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日産が東京モーターショーにフェアレディZコンセプト出展の予定。500馬力オーバーHVの可能性も

2017/01/28

トヨタが新型スープラを東京モーターショーに展示という話が出ていますが、一方日産は「フェアレディZコンセプト」を出展する模様(画像は2011年のEsflowコンセプト)。
現行モデルと大きな方向転換はないとされますが、ホイールベースはやや短くなり(今はどのメーカーも逆にホイールベースを伸ばしている)、インフィニティQ60と同じFR-Lプラットフォームを使用すると見られています。

ホイールベース短縮化というところから「エンジンともども、かなり小型化されるのでは」とも思えますが、トップレンジには3リッターツインターボエンジン(これもQ60由来)が搭載されるとも言われます。
出力は400馬力以上、トランスミッションは7速デュアルクラッチとされ、ハイブリッドもラインアップに加わるともウワサされており、そちらは3リッターV6エンジン+モーターにてシステム合計460馬力~500馬力を発生する模様(あくまでもウワサ)。

ハイブリッド化され、仮に4WDで500馬力となるとこれまた強烈な運動性能を持つと想像でき(しかもショートホイールベースであればなおさら)、かつ価格は350~600万円程度と予想されているだけにコストパフォーマンスも高そうです。

なおこちらがインフィニティQ60(V37)。
こちらは日本でも日産ブランドで「スカイラインクーペ」として発売されるとも言われていますね。
2リッターターボ、3リッターターボ、そしてそれぞれに4WDがあり、最上位モデルの「Red400」は文字通り400馬力を発生するホットバージョン(だいたい600万円くらい)。

一時期、新型フェアレディZは方向性を転換し、ダウンサイジングされた上でクロスオーバーになるという話が出ていて、期を同じくしてかつてのS30フェアレディZラリーカーに採用されたカラーと同じ配色を持つ「Gripzコンセプト」が発表されたためにそのウワサが真実味を帯びたことも(名称に”z”が入っていたのでなおさら)。
しかしこのウワサは日産の上層部によって即座に否定され、「Zはメインストリームのスポーツカーであり続ける」と発言されています(下の画像がGripzコンセプト)。

関連投稿:やはり次期フェアレディZはクロスオーバーに?日産欧州の重役語る

日産欧州の重役が「まだ何も言えない」と前置きしながらも、メディアに次期フェアレディのクロスオーバー化を尋ねられた時に否定しなかった模様。
「次期フェアレディZがクロスオーバーに」というのは過去に一度噂が出ており、それはちょうど2015年に「GripZ」コンセプトが発表された頃。

「GripZ」という名称の中に「Z」が入っていること、フェアレディZラリーカーを彷彿とさせるカラーリングで登場したことからその話が持ち上がったわけですが、当時日産は意図的にその噂を流したり、それによる市場の反応を見たかったのかもしれませんね。

なお日産はコンセプトカーだと結構すぐれたデザインが多く、それはIDxも同様。
ただ、なかなか市販化までたどり着くのは難しく、日産はファンサービスよりも「利益重視」の会社に完全移行したようにも思います(利益のみで新型車投入の可否を判断)。

NISSAN DESIGN D4-5

NISSAN DESIGN D4-5

カルロス・ゴーン氏がCEOに就いた時、凍結されていたフェアレディZの新型について「ファンから作ってくれと言われる車を持つメーカーは少ない。そういった車がある限り、その要望に応えるべき」と鶴の一言でフェアレディZの復活を決めていますが、あの頃の熱い情熱はもう感じられないのが残念。

逆にトヨタは今のモリゾー氏が社長になってからガラリと変わって面白いクルマ作りを行っており、あんなに大きな(世界一の自動車メーカー)会社なのに社長一人が変わっただけでこうも会社全体や製品が変わるのか、というのは嬉しい驚きでもありますね。

関連投稿:次期日産フェアレディZは現行よりも安くなる。スポーツカー市場について考える

次期日産フェアレディZは「SUVではない」ことが公言されていますが、それでもGripzコンセプトのデザイン的影響を受ける模様。

さらには価格が引き下げられ、より若い層にアピールできるようにする意向のようです。
現在国内でスポーツカーというとトヨタ86、マツダ・ロードスターあたりが思い浮かびますが、スポーツカー自体がある程度お金のある人の「セカンドカー」的な需要を満たすようになっており、そのために「ラグジュアリーなスポーツカー」は国内ではあまり求められなくなってきているのかもしれません(スポーツカーの購買層自体がある一定年齢以上で、家族構成上スポーツカー一台では難しい?)。

