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ワイルド・スピードはもはや車の映画ではない?シフト回数などをシリーズごとに分析した結果が公開に

2017/04/14

| 意味もなくシフトチェンジ。そう、それがカーアクション |

Bloombergにて、映画「ワイルドスピード」シリーズの内容を分析する「Seats of Furious(原題のFast and Furiousにかけている)」というコンテンツが公開に。
これによると、ワイルドスピードシリーズはユニバーサル映画の「ドル箱」となったがためにその映画の性質が変わってきている、というものです。

たしかに過去にもそういった映画シリーズは多々あり、たとえば「エイリアン」ですが、あれはもともとシリアスなホラー映画だったのに、エイリアンのビジュアルが妙にウケてしまい、その後「グロさ」と「アクション」を押し出した娯楽作品になってしまって、最後は「プレデター」とニコイチにされる、という悲劇の末路をたどったシリーズでしたね(まだ終わってはないですが)。

まず、ワイルド・スピードシリーズの興行収入と予算。
これを見るとシリーズごとに収入を伸ばしており、予算もそれにあわせて急激に伸びています。
ここまで来ると、ユニバーサルがスター総動員してまでシリーズを育てたがるのもわかりますね。

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これは車について語る時間。
御覧の通り、シリーズ通して減少傾向に。
ワイルド・スピードはもともと「車」の映画で、どういったパーツを組み込む、という話(といってもニトロばかりですが)が出てきたところが良かった、と考えています。

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レースをしている時間とニトロの使用。
とにかく「トーキョー・ドリフト」あたりまでは「レースがすべてを決める」傾向にあり、レースに勝てばどんなもめ事もそれでチャラ、という雰囲気があったのは確か。
ヤクザとモメてもレースを挑んでそれに勝てばチャラ、負けたほうが街を去る、という潔さがあったのも事実です。

ただ現在は「もめ事」がまずありきで、車は脇役になってしまった感がありますね。

当然ニトロの使用回数も減ってます。

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シフトチェンジの回数とタコメーターの登場回数。
これは増えたり減ったりですが、傾向としては減少気味。
「車」の映画でなくなってきているので、仕方のないところですね。

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カーチェイスと爆発。
これはもうワイルド・スピードが「アクション映画になってしまった」ということを客観的に裏付ける数字となっています。

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銃をぶっ放す時間や肉体を駆使したバトル。
これも上と同様で、完全にアクション映画化してますね。

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レースとアクションの関係。
やはり「アクション映画化」していることがわかります。

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「ファミリー」と「チーム」という言及。
これはどんどん増加していますが、ストーリーを重視してきている(メインの登場人物を増やすことで、より幅広い観客が感情移入しやすくする)ということがわかります。

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なお、ワイルド・スピードは中国や日本、東南アジアでも高い人気を誇るということ、中東には愛すべき車バカが多いということを考えると、「ファミリー」には今後東洋人と中東の人を入れるべきでは、と考えています(舞台設定としては重要な役割を果たしていますが)。

VIA:BLOOMBERG

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先週末はアメリカはじめ中国、ロシアで「ワイルド・スピード・アイスブレイク」が封切られましたが、北米における興行収入ランキングでは当然「初登場1位」を記録。
その額はなんと108億円にものぼるとのことで、これまでの歴代の記録を書き換える可能性がある、とブルームバーグが報じています。

なお週末での世界における興行収入は5億3250万ドルと報じられており、これまでの記録は「スター・ウォーズ:フォースの覚醒」の5億2900万ドルとのことなので、こちらも記録更新ということになりそうですね。

ワイルド・スピードシリーズは回を追うごとに売上を伸ばしている驚異的なシリーズですが、当初の「車のレースで全て解決。レースで負けたら文句は言わない」的なカーレース映画だったものの、今では銃火器をぶっ放すのはもちろん、ビルをぶっ壊したり戦車が出てきたり、潜水艦まで出てくる一大スペクタクルなアクション映画に。

ただ、これらはマンネリを避けるために行ってきた施策だと思われ、「車のレース」にこだわってばかりいると客層も限定され、同じような話にばかりなってしまい、結局は「客足も滞る」ことになっていたのだろう、と思います。

自動車も同じで、特定車種においてもファンから「変えないで」という声を間に受け、モデルチェンジの時に「従来路線」を踏襲すると新しい客層をつかめず、しかし旧来のファンは新しい車に買い換えるわけでもないという状況に突入し、結局は人気を失うことに。

そういった意味でもミニが大きくなったりポルシェが水冷化したり、というのは「あるべき姿」であり、過去の成功法則にとらわれず常に変化を追求することこそが成長の原動力になるのでは、とも思います。

おそらくワイルド・スピード・シリーズについては今後も続くでしょうし、新たなファンを獲得するために俳優陣の入れ替えや追加もあるでしょうし、映画の性格自体が変わる可能性も(今でもトリプルXとの境界が曖昧ですが)。

そう考えると、あと何作か出た後に、「ワイルドスピードは、車で勝負して、負けたほうが街を去るという任侠映画だったんだよ」と言っても信じてもらえない時代が来そうですね。

ちなみにマッドマックスでは「爆音上映」、「キングスマン」では英国紳士風の仮装で見にゆくイベントなどありましたが、ワイルド・スピードが仮にそういったイベントをやるのであればなんだろうな(まさか爆音仕様の非合法改造車で見にゆくわけにもゆかない)、と考えたりします。

日本においては「君の名は」の大ヒットなどここ最近邦画の勢いがあり洋画の勢力が弱まってはいるものの、「ワイルド・スピード・アイスブレイク」でどこまで伸ばせるかは興味のあるところです。

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