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「両脚を失っても希望は手放さない」。レース中に両足を失ったザナルディ氏がパラリンピックで金を獲得

2016/09/15

2001年のCARTラウジッツリンクでの大クラッシュにて両足切断という重症を負ったアレックス・ザナルディ氏ですが、その後懸命のリハビリで義足を装着して歩けるようになるまで回復し、現在はパラリンピックで活躍中。
今回のパラリンピックでは二度目の金メダル、都合4個目のメダルを獲得するという偉業を達成しています。

2001年の事故ではザナルディのマシンが姿勢を崩したところへ別のマシンが時速300キロ以上の速度でサイドポッドに直撃するというもので、瞬間的に100Gの力が加わったと言われ、不幸にもその衝撃でザナルディ氏の両足は粉砕される形で失われたわけですが、奇跡的に一命を取り留めた後、15回もの手術に耐えてWTCCへ参戦し優勝を成し遂げるという驚異的な回復力と不屈の精神を披露。

医師の予想を超える回復力を見せ積極的にリハビリに取り組むも、もちろんリハビリは簡単な道のりではなく苦しさが限界に達することもあったそうですが、同じ病院に入院している、そして両足を付け根から失った別の患者に「あなたはまだ少しでも足が残っているからいい。きっと歩けるようになる。頑張って」と言われて自身の幸運に感謝したという逸話も。

入院中もカーボン製の軽量な車椅子をオーダーしたり、ダニエラ夫人も事故後にザナルディ氏が意識を取り戻す前から両手のみで運転できる特別仕様のBMWをオーダーしたりという話も残っていますが、現状を嘆くのではなく、どうやって前に進むのかをこのような困難な状況でも考える姿勢は驚異的。

事故後に救急医療を担当した医師に「あの日、私は失ったよりも多くのものを手に入れた」と手紙を送ったり、日常のささいな事象に感謝したり、そして「両脚を失っても希望は手放さない」と語るザナルディ氏の姿を見ているとこの世には不可能なことなんか無いんじゃないかと思えますし、小さなことで悩んでいる自分がいかにつまらない存在であるかを思い知らされることになり、「もっと頑張らないと」とも思いますし、自分はどんなに恵まれているんだろう、とも感じることに。

ぼくは2年ほど椎間板ヘルニアに苦しみ、一時は歩行どころか日常生活も不可能な状態に陥りましたが、それ以前にザナルディ氏の復帰までの記録を読んだことがあり、そのおかげで常に前向きで入られたのだとも考えています。

なおモータースポーツにおいて生命の危機を乗り越えて復帰した人々にはニキ・ラウダ氏、アレッサンドロ・ナニーニ氏、ロバート・クビサ氏、太田哲也氏を思い浮かべますが、モータースポーツでも頂点で戦う人々は肉体も精神も常人離れしているように思えますね。
そして、こう言った人々はどんな困難に直面しようとも挑戦すること、戦うことをやめない人なのだと思います。

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