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| ジャガーI-PACEの価格はやっぱり1000万円 |
ジャガーがブランド初となるBEV(フルバッテリー電気自動車)、「I-PACE(Iペイス)」を発表。
これはプラグインハイブリッドでもない「完全なる」エレクトリックカーで、その価格は959万円から。
ここ最近だとメルセデス・ベンツがEQC、アウディがe-tron quattroを発表しており、各社ともEVのラインアップを急激に強化しているということになりますが、価格帯としては「1000万円前後」となっており、まだまだEVは高価な買い物だと言えそう。
なお、同じくEVの「日産リーフ」の価格は3,150,360円~。
日産リーフと欧州EV勢との価格差はなに?ということですが、これは単純にバッテリー容量の差だと言えそう。
リーフのバッテリーは40kWhですが、ジャガーI-PACEでは倍以上の90kWhで、「EVの2/3くらいを占める」と言われるバッテリーの価格が車両価格の差にダイレクトに反映された、と考えていいでしょう(もちろん装備や仕上げの差もあるけれど)。
ジャガーI-PACEの特徴はこんな感じ
そんなI-PACEですが、ジャガーによるとその特徴は大きく下記の通り。※ジャガーからのプレスリリースはこちら
・ラージサイズSUVと同等の、並外れた室内空間を実現
・フルサイズ・パノラミックルーフ採用
・一回の充電あたり航続可能距離は470キロ(バッテリー容量は90kWh)
・モーターは2つ、最高出力は400馬力、0-100キロ加速は4.8秒
・I-PACE専用アルミニウムアーキテクチャ採用
・重量配分は前後50:50
・ジャガー史上、もっとも強靭なボディを持ち、ねじり剛性は36kNm/deg
・普通充電、急速充電に対応
・AIを活用した「スマートセッティング」搭載
・オンライン上でのソフトウエア・アップデート可能
・5年間、走行距離無制限の保証、8年以内または16万キロ走行以内にて、バッテリー容量が70%を下回った場合はバッテリーを保証
ジャガーI-PACEのグレード構成はこうなっている
今回発表されたジャガーI-PACEのグレードは3つ、そしてこれに初回限定モデルの「ファースト・エディション」。
通常モデルとしてのグレードはI-PACE S(959万円)、I-PACE SE(1064万円)、I-PACE HSE(1162万円)、そしてI-PACEファーストエディションは1312万円。
各グレードとも走行性能やEVとしての性能に変わりはなく、違いとしては「ホイールサイズ、内装の仕上げ、シートの素材や機能、ヘッドライト」といったところ。
ファーストエディションも機能的には同一で、ただし価格から分かる通り「豪華仕様」だと位置づけとなっています。
ジャガーI-PACEはほかメーカーのEVと何が違うのか
I-PACEがほかメーカーのEVと異なるところは「デザイン」。
メルセデス・ベンツEQC、アウディe-tron quattroは誰がどう見ても「SUV」スタイルですが、ジャガーI-PACEは「5ドアハッチバック」。
ただし全長4682ミリ、全幅2011ミリ、全高1565ミリという、「低く広い」スタイルが特徴で、キャブフォワード(キャビンが前にある)スタイルによってウェッジシェイプが強調され、ジャガーらしく「獲物に襲いかかるような」躍動感が感じられるところ。
要は、ほかメーカーのEVが「守り」に入っているとすれば、ジャガーI-PACEは「攻め」ということですね。
そういった「攻め」のスタイルはあちこちに現れていて、ジャガーはI-PACEを使用したワンメイクレース、「eTrophy」を開催予定と発表しており、これはほかメーカーにはない特徴で、現在「走り」を表に出しているEVはI-PACEのみ。
https://intensive911.com/?p=110805
EV時代に求められる要件とは
時代はこれからEVに向かいつつありますが、現在供給側(メーカー)と消費者とには大きな乖離があり、メーカーが「笛吹けど」消費者は「踊らない」状態。
その理由は2つあると考えていて、ひとつは「価格」、もうひとつは「そもそも楽しくない」。
価格は言わずもがなで、ガソリン車の倍くらいの価格設定を納得させるのは正直難しい、と考えています。
そして楽しさですが、これはどうやってもガソリン車には勝てず、世の自動車好きはEVにそっぽを向いている状態。
そういった現状はメーカーも理解していて、「エレクトリック化加速」を発表したインフィニティは「EVも楽しいよ」ということをアピールするためにシングルシーターのコンセプトカー、プロトタイプ10を発表するなどしているものの、まだまだ状況を変えるには至らないのが現状のようですね。
そういった意味ではガソリン車とそもそも全く異なる価値観や、所有する意味というものが求められるのがEVということになり、既存の「自動車」という価値観で作ってはならないのがEVだとも考えています。
コンピューター業界に「オシャレ」要素を取り入れて成功したiMacのように、(クルマとは)全く違う観点でEVを作る必要があると考えているわけですが、まだまだメーカー側も試行錯誤を行っている段階だとも考えられ、しかしジャガーの場合は「ちょっとほかとは違う」ようですね。
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