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【試乗:マツダ・ロードスターRF】エンジンパワー増加でオールラウンダーに

2017/03/23

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マツダ・ロードスターRFに試乗。
結論から言うと「買って間違いのない」車である、と断言できます。
ロードスターRFはソフトトップのロードスターを「リトラクタブルハードトップ化」した車ですが、ロードスターと同時に開発されたわけではなく、まずはソフトトップ版が開発されたのちにこのRFを追加で開発、という経路をたどっています。

その割にはソフトトップ版の「65万円高」に収まるのは結構なバーゲンプライスではないかと思いますが、これ以上高価にすると販売に支障をきたすであろうこと、そしてNCロードスターでもそうであったように、このリトラクタブルハードトップ版の方が最終的にはソフトトップモデルよりも販売数が多くなるんじゃないかとマツダが踏んでいるのでは、と考えます。

ロードスター(ソフトトップ)自体は非常にコンパクトに設計されており、前後オーバーハングも極端に絞っているので、そのためにNCロードスターで用意されていたようなフルオープンになるリトラクタブルハードトップ(RHT)の装備は困難であったようで、そのためNDロードスターでは「タルガトップ」のような形状に。
開閉時はリアがガバっと開いてトップを収納してまた戻る、という動作を行い、これはポルシェ911タルガと同様です。

ただ、そのボディラインは「後から考えた」とは思えないほどに美しく、最初からこういったデザインで、ソフトトップ版の方が逆に後からルーフを切ったんじゃないかと思えるほど。
試乗車もオフィシャルフォト同様に新色である「マシングレー」を採用していますが、そのせいかちょっとクラシックにも見え、優雅さすら感じさせますね。

※マツダ・ブランドスペースで撮影してきたロードスターRFの画像は下記にアップ済
マツダ・ロードスターRFを見てきた。思っていたよりもイケてる、その画像をアップする

なおロードスターRFのスペック(試乗車は最上位グレードのRSで、オプションのBBSホイールとブレンボのブレーキを装着)は下記の通り。
重量増加に伴いエンジンが2Lに容量アップしていますが、「パワーウエイトレシオ」ではソフトトップモデルの方が優れて数値を維持しています。
※ソフトトップ版(131馬力)の重量は990~1030kgあたりですが、RF(158馬力)は1100~1130kg

全長×全幅×全高:3915×1735×1245mm
車重:1130kg
駆動方式:FR
エンジン:2リッター直4/158馬力
トランスミッション:6AT
最高出力:158ps(116kW)/6000rpm
価格:370万4400円※ブレンボのブレーキキット、BBSホイールは+32万4000円

さて早速試乗ですが、乗り込んだ感じはソフトトップ版ロードスターともちろん同じ。
リトラクタブルハードトップの開閉は世界最速クラスで行われ、時速10キロまでなら動作が可能。
早速トップを開け放ってのスタートですが、クラッチ操作はさすがに2Lエンジンのトルクのおかげもあって非常に容易です。

シフトレバーの位置、感触ともに優れており、この辺りは「ドライビングポジション」にこだわるマツダならでは。
ペダルの剛性感、タッチも非常に良好で、この辺り全く違和感なく車の運転に集中できるように作られています(一部のハイパフォーマンスカーは車の性能自体は優れるのに、こういった操作系の違和感が運転する楽しみを殺いでいる場合がある)。

この部分で文句をつけるならばブレーキペダルの「踏むところ」「と「車体とペダルをつなぐシャフト」で、この部分の高低差が低いため、ペダルを踏み込むとすぐに靴のつま先がそのシャフト部分に当たってしまうこと。
よってロードスターを運転する時は比較的コンパクトな靴を履いた方が良さそうです(ヤンキーの履いている、先が尖った革靴を履いての運転はできない)。

加速についてもまず不満はなく、通常の速度域においては「これくらいがちょうどいい」感じ。
現代では車のパフォーマンスが高くなりすぎ、十分にエンジンパワーを引き出すのは(サーキットでもない限り)難しい場合があったり、パワーを引き出したとしても今度はシフトチェンジの操作が追いつかなかったり(だからこそパドルシフトがある)する場合がありますが、ロードスターに限っては「パワーと操作系とのマッチング」が良好だ、と考えています。

