なりますが、それでもほかのメルセデス・ベンツと変わらない操作性を持っていることろ、もしくはほかの車よりも優れる視界を確保しているところなど、この車がいかに真剣に造られているかということがわかります。
※ただし各種モードの変更スイッチやシートの調整スイッチはAMG GT独特のもので、ほかのメルセデス・ベンツとは異なる

これはメルセデスの技術力と販売量をもってして実現できたものと思われ、ほかのメーカーではまずこういった車は作ることはできないだろう、という印象です。
その意味においてはこの車は非常にコストパフォーマンスが高く、かつメルセデスの真面目な車作りそしてAMGのパフォーマンスとが融合した珠玉の一台と言えそうですね。

普通に乗ろうと思えば安楽すぎるほどの快適さを示し、ひとたびドライビングモードを変更すれば猛烈に牙を剥く獣のように獰猛に変身する様は、ポルシェやBMWのハイパフォーマンスモデルよりもその落差が大きく、運転していても飽きないところがあります。

現代はある意味スピードが「悪」と捉えられるところもあり、ゆっくり走っていても楽しめる車でないと所有する満足感が満たされない、という側面があります(誰もがサーキットへ車を持ち込める環境にあるわけではない)。
そして、車を複数台所有するのも難しく、一台の車で様々な使い方ができ、様々な環境に適応し、さらには気分に応じて正確まで変えることのできる車が求められる傾向があります。
かつ、走っている時のパフォーマンスだけではなく、渋滞に巻き込まれたとしても快適に過ごせたり、目に入る内装やパーツだけでも気分を盛り上げたり満足度を向上させるという要件が現代のスポーツカーには求められるわけで、AMG GTはそれら全てを満たしている、と考えられます。

走行性能が非常に高く、乗り心地がよく、かつリアには広大なラゲッジスペースがあり、これ以上何を求めるのか?というほどバランスの高い車だと言って良いでしょうね。
よく言われるようにポルシェ911をターゲットとした車ではありますが、けしてポルシェ911と同じ方向で争おうとした車ではなく、メルセデスの持ち味や、他の車で培った技術を活かした、メルセデスらしいスポーツカーだと思います。
高級車メーカーの作ったスポーティーカーではなく、F1に参戦している自動車メーカーが本気で作った「スポーツカー」ですね。

正確さ、ダイレクトさという点においてはポルシェ911のほうが上手ではありますが、すべての人がポルシェ911ほどのレベルを求めるわけではなく(その正確さに疲れる人もいると思う)、中にはメルセデスAMG GTのフレンドリーさを求める人も多いであろうことも予想できます。

けっこうな距離と時間を割いて試乗させていただいたのですが、それでも「もっと運転していたい」と思わせる車であり、文句なしに「買い」と断言できる車と言えるでしょう。

これまでの試乗レポートは下記のとおり。
最新の試乗レポートはこちらにあります。

関連投稿:本当にPVのような排気音出てた。AMG GT Sに試乗する(ただし助手席)

AMG GT Sに試乗。ただし運転が許可されていないので助手席からの印象です。

メルセデスAMG GT SはV8ツインターボ4リッター、510馬力。
0-100キロ加速は3.6秒。
価格は1840万円、とパフォーマンスに比べると割安、とも言えますね。

AMG GTといえばポルシェ911シリーズをモロにターゲットにしていて、初期に公開されたプロモーションビデオにおいても911を思いっきり置き去りにする様子が公開されていました。
その動画では強烈なエキゾーストノートを聞くことができるのですが、ぼくは「本当にあんな音が出るならAMG GT買うわ」と思ったほど素晴らしいサウンドです。

よって試乗でもっとも気になっていた(期待していた)のはあの音なのですね。
で、結論から言うと本当にあのPVのような音が出ます。紛れもなく。

構造から見てみると、メルセデスAMG GTはFRレイアウトということになりますが、フロントエンジンはフロントバルクヘッドぎりぎりまで押し込まれ、トランスミッションは後部に搭載(トランスアクスルというよりはリアアクスルの後ろ。一般的にトランスアクスルレイアウトは日産GT-Rのように後輪車軸前にトランスミッションを搭載)。
そして乗員はリアタイヤのすぐ前あたりに乗ることになる、古典的なロングノーズ・ショートデッキです。

