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走る五つ星ホテル。最新かつ先進装備満載の新型BMW 7シリーズを試乗する

2016/08/31

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新型BMW 7シリーズに試乗。
発表されたばかりのモデルですがBMWは相当に新型7シリーズに力を入れているようで、展示車、試乗車ともに豊富に配備されているようです。

新型7シリーズはそのキー、そしてリモートパーキングが有名ですが、外観においても今までのBMWとはけっこう差異があります。
先代7シリーズにも採用されていたメッキパーツはさらに採用部位が拡大していますが、より質感の高い金属調に。
とくにドアミラーの付け根あたりはその造形ともども非常に繊細で、まるで芸術品のような仕上がりと言っても良いでしょうね。
ボディサイドのプレスラインは今までは「一本」でしたが新型7シリーズでは「二本」となり、どハンドルの幅と合わせて水平に走るなどデザイン的にはかなり綿密に考えられていることがわかります。

残念なのは画像ではそれが伝わらないことで、ぼくも発表時の画像を見たときは「メッキパーツが増えて安っぽくなったなあ」と考えていたのですが、実際にみると非常に高級感があり、細部に至るまで非常にこだわって作られていることがわかります。

それはヘッドライトの内部も同じで、プロジェクターランプのスリーブ部には非常に細かい柄のようなものが入っており、繊細かつ高級なガラス製品を思わせますね(レーザーヘッドライトは740ではオプションですが、16万円と比較的安価)。
このあたりはアウディA8のヴェネチアン・グラスのようなテールランプ内部を意識したのかもしれませんが、とにかく新型7シリーズからはBMWの「何が何でもこの市場の覇者となる」という意気込みを感じ、なみなみならぬ気合を受け取ることができます。

それは室内も同様で、90年代(下手すると80年代)からあまり進歩のなかったアナログメーターもついにデジタルに。しかかなり高精細ですね。
BMWは下のモデルから上のモデルまでが同じスイッチや操作系を採用していることが特徴でしたが、今回の7シリーズではそれを覆すもので、スイッチ類は下位モデルと同じ形状であってもグロスブラックや金属調の仕上げ(スパッタリング?)が施されており、全く別のスイッチのように見えます。

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シートの仕上げも非常に凝ったもので、これまでだとオプション扱いでしか選べなかったようなフィニッシュが標準となっています。
なお後席だけではなく前席にもマッサージ機能が備わるのもトピック。

内装イルミネーションもi8で採用するような導光式の照明に加えて間接照明も採用するという念の入れようです。
なおオプションのスカイ・ラウンジ・パノラマ・サンルーフを選ぶと、サンルーフのガラス面に施された細かい加工(1500個あるらしい)が側面から照らされるLEDを反射して非常にムーディ。

室内のウインドウやサンルーフなどは付属のタブレットで操作できますが、このタブレットを車体から取り外す際は電動でタブレットがポップアップするなど無駄にお金がかかっているところもあり、とにかく「他には絶対に負けない」というBMWの意気込みがひしひしと伝わってきます。

その他ではルームランプも最近のBMWのテールランプに見られる「L」を基調としたものとなっていたり、ドアを開けると足元を同じく「L」型のグラフィックがプロジェクターにて照らし出されるなど数々の演出も見られます。

BMW自身をして「五つ星ホテルにも引けを取らない」とのことですが、まさにその言葉に偽りなし(本当に先日宿泊したペニンシュラ香港ホテルを思い出した)、と言えるでしょう。

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走りについてはまさに「BMW」。
レクサスはエンジン音や振動を消すことにかなりの注意を払っていますが、BMWの場合はそうではなく、始動時に(このクラスとしては)比較的大きな音と振動があります。
この点、いつエンジンがかかったのかわからないレクサスLSとは対照的。
それはアイドリングストップの際も同じで、再始動時には振動を感じさせる味付け(もちろん意図的なものと思われる)ですね。

なおウインドウはかなり分厚いようで、各部のシールと相まって外部からの音があまり入らないようになっており、そこからも「エンジン音と振動が感じられる」のは意図的な仕様である、と判断できます。

いかに7シリーズであっても走りをおざなりにしてはBMWではない、ということなのでしょうね。

なお新型7シリーズは「カーボン・コア」を採用しており、これはフレームの要所要所にカーボンを使用して軽量化と高剛性化を狙ったもの。
その結果、このクラスとしては比較的軽量な1880キロ(740)という重量を実現しており、レクサスLSの2320キロ、メルセデス・ベンツSクラスの2325キロ、マセラティ・クワトロポルテの2020キロ、ポルシェ・パナメーラの1960キロと比較してもかなり軽い、と言えます。

そのため運転した感覚は非常に軽く機敏で、全幅1900ミリ、全長5150ミリとは思えないほどの軽快さ。
ブレーキも秀逸で、強く踏んでもノーズダイブしないセッティング(リアブレーキを比較的強く効かせる)で安心感があります。

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ぼくがちょっと気になるのはステアリングで、これは良い悪いというよりはメーカーの考え方の差。
BMW特有とも言えますがセンター近辺の遊びが大きくおおらかなセッティングである反面、その遊びを越えると急にステアリングが反応する味付けとなっています。

ぼくはVWアウディグループ、とくにポルシェの車に親しんでいるわけですが、ポルシェは997/987世代から可変ステアリングレシオを採用しており、これは切り込んで行くにつれてタイヤの切れ角が大きくなるというセッティング。
そしてポルシェはステアリングセンターが非常に明確で(991/981世代の電動アシストとなってからは少し曖昧になりましたが)、ポルシェとBMWとは真逆とも言えるセッティング。
よってポルシェと同じ感覚で切り込んでゆくと車の反応が大きくなり、あわてて少しステアリングを戻すことで車が左右に揺れるというみっともない運転に。

これはある程度慣れが解決する問題で、逆にBMWに慣れている人がポルシェを運転すると違和感を感じるのでしょうね。

全体的には、走り自体でアピールするというよりも細部の仕上げや高級感、先進的なデバイスにてユーザーの満足感を増加させるというコンセプトのように思われ、新しい世代の高級車と言えるでしょう。

2世代前の7シリーズが登場したときも先進的なデバイスが話題になりましたが、そのときはユーザーが「ついて行けず」フェイスリフトで「退行」するという場面も。
ただしそれから時代は変わり、今現在7シリーズを購入する層は十分にデジタルガジェットに親しんでいると考えられ、新型7シリーズの装備に対しては使いかなすことができ、その価値に対しての対価を喜んで支払えるのでは、とぼくは考えます。

これまでの試乗レポートは下記のとおり。
最新の試乗レポートはこちらにあります。



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