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「人生に新しい意味を与えたかった」。両手両足を失いながらもル・マンに挑戦、36位で完走した男の物語

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| 想像を超える経験をした男がル・マンに挑戦 |

トヨタの初優勝が話題のル・マン24時間レースですが、ル・マンというとぼくは「ある一人の男」のことを思い出すわけですね。
その男とはフランス人実業家の「フレデリック・ソーセ氏」。
ソーセ氏は2012年、休暇中に「ちょっと指先に傷を負った」そうですが、その傷から細菌に感染してしまい、皮膚がどんどん壊死してしまうことに。
世界では年間でわずか40の症例が報告され、”85%が死に至る”。
ソーセ氏の場合は「1時間に12センチの速度で手足が壊死していった」とのことで、そのスピードを鑑みるに、四肢切断という結果となったにせよ、一命をとりとめたのはまさに僥倖であったと言えるかもしれません。

「人生に新しい意味を与えたかった」

その後リハビリから復帰したソーセ氏は子供の頃に抱いていた「ル・マン出場」を決意。
ただ、ソーセ氏にレースの経験はなく、レーシングカーを初めて運転したのも2015年(つまり四肢切断後)になってから。

これまでレース経験がなく、しかも両手両足を失った者がモータースポーツの最高峰でもあるル・マンにチャレンジするというのは常人からすれば信じがたい話ですが、ソーセ氏は「今までも他の人と異なるやり方で物事を達成してきた」と語っており、彼の成功者としての冒険心がル・マンへの挑戦を実現させたと言えそうです。

しかしながらル・マンはエントリーしたら参戦できるという甘いレースではなく、様々な規制をクリアする必要があり、そのために選んだマシンは「モーガン・ニッサンLMP2」。

ル・マンの規定をクリアするのは簡単なことではない

1つ目の課題は「他のドライバーとどう操作系を共有するか」。
ル・マンは1チームあたり3人のドライバーでマシンを走らせますが、ソーセ氏以外のドライバーは皆「健常者」。
よってソーセ氏専用の運転用インターフェースを共用するのは難しく、この問題の解決が非常に困難であったようですね。
最終的にはソーセ氏専用のシートにアクセルとブレーキを取り付けて太腿部で(ソーセ氏が)操作し、他二名のドライバーは通常のアクセル/ブレーキペダルを踏むようにし、ステアリングホイールもソーセ氏が乗車する際には「まるごと交換」することで解決。

2つ目の課題は「脱出」で、ル・マンの規定によればドライバーは有事に「7秒以内にベルトを外して自力で脱出できる構造でなくてはならない」と定められているものの、ソーセ氏にはそれが不可能。
しかし彼のチーム「SRT41」はシートにイジェクト(射出)機能を与えたことでこの課題もクリアした、とのこと。

なお、ル・マンには「ガレージ56」なる特別枠があるそうです。
これは「本来55台の参戦枠に対し、自動車の可能性を追求するために56台目の参戦を許可する」もので、これまでは日産のデルタウイング(少燃費技術)やエレクトリックカーなど、新しい技術に挑戦したクルマの参加を特別に認めたもの。
ル・マンを主催するフランス西部自動車クラブ(ACO)はソーセ氏のチャレンジ、そしてモータースポーツへの真摯な取り組みを評価して「近未来の自動車技術を探究する」ことを目的に、ソーセ氏に対して「56番目の」出走枠を与えることを決定しています(もちろんソーセ氏とそのチームが厳しい基準をクリアできたからですが)

どんな逆境でも希望を失わない人達がいる

結果としてソーセ氏は2016年のル・マンに出場したうえで「完走」を果たし、その結果は36位。
これまでも様々なハンディキャップを抱える人々が果敢な挑戦を続けていますが、ソーセ氏のこのチャレンジそして記録が「前人未到」の領域なのは間違いありません。

2001年のクラッシュにて両足切断という重症を負ったアレックス(アレッサンドロ)・ザナルディ氏も、いったんは失いかけた希望を取戻してリハビリ後に自動車レースに復帰し、さらにはパラリンピック(ハンドサイクル)にて金メダルを獲得。
いかなる不幸な環境においても「けしてあきらめない」人々が存在しているのは疑いようのない事実であり、こういった人々を見るにつけ「自分の抱える問題などは小さなものだ」と思い知らされることになります。

VIA:Wired

 

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管理人:JUN

ランボルギーニ/ポルシェ/ホンダオーナー。 ハイパフォーマンスカーを中心に、それにまつわる話、気になるクルマやバイク、モノ、出来事などを紹介します。

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