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中古だとかなりお得。ルイ・ヴィトンの腕時計「タンブール」の購入を考える

2016/12/23

さて、ルイ・ヴィトンは2001年に腕時計に新規参入するにあたり、「タンブール」シリーズを投入しています。
「タンブール」は太鼓を意味し、その名の通り太鼓状のシルエットを持つケースが特徴。
メンズ/レディースともにケースの基本デザインは同じですが、もちろんサイズ、そしてベルトや文字盤、ケースのカラーが微妙に異なり、レディースのほうがファッション性が高いデザイン(このあたり、メンズ/レディース間でデザインがほぼ共通なシャネルJ12とはかなり異なる)となっています。

メンズはブラック基調のものやダイバーズウォッチ、ヨット用ウォッチ、メカニズムを表に出したものが見られるのに対し、レディースはクォーツ式が多くストラップ(ベルト)がダブルだったりエナメルだったり、スモールセコンドがルイ・ヴィトンのモノグラムに採用される手裏剣になっているものがあったり。
要は「メンズはより男らしく、レディースはより女性らしく」デザインされているわけですね。

発表当時からルイ・ヴィトンはこのシリーズに相当に力を入れており、船上での発表会を行ったりと積極的にプロモーションを行う割には今ひとつ人気が出ないのが現状で、そのため中古だとかなり安いものが多く見られます(ルイ・ヴィトンはタンブールについて、どういった方法か並行モノを完全にシャットアウトし、時計専門店でも販売せず、ルイ・ヴィトンのオフィシャルショップでしか販売しないので、新品だと”定価販売”となり、そのために割安に感じられる部分も)。

ルイ・ヴィトンは腕時計として後発であるために上述のように(商業上の理由で)、「アイコン」となるようにタンブールという名称やデザインを取り入れて競争力を確保しようと考えたのだと思いますが(シャネルの”プルミエール”のような存在になろうとしたのだと思う)、さらにはルイ・ヴィトンのルーツである「旅」をイメージさせるべく「空の旅」「海の旅」「陸の旅」を意識したシリーズを展開しており、航空機の計器盤をモチーフとしたダイアル、自動車のメーターをモチーフとしたダイアルを持つモデルが揃うなど、タンブールは実に「語るべき部分」が多いのですね。

比較的新しい製品群の割に、すでに歴史を感じさせる展開はさすがルイ・ヴィトンというところですが、多くの機械式腕時計が「機械的性能や歴史」で語られるのに対し、タンブールは「ルイ・ヴィトンそのもののルーツと、それを反映させたデザイン」という違う視点での魅力を持つ腕時計となっています。
そういった意味でタンブールは腕時計が好きというよりも、「ルイ・ヴィトンというブランドが好き」というロイヤルカスタマーが購入するタイプの製品で、大切に扱う人も多く、程度が良い個体が多いのも特徴。
また、「5年保証」という比較的長めの保証を付けているのも特徴で、つまりたとえ中古で購入しても、保証書がついていて新品から5年以内の購入であればタダで修理してくれる、ということに(2015年からロレックスも保証を2年から5年に延長)。
そんな理由もあって、ぼくはタンブールの中古を時々探したりしているのですね。



そこで「腕時計」としての性能はどうなの?ということですが、実際に購入して使ってみたところ、正直「そんなに良くはない(悪いわけではない)」という印象を持っています。
なおルイ・ヴィトンは腕時計ジャンルへの参入は悲願であったようで、これまでもTAG HEUER (タグ・ホイヤー)、HUBLOT(ウブロ)、ZENITH (ゼニス)を買収。
とくにゼニスは名機「エル・プリメロ(ロレックス・デイトナにも採用されていた)」を持っており、そのためタンブールにはエル・プリメロを採用したモデル(LV277系)もあるほど。
ただしそれ以外のモデルに関してはさほど精度に優れるわけではなく(機械式、クォーツとも)、ぼくの中では「オメガと同じくらいの精度」だと感じています。

よって、中古価格が比較的割安になるのはそれなりの理由があるとも言えますが、それでも「ルイ・ヴィトン」というブランドバリューは抜群で、かなりな注目度がある(宝飾時計並み)と言って良いでしょう。
この価格でこれだけの破壊力を持つ腕時計はなかなか無く、かつ持っている人が非常に少なく、そして記載したように「選択する基準が一般的な機械式腕時計と異なる」こともプラス。

たとえばホイヤーやオメガ、ブライトリングを持っている人からは「機械式腕時計として」見下されるかもしれませんが(エル・プリメロモデル搭載以外)、その場合には口プロレスとして、ルイ・ヴィトンの歴史とルーツ、それらを反映させた優れたデザインを持つこと、ホイヤー、ゼニス、ウブロも傘下にあるということで対抗可能(今時機械の精度だけで時計を判断するなんてもう古い、という感じで)。
よってぼくはタンブールについて、「腕時計バトル」においてもよほどのことがなければ負けない腕時計である、と(経験上)考えているわけです。

さて、ここで個別に見てゆきましょう。

まずは「タンブール・イン・ブラック」。
ダルビッシュ選手が身につけていたモデルとしても有名ですが(今はなきアナデジ)、これはかなり中古だと安くなっています。
光沢のあるブラックのケースが特徴(ブラック・フォース)ですが、これは「塗装」仕上げ。
よって塗装が剥げることもありますが、保証書があれば(自然劣化のみですが)ルイ・ヴィトンで保証対応が可能です。
モード系の人が身につけるとぴったり来るモデルですね。

次いで「タンブール・クロノグラフ・オトマティック」。
ブラウンのシックな文字盤が特徴で、スーツに似合いそうなのが特徴でもあり、左側はタンブール立ち上げ時からある定番モデル(球数豊富)。
ケースはクローム仕上げ(ポリッシュではないと思う)で、高級感もあります。
こちらはエル・プリメロ搭載モデルではありませんが、そのぶん価格も割安(エル・プリメロ搭載になると定価でも中古価格でも3倍くらいになる)。

次いでレガッタ系。
ルイ・ヴィトンはヨットレース「アメリカズ・カップ」に協賛しているので、アパレルともどもこの系統が存在します。
ヨットタイマーが付いたものから、文字盤がそれっぽいものになっているだけのもの、がありますね。
これはスポーティーな印象があり、かつ他にないデザインを持っているためにお勧めのシリーズ(同時にルイ・ヴィトンっぽくもある)。
ジャージ着用時にこのレガッタ系タンブールを身につけると、それだけでジャージまでも高級に見えてしまうというイリュージョンを演出してくれる腕時計である、とぼくは認識しています。

最後は「タンブール・ダイヴィング」。
タンブールシリーズ唯一のダイバーズウォッチですが、現在はカタログドロップ(廃番)。
世代が二つあり、右が初代、左が二代目。
初代は外部からダイアルを回す方式ですが、二代目ではアウターベゼルに。
かつ二代目はケースの外側に樹脂製の「LOUIS VUITTON」というインレイが施されており、イバリ度としては最高レベルのデザインですね。
初代、二代目ともに中古市場では人気があり、すでに市場から姿を消しつつある要注目モデル。

といった感じですが、中古購入のポイントとしては、「できれば仕上げ済み」のもので購入から5年以内であり、かつ保証書がついているもの。
他の注意点としては(タンブールには)ベルトが専用の形状でないと装着できず、このベルトはルイ・ヴィトンで購入すると高いので、できればベルトは交換済みもしくはダメージの小さな中古品を選びたい、というところです。

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