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ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテを見てきた。思ったよりアクティブエアロが凄かった件

2017/06/15

さて、ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテを見にランボルギーニ大阪さんへ(6/17まで展示中)。
車両はよくメディアで見かけるマットオレンジ(Arancio Anthaeus=アランチョ・アンタエウス)となっています。
これまでにないほど多くの人が訪れており、ウラカン・ペルフォルマンテへの興味の高さ、そして市場に与えたインパクトの大きさがわかりますね。

ウラカン・ペルフォルマンテは「市販車史上、ニュルブルクリンク最速」という大きなセールスポイントを持ちますが、そのキモとなるのはアクティブエアロデバイス「ALA」。
価格は税抜きで31,638,800円となっており、ベースとなるウラカンの+15%ほどの価格設定となっています。

ここでざっとウラカン・ペルフォルマンテの外観を見てみましょう。
ボディカラーは上述の通りマットオレンジ。
パールオレンジをマット仕上げとしており、「パール」のぶんと「マット」両方の費用が必要になるためかオプション価格は200万円ほど。

一方でサイドステップ、フロントバンパーの一部はグロスブラック仕上げとなっており、カラーでのコントラストに加えて光沢での対比も楽しめる仕上がりに。

フロントのアクティブエアロ(ALA)。
フラップが開いており、四角い穴から床が見える状態で、これは「最小ダウンフォース」モードとなり、加速時やトップスピードを求めるときの形状。

エアインテーク。
「グリルレス」となっており、冷却用のラジエターが奥に見えます。

サイドのストライプ(イタリアン・トリコローレ)と「perfomante」文字はプロダクションモデルにおいてはペイントで仕上げとなるものの、このプロトタイプにおいてストライプはステッカー処理。
もし市販モデルでも「ストライプ」であれば後にパーツとして取り寄せ可能かとも思いましたが、それは「叶わぬ夢」となりそうです。

なおサイドステップがブラック処理となることで、ボディが「コークボトル状に」抉れているように見え、リアフェンダーのワイドさが相対的に強調されているように思います。

Aピラーからルーフ、Cピラーそしてリアクォーターウインドウ横のインテークなどはベースモデルのウラカンと同じ。

そして問題のリアセクション。
ここが標準のウラカンと大きく異なるところですが、エンジンフードの形状そのものから変更されており、フードの後ろ1/3ほどが独自の形状に(ポルシェ911ターボを連想させる)。

リアフードはフォージドコンポジット製。

リアウイングのステー部分の付け根あたりにエアを取り込むダクトがあります。
今は閉じているので「ダウンフォースMAX」状態。

その奥にはヒンジを持つフラップ(赤い丸)が見えますね。
このフラップの作動は0.5秒で完了し、従来の「リトラクタブルウイング」よりもその効果を発揮するタイミングも当然早くなることに。

なお、これらアクティブエアロデバイス(ALA=Aerodinamica Lamborghini Attiva)の効果によってダウンフォースはウラカンの最大7.5倍に。
そしてもうひとつ得られる効果としては、加速する際などダウンフォースが不要なときには「ダウンフォースが最低になる」ようにデバイスが作動するため、より鋭い加速が得られること。

標準モデルのウラカンは可変エアロを持たず、「常にダウンフォースが得られるように」ボディが設計されていますが、ウラカン・ペルフォルマンテは標準モデルのウラカンよりも「高いダウンフォース」はもちろんのこと、「(たぶん)低いダウンフォース」をもこのALAで実現できると思われます。

ダウンフォースは言い換えれば「空気抵抗」になるので、ダウンフォースが強い=空気抵抗が強い、ということにも。
モータースポーツにおいて、テクニカルサーキットと高速サーキットではそのダウンフォース設定(エアロパーツの設定)が異なるのを見ても分かる通り、レーシングカーでは「セッティング」に苦労することになりますが(ダウンフォースと加速/最高速とのバランスを取らねばならない)、ウラカン・ペルフォルマンテではそれをこのALAで自動的に最適化してくれる、と考えるとわかりやすいかもしれません。