ちょっと走ってみて感じるのは「足回り」の優秀さで、さすがビルシュタインだけあって、「硬く感じさせないのに締め上げられた」印象。
初期のあたりを柔らかく、ダンピングを高めに設定している欧州型ですが、この辺りフィアットとの共同開発(フィアット124/アバルト124)によって何らかのノウハウを得たのかもしれません。

乗り心地としては非常にマイルドな印象を受けますがロールは小さく、かつアクセルオンで車体の向きを変えることができる、まるで手本のような足回り(トヨタ86よりも優秀かもしれない)。

ソフトトップ版のロードスターを試乗した時には感じなかった「しっとりとした」乗り心地、路面追従性、そしてアクセルによる車両応答性を感じますが、これはサスペンション、ボディ剛性(少なくともRFはリアの剛性が高いはず)、トルクといった複合的要素が絡んでいると考えます。

ステアリングも反応が良くセンターがビシッと決まっており、しかしナーバスさは感じられない素直さを持っているようですね。
ロック・トゥ・ロックも「ちょうどよく」、くるくるとステアリングホイールを回せば車もくるくると回る感じ。

トヨタ86でうまく曲がるには結構高い技術を要求されますが、ロードスターRFの方がやや許容範囲が広く、ステアリング操作だけでも車を曲げることができ、しかしそれよりも上の速度域ではブレーキを踏んでフロント荷重を乗せ、アクセルを踏んで車の向きを変えるという基本動作をしっかり行うことで「より速い」コーナリングが可能になる、という印象ですね(絶対的速度は多分86の方が高い)。

ロードスターRFは全体的に「マイルド」な印象が強く、それは足回りやエンジンの出力特性によるところが大きいと思われ、その他の部分でもブレーキのタッチ、ヒルスタートアシストの動作など非常に高級感の高いまろやかなもの(シームレスで、唐突感がない)。

よってこれまでメルセデス・ベンツやBMWを乗りついてきた人にも満足できるような車と言ってよく、発表時にも熟年夫婦の姿が会場で多く見られた通り、「落ち着いた」人々に向けた車なのかもしれません。

スパルタンさではアバルト124スパイダーが勝りますが、これは「日曜の朝にオッサンが一人で乗って高笑いしながらカっ飛ばす」タイプの車であり、ソフトトップのロードスターは「軽快さを生かしたスポーツ走行」を得意とする車で、このロードスターRFは「長距離もこなせ、スタート&ストップの多い街中でもストレスなく乗れる」タイプの車だと考えており、その意味では同じプラットフォームを使用していながらも三者三様、とも言えますね。

なおソフトトップ版ロードスターとロードスターRFはけっこう運転した雰囲気が異なり、やはりこれは上述の通り、フィアットとの共同開発でマツダが何か得るところがあったのだろう、と考えられるところ(実際は不明。そうであったとしても今後はソフトトップ版にそれらが反映されると思われる)。

試乗車は「レカロ、ブレンボ、ビルシュタイン」と三種の神器の入った豪華仕様で、そのために車両本体価格も400万円をわずかに超えますが、ロードスターRFは車のバランスにおける重要性を改めて感じさせてくれる車であり、マツダのドライビングポジションに対するこだわり、人馬一体感に対するこだわりがこれまでにない高いレベルで実現された車と言って良さそうです。

エンジン、シャシー、ブレーキ、ステアリング、そして各部の操作感といった部分の調和が素晴らしく、どれかが勝るでも、またどれかが劣るでもなく、ただひたすら「ずっと運転していたい」と思わせる楽しさを感じさせる車だと思います。

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その他国産車(トヨタ、ホンダ、レクサス、日産、スバル、マツダなど)、輸入車(フェラーリ、ランボルギーニ、ロールスロイス、BMW、メルセデス・ベンツ、マクラーレンなど)の試乗記はこちらにまとめています。

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