とりあえずドアを開けて乗り込みますが、ちょっとびっくりするのは「ドアが短い」こと。
全幅1940という大きなサイズですが、両側を別の車に挟まれるような形で駐車したとしても、楽に乗り降りできるくらいのドアサイズです。
2ドアクーペという基準からすると、驚くほど小さなドアと言えます(開口部が小さいことで、ボディ剛性も上がっていると思う)。

サイドシルもさほど太くなく、メルセデス・ベンツは「日常性」を考慮していることが伺えますね。
シートポジションは低く、かつベルトラインがかなり高いので、「囲まれ感」はかなり強いと言えるでしょう。
ドアミラーをみると自分の目の高さと同じくらいの位置にあるようにすら思え、とにかく自分が「低い」位置にあるように感じます。

ヘッドスペースはかなり余裕がありますが、これはヘルメットの装着(サーキットでの走行)を考えているのかもしれません。
なお、シートポジションを調整する、メルセデス・ベンツ特有のシート型スイッチは他モデルとは異なり、シート座面の横に。基本的にほかのメルセデス・ベンツとは内装のいたるところが異なるようですね。

フロントウインドウはかなり天地が短く、小さく感じます。
外から見るよりもはるかに「立って」いるように見えますが、このサイズの小ささも重量低減に役立っているのかもしれません(ガラスは自動車の部品の中ではもっとも重い)。

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センターコンソールは巨大でかなりな高さがあります。
これも「囲まれ感」を強調する要素の一つですね。
なお、このコンソールは「V8」をイメージしたデザインで、左右4つのボタンは各バンクのシリンダーをイメージ。
そういったウンチクはちょっと心をくすぐりますね。
なおAMG GT Sに搭載されるV8ターボエンジンは、「バンク内にタービンがある」という非常に珍しいもの。
通常はバンクの外にエンジンがついているのですが、これはロールセンターの適正化にこだわった(重量物を中心に集める)ためかもしれません。

ちなみに左右乗員の距離は結構あります。
たとえばマクラーレンはロールセンターの関係で左右シートが異常に接近しており、1950ミリの幅を持つ車とは思えないほど助手席と運転席が近くなっています。
反面、サイドシルが太くなり乗り降りがやや困難になっていることは否めません。
ですがメルセデスAMG GT Sは左右シートが比較的「外側」にあるので乗降性が良くなっています。
そのぶんロールセンターは中心からずれてしまうことになりますが、このあたりは日常性を重視し、他の部分でロールセンターの適正化を追求することにしたのだと思います。

ドアを閉めるときの音は比較的軽めですが、確実に密閉している、という印象があります。
エンジンをスタートさせると、思いの他サウンドは静か(始動時のドライビングモードはC=コンフォート)。
車が動き出したときも閣部の正確さが感じられるほどで、まさに「精密機械」をイメージさせます。

ちょっと走ったところで「S(スポーツ)」、「S+(スポーツ・プラス)」へとモードを変化させると、排気音が激変。
ウラカンで「ストラーダ」から「スポーツ」へ変更したときよりもずっと起きな変化で、「豹変」といっても良いですね。

回転数を上げたのちにアクセルを抜くと、最近のスポーツカーではおなじみになったバブリングが発生。
このバブリングはメーカーによって差があり、ジャガーのような高音で大きい音量のものから、ポルシェのように窓を開けないと聞こえないような控えめなものまで。
今まで乗った中ではもっとも大きなものはジャガーFタイプRクーペですが、その次がランボルギーニ・ウラカン。メルセデスAMG GT Sはウラカンよりもちょっとおとなしいくらいに思います。
しかしながら以外と低音で、なかなか豪快に聞こえます(ウラカンのバブリングは高音)。

ドライビングモードの変更とともにサスペンションも硬くなりますが、排気音やサスペンションの硬さは個別に変更でき、S+でも柔らかいサス、などの設定が可能なようです。

なおサスペンションはS、S+であってもアタリがかなり柔らかく、今時っぽい感じですね。
以前に乗ったGLA45 AMGよりも柔らかく感じますが、ロールはこちらのほうが”かなり”少なく、同じAMGといえどもまったく異なる味付けです。
踏切のような凸凹が連続する路面においても不快な振動はなく、相当に高いボディ剛性、しなやかなサスペンションを持つことがわかります(ただ単に固めただけの車ではない)。

囲まれ感、機密性と静粛性の高さ、安定感のある足回り(固めただけでは安定感は出ない)のおかげで速度感が異常なまでに希薄な車で、おそらくは助手席に乗っている限りは実際に何キロ出ているのかを推測することは難しいと思います(実際にぼくもスピードメーターを見て、思ったよりもずっと早い速度が出ていて驚いた)。

この車が「”スポーティー”カー」ではないことは、ドライビングモードにクローズドサーキット用のR=RACEがあることでもわかりますが、AMG専用モデルである、ということでもそのポジションが分かろうかというものですね。

メルセデス・ベンツは以前にGLAの試乗の際にも記載した通り、非常に真面目な車作りをしているとぼくは考えています。
「真面目な」というのは見た目やすぐにわかるところでのアピールではなく、自動車の根本からしっかり設計している、ということです。
重量配分を50:50にするために(トランスアクスルにするのではなくて)重りを車体後部に仕込んだり、ターボ化によって小さくなった排気音をカバーするためにスピーカーからエンジン音を出したりという簡単な方法を選ぶのではなく、コストはかかってもちゃんとトランスアクスルにしたりエンジンを(フロントであっても)できるだけ奥に搭載したり、ロールセンターを適正化するためにターボチャージャーをVバンク内に仕込んだり、といった、レイアウトやパッケージングから見直した車作りをする、それがメルセデス・ベンツというメーカーだということです。

「助手席からではその車ことはわからない、車は自分で運転してナンボ」というのがぼくの信条ですが、メルセデスAMG GT Sに関しては助手席からでもそのポテンシャルの高さがありありと感じられる車でした。
改めて自分で運転できる試乗機会も訪れると思いますので、その際には改めてレビューを公開したいと思います。

おそらく”S”のつかないAMG GTであれば、スタイリングの面からでもジャガーFタイプRクーペがライバルになるかと思いますが、AMG GT Sであればやはりポルシェ911 GTSあたりが想定したとおり直接のライバルになりそうで、これもやはり自分でステアリングを握ってから判断したいところですね。

なお、移動中(低回転)ではありますが、S+モードに入れた状態の排気音は下記動画にて確認できます。

関連投稿:AMG GT Sを見てきた。見れば見るほど良くできた、メルセデスらしい一台

メルセデスAMG GT。
現在ぼくの中では非常に高い評価を獲得している一台です。

メルセデスらしい精密さの感じられる一台で、特に内装は秀逸。
このV8エンジンをイメージしたというでっかいセンターコンソールはインパクトが大きく、これはほかのどの車にも見られない部分ですね。
ボディカラーはイメージカラーのパールイエロー。120万円のオプションです。

テールランプの内部構造も非常に凝っており、突起が発光するように。
アストンマーティン・ヴァルカンが同じような構造ですね(あちらは個数が多く、かつむき出しですが)。

最近メルセデス・ベンツ、AMGともに命名則を変更しており、それに関連してか今まで右側にあった「AMG」バッジは左側へ移動し、反対にモデルネームは左から右へ。

フロントフードは非常に長いですが、フェンダーとのチリは正確に合っており、この距離(長さ)でこの幅のチリを合わせられるのはメルセデス・ベンツ以外ないだろう、という印象。

ヘッドライトは最近のメルセデスのデザイン言語に沿ったもの。
ライト下部にある3つの粒の中にはLEDが仕込まれており、反射によって光を拡散する仕組み。

フロント周りは非常に複雑な造形です。
これはデザイナーが変わってから見られる意匠で、現在のメルセデスの方向性を決定するほどの影響力を持っていると思います。
そう考えるとやはり車の「顔」は大事なんだなあ、と思います。

ルーフラインは今までのメルセデスにはなかったものですね。
このあたり、やはりポルシェ911を強く意識しているんだろうなあ、と思わせるところです。

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