モータースポーツでは可変エアロが禁じられている場合がほとんどですが、市販車ではそういった「規制がないので」できるワザということになりますね(アストンマーティン・ヴァルキリーが”F1より速い”としているのも同じく縛りを解除しているため)。

実際のところ(先日開催されたイモラでの試乗会に参加された)営業さんの話では「サーキット走行を行っても思ったよりタイヤが減らなかった」とのことで、やはりこれは「低ダウンフォース」効果なのかもしれません。

こちらがそのリアウイング。
単なる「一枚モノ」ではなくウイングの中にすら空気の通り道がある、という技術の見本市のようなものですが、ウイングの裏面にはスリット(横に走る細い線)が。

これがどういった働きをするかというと、ウイングのステー(足)から入った空気がステーの中を通って羽根部分を流れ、このスリットから出る、という構造。
足から風が入ってこのスリットから空気が抜ける状態が「ダウンフォース最低モード」となり、やはり加速やトップスピードがほしい時の状態となります(詳細は下のランボルギーニが公開している動画がわかりやすい)。

なお、こちらは機能解説用の「リアウイングのカットモデル」。
ルーフを伝って流れたエアがウイングの「足」を伝ってウイングの上に入ってゆき、

さらにウイング上部の「羽根」部分へと流れ(縦から横へ)、

羽根部分の裏面からエアが抜ける、という仕組み。

要はウイングの中は空洞で、しかもエアを流して抜く構造を持っている、ということですね。

こちらはエンジンルーム。
ゴールドのカバーは過去のランボルギーニ(ディアブロSE30)をモチーフとしたもの、とアナウンスされています。

エンジンルーム奥側(室内側)にはフォージド・コンポジットのカバーがありますが、車体後方はALAの稼動部があり、中央にはレーシングカーばりのアルミ製タンクが鎮座。

アクティブエアロデバイスについて、正直「よくこんなものを作ったな」という複雑なもので、すべてフォージドコンポジット(カーボン)でできているということを考えるに、リアウイングだけでも相当な値段なんだろうな、と思われます。
加えて、こういったデバイスを装備しながらも標準のウラカンよりも-40kgを達成しているのは驚きではありますね。

そしてリアエンド。
テールランプはウラカンと同じで、リアのグリルはウラカンRWDと同じ(そのほうが開口部が大きく、高出力車には向いている)。

ただしその下は大きく異なり、これもフォージドコンポジット素材を使用したバンパーとリアディフューザーが特徴的。
マフラー位置もセンターに移動しており、テールパイプにもスリットが入ります(リアウイングのスリットとデザインを統一しているのかもしれない)。
グリルは最近流行の薄型で線が細いタイプ。

リアフォグはF1風の形状(ランボルギーニらしく六角形に近くはなっている)。

ちょっとびっくりなのはサイドアンダーで、「リアタイヤ丸見え状態」。
タイヤはスティッキーな「ピレリPゼロ・トロフェオR」なので相当に路上の石を拾って後方へ放出すると思われ、「(飛び石が怖いので)ウラカン・ペルフォルマンテの後ろだけは走りたくない」と思わせる仕様です(この車の前を走るのは相当に難しそうですが)。

なお、この「タイヤ丸見えデザイン」はランボルギーニが「セスト・エレメント」「チェンテナリオ」で採用しているデザインとなりますが、そういった「尖った」限定モデルにしか用いられないデザインがこのウラカン・ペルフォルマンテには与えられている、ということになります。

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ホイールは20インチサイズでペルフォルマンテ専用デザイン。
ボルトは「チタン製」で、おそらく1本1万円ほど(ガヤルド・スーパーレッジェーラにも採用されていた)。

とにかく前から後ろに至るまで「特別装備」づくしであり、それでいてウラカンの15%増しの価格で収まっているのは驚異的。
この価格で「ニュルブルクリンク最速」マシンに乗れるというのは大きなインパクトがあり、かなりお買い得なモデルである、と断言できますね。

さらにほかの画像は下記に公開しています。

ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテを見てきた。その画像を公開してみる

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