ここまで豪華な顔ぶれが揃ったのは見たことがない
バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催された、「スーパーカークラブ・アラビア」のイベントを収めた動画が公開に。
さすがアラブ中のスーパーカーオーナーが集まっただけあり、その参加車両はまさに驚愕の内容となっています。
今回の目玉はアポロ・インテンサ・エモツィオーネ、マクラーレンF1、ポルシェ911GT1、メルセデス・ベンツAMG CLK GTR、マセラティMC12。
これだけのメンツが一同に介したのは今回以外に思い当たらず、そして今後も二度とないかも。
ここでその様子を見てみましょう。
マクラーレンF1はこんなクルマだ
マクラーレンF1は1993-1998年の間に生産された車で、「センターシート」「ゴードン・マレー設計」「エンジンルーム内側は放熱性のためだけに金を使用(豪華にしたかったわけではなく機能を重視しただけ)」「工具も軽量性を重視してチタン製」「新車価格価格1億円(それでも赤字)」などなど、数々の伝説を持ち、 近代のクルマではもっとも高価にて取引される一台です。
エンジンは6リッターV12/636馬力を採用し、車体重量は1140キロと軽量で、非公式ながら時速391キロを記録するなど、現代の基準で考えても「最高レベルの車」。
当時からすると30年以上は進んでいた車であり、自動車史的に見てもこれ以上「妥協なく」作られた市販車は(今後も含め)存在しないと断言できる車です。
生産台数はわずか106台、現在の市場価格は22億円くらい。
メルセデス・ベンツCLK GTRはこんなクルマだ
このメルセデス・ベンツCLK GTR(1997)はFIA GT1規定に沿ってメルセデス・ベンツが投入したレーシングカーですが、ホモロゲーション取得のためにロードカーが25台のみ販売されることに。
販売についてはディーラーではなくメルセデス・ベンツが直接オーナーに対して行い、しかも(運転が困難なため)販売前にはオーナーに対して運転についてのレクチャーを行なった、とされるほどの特殊さを持っています。
メルセデス・ベンツCLK GTRのエンジンは6.9リッターV12。
600馬力を発生し、駆動輪は後輪のみで、0-100キロ加速は4秒以下。
GT1参戦のためホモロゲーション取得を目的としたモデルで、クーペ版のメルセデス・ベンツCLK GTRは20台(25台説もある)が製造され、現在の市場価値は6億円だとされています。
小室哲哉が「買ったはいいが、自分には運転できないとわかり、”置いていただけ”になった」と語ったことでも有名なクルマですね(並行輸入だったので、購入前のトレーニングを受けていない。しかし小室哲哉の運転技術は、所有してきたクルマを考えると、けして低くはないはず)。
ポルシェ911GT1はこんなクルマだ
ポルシェ911GT1(1996)はポルシェが「打倒マクラーレンF1」を掲げてル・マンのLM-GT1クラス参戦のために投入したレースカーですが、1996年のル・マンに参戦し、総合で2位、3位へ入賞するという成果を上げています。
ベースは993世代の911で、フロントとキャビンは911のモノコックを流用し、それ以後をミドシップに改造したもの。
こちらもホモロゲーション取得のために25台のストリートバージョンが生産されていますが、そのほとんどは「996顔」。
ただしこの車両はたった2台のみ生産された「993顔」を持つクルマで、その市場価格は約11億円。
911GT1エボリューション、そしてレース用のGT1を公道仕様へとコンバートした個体も存在します。
なお、ポルシェでは「GT」のうしろにつく数字が小さいほどクルマがエクストリームに。
マセラティMC12はこんなクルマだ
マセラティMC12(2004年)はエンツォ・フェラーリの構成部品を流用したスーパーカーで、FIA GT選手権参戦のためのホモロゲーション取得用モデル。
生産は55台のみ、という希少車です(5台は販売を前提としていないので、販売用だと50台)。
エンジンは6リッターV12で632馬力を発生しますが、これはエンツォフェラーリの660馬力よりも「ちょっと」低い数字。
空力を考慮した超ロングテールが特徴で、全長はなんと5143ミリにも達します。
現在の市場価格は2億9000万円ほど。
アポロIEはこんなクルマだ
そしてアポロIEは2018年に発表されたハイパーカーで、製造はメルセデス・ベンツCLK GTRと同じHWA(AMG設立者の別会社)。
もともと「アポロ」を製造していたグンペルト社を香港の投資会社が買収し、その後社名を「アポロ」へと変更して発表したのがこの「IE」ですが、「現代にCカーを蘇らせた」という妥協なき走行性能の追求に加え、芸術品のようなマフラーエンドは「それ単体で700万円くらい」という、仕上げにおいてもとことんこだわったクルマ。
納車は2019年から、生産台数は限定10台のみ、とされています。
動画ではこの5台が同時に走行
そして驚くべきは、なんとこれら5台が一緒にサーキットを走行。
さすがにバトルは行わずデモランにとどまるものの、この5台が同時に走るのも金輪際見ることはなさそうですね。
アポロIEはレース参戦を前提としておらず、そのぶんレギュレーションに縛られず自由に設計できたためか、ほかのクルマに比べて異様さが際立ちます。
そして激しくプッシュしドリフトも披露。
このイベントのスポンサーはミシュランのようですね。
ちなみにマクラーレンF1、メルセデス・ベンツAMG CLA GTR、マセラティMC12は中東に相当数が存在するようで、中東のコレクターのガレージ紹介では必ずといっていいほど登場するクルマ。
そしてイベントにはケーニグセグ・アゲーラも登場。
ランボルギーニ・ウラカン、メルセデスAMG GT。
マクラーレン570S、フェラーリF12 tdf、ポルシェ911