| またまたグループBホモロゲーション取得用変態車 |
グループBというととにかく「過激」で有名なレースカテゴリで、そのグループB出場のためホモロゲーション取得を目的として製造された市販車たちもまた過激。
今回またその過激(変態ともいう)な車がまた一台オークションに登場することになりますが、これは「ランチア・ラリー037ストラダーレ」。
そして今回の個体は日本へと新車時に販売され、なんと2016年まで日本に保管されていた、というもの(ランボルギーニ・ウラッコ・ラリーも日本に存在しているといい、日本にはけっこうレアカーが多い)。
初代ホンダNSXの設計にも大きな影響を与えた車
ランチア037ストラダーレは207台のみが製造されたと言われ、ボディは軽量化のためケブラーにて補強されたグラスファイバー製(デザインはピニンファリーナ)。
製造されたのは1982年で、ラリーカーにしては珍しく後輪駆動となっており、エンジンはミドシップマウント。
この後「4WDでないと勝てない」時代へと移行することになりますが、実際にランチア037ストラダーレは「MRとしては最後のタイトル獲得車」となっています。
ランチアというと「ストラトス」をすぐに連想するものの、そのストラトスの問題とも言えた「短すぎるホイールベース」を改良することで操作性を大きく向上させたと言われ、高い戦闘力を発揮したことでも知られます。
グラベルでは4WD勢に先行されながらもターマックでは圧倒的な強さを誇ったともされていますね。
エンジンは2リッター直4スーパーチャージャー205馬力。
ボディサイズは全長3915ミリ、全幅1850ミリ、全高1245ミリ。
ストラトスに比べて長くなったとはいえ、まだまだ短く、幅広い車だと言えます。
なお重量はわずか1170キロと非常に軽量。
ベースはランチア・モンテカルロ、設計はレースカーの設計やランボルギーニ初期モデルの設計、今ではウラカン・スーパートロフェオの設計で知られるジャンパオロ・ダラーラ。
キャビン部分はモンテカルロからの流用ではあるものの、前後は鋼管パイプを用いたスペースフレーム構造となっています。
なお、ランチア・ラリー037ストラダーレはホンダNSX開発時にもっとも参考にされた車としても知られていますね。
内装は珍しいブラックの「コーデュロイ」。
2016年以後はレストアを行うためにイタリアへと送られ、現在に至るとのこと。
オークションにおける最高落札価格は予想にて5000万円と見られています(日本での新車価格は980万円)。
ボディカラーは新車販売時に207台全てがレッドにペイントされており、この個体も内外装ともにオリジナル状態を尊重したレズトアがなされています。
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