一方で低価格であれば若者が購入する可能性があることを同時に示したのも86やロードスター、S660で、これらは客層が二分しているとも考えらますね。

そのためかトヨタはS−FRの投入に前向きだと思われ、スポーツカーは現代において「自分の家族を持たない若者」か「家族がおりスポーツカーは二台目以降の趣味の車」としての役割がメインになってきているのかもしれません。

そう考えるとスポーツカー人気が衰退した頃のスポーツカーは豪華で高価(フェアレディZ32、スープラ、RX−7など)なものが多く、需要と供給との乖離が大きかったのかもしれませんね。

そんなわけでスポーツカーは現在新たな役割を模索していると思われ、需要と供給が合致すれば息を吹き返すのでは、と考えたりもします。

関連投稿:フェアレディZ後継はSUVではない?しかし登場はまだ2年後

ニスモの製品技術者によると(なので日産本体ではない)、時期Zはグリップズのようなクロスオーバーにはならないだろう、とのこと。

本人の希望的観測も交えていますが、時代背景を反映してよりコンパクトで効率のよい車になるだろうとも述べていますね。

なおドイツの自動車メーカーは軒並みダウンサイジングを敢行しており、アメリカに至ってもかつてのアメリカンマッスルすら2リッターエンジンを積む時代。
日産は小排気量ターボには今のところさほど積極的ではなく、大排気量NAを好むメーカーでもあります。

ただ、世界中で販売することを考えると排気量の大きなエンジンは規制、また税制の面からも不利ですし、やはりエンジンは小排気量化するしかないのかもしれません。

クロスオーバーとなったフェアレディZも見てみたかったですが、かつてZ(Z32)に乗っていた身としては、やはりZはスポーツカーで在り続けて欲しいとも思います。

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日産がフランクフルト・モーターショーに先駆け、謎クロスオーバーの画像を公開。
新型ジュークではないかと見る向きもありますが、これまでの情報を整理するとフェアレディZである可能性が高いのでは、とぼくは考えます。

日産は大きく高価になったフェアレディZを「より若者に訴求するように」コンパクトにしたいと考えており、かつSUVという時代の要求に沿ったセグメントへの仕切り直しを計画しているようで、それが早くも形になったと考えているわけです。

ただし日産は「市場の反響を見るためだけに」コンセプトカーを発表することがあり、今回もこれを出してみて市場の反応を見て、そこから最終的なZの方向性を決めるであろうことも考えられます。

なお、この「赤黒」のカラーリングはかつて240Zがラリーで活躍した際のカラーリングと一緒で、「Zはスポーツカー」という固定概念に対し、過去のモデルを引き合いに出してその関連性を示し、市場を説得しようとしているようにも見えますね。

これはポルシェがSUV「カイエン」を発表するときにポルシェがラリーに参戦してきた歴史を前面に押し出し、「ポルシェはオンロードだけではなくオフロードもそのテリトリー」と主張した手法によく似ています。

ぼく自身フェアレディZには強い思い入れがありますが、Zは「軽量コンパクトで求めやすい価格」というところを出自としており(Z32ではちょっと高価になり、Z33では”3万ドル以内”が至上命題でもあった)、その意味では当時のコンセプトを現代に焼き直すと「スタイリッシュなクーペSUV」になるのではということは十分に理解でき、もしZがオシャレなSUVで登場したならば、ぜひ手に入れてみたいと考えています。

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オートカーによると、次期日産フェアレディZはクロスオーバーになる、というウワサ。

CMFプラットフォームを使用し、ジュークと同程度のサイズまで落とされ、かつ1.6リッターターボの搭載が検討されている、ということ。

トヨタやホンダは一気に伝統的なスポーツカーを拡充しようという雰囲気ですが、日産は全く異なる方向性を持っていることは非常に面白いですね。
本当にZがクロスオーバーになるのであれば、日産のスポーツカーはGT-Rのみということになりますが、もしかすると日産はジュークRでなんらかの手応えを感じており、クロスオーバーをスポーツカー化しようと考えていて、それには日産のスポーツカーの代名詞のようなZをこれに充てるのでは、と考えたりもします(GT-Rはスーパースポーツとして君臨し続ける方向)。

ぼくは過去フェアレディZ(Z32)に4年間乗っており、Zは非常に思い入れのある車です。
それでも「Zがスポーツカーでなくてはならない」とは考えておらず、むしろスポーツカーとして存在する限りは競争力を十分に発揮できないのではないかとすら考えており、本当にフェアレディZがクロスオーバーに移行するのであれば、そして新しい活路を切り開くのであれば、それは歓迎したいと考えています。

全幅1.8メートル以下、全長4.3メートル以下でAWD、軽量かつパワフルであれば、ぼくにとっては非常に有力な選択肢となり、20年ぶりくらいに「Z復帰」が叶うかもしれません。

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