| アウディはTTに対して大きな決断?スポーツモデルを一気に縮小か |
次期アウディTTは「4ドアクーペのみ」になるというウワサ。
これはAutoExpressが報じたもので、まず「TT4ドアクーペ」が発売され、そして「TTクーペ」「TTロードスター」はそのまま廃止となり、結果的にTTのラインアップは4ドアクーペのみになる、というもの。
なお、TTの4ドアクーペについては、2014年にアウディが「TTスポーツバック・コンセプト(画像)」を発表済み。
当時は発売直前まで進んだと言われるものの、同時期に表面化した「ディーゼル不正事件」の影響でこのTTスポーツバック・コンセプトは「凍結」されることとなっていますが、今回同様、過去にも何度か「発売」のウワサが立っていますね。
ここ数年、フォルクスワーゲンはコストカットに躍起
ディーゼル不正事件に関しては販売のスローダウンはもちろん、リコール対応費用、補償金や買い取り費用など「多額の資金」が要求され、そこでフォルクスワーゲンは当時から不人気車種をバッタバッタと切っており、同時にプラットフォームやパーツの共通化を進めることに。
そしてこれによって相当額のコストを圧縮できたようで、むしろ「以前より利益」が出る体質となってしまい、これによってフォルクスワーゲングループは「販売台数を増やすよりも、コストを抑えたほうが利益増加に効く」と認識したと考えられ、「売れない車種を整理して売れるモデルに集中」という方針に転換したのかもしれませんね。
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アウディTTのセールスは芳しくない
なお、ここしばらくアウディTTの販売は低迷。
これは「自動車主要市場である中国とアメリカでスポーツクーペが売れない」という事情を反映したもので、TTだけではなくメルセデス・ベンツSLC、BMW Z4についても同様です。
そのためメルセデス・ベンツはSLCを廃版に、BMWは単独で開発してはモトが取れないのでトヨタと共同開発を行うという方法を取っていますが、とにかくアメリカではSUV、中国ではSUVとセダンしか売れない状況となっています。
ただ、中国については特殊な事情があるとも考えていて、というのも中国ではメルセデス・ベンツ、BMW、アウディとも売れ筋のセダンやSUVは「現地生産」。
これによって製造コストを引き下げたり関税を回避できたりして安く販売でき、結果的に大量生産・大量販売が可能に。
しかしながらスポーツクーペにおいてはもともと市場規模が小さく、よって現地生産するほうが「ワリにあわない」ので中国では”輸入車扱い”となってしまい、これによって現地での販売価格が割高になり、よって”さらに売れない”という負のスパイラル状態に陥っているわけですね。
そしてこの状況はどうやっても覆し難く、よって各メーカーとも「スポーツクーペ撤退」という判断になるのはやむを得ないところかもしれません。
しかしながら各メーカーともせっかく育てた「ネーム」をそのまま消し去るのは惜しいと考えているようで、そこでSUV人気に呼応する形で「次期フェアレディZはSUVに」「次期アルファロメオMiToはSUVに」という話が出てくるのだと思われ、その流れからすると「TTは4ドアクーペに」というのも納得できる、とは考えています。
なおアウディは「TTスポーツバック・コンセプト」のほかにも、これをリフトアップして”オールロード”風に仕立て上げた「TTオフロード・コンセプト」、そしてワゴン風の「アウディ・シューティングブレーク」も発表しており、以前よりTTの派生を検討していたことは間違いなく、そしてこれらを投入するのは「今しかない」ということなのでしょうね(しかしその影で、ルーツとも言えるTTクーペは消滅)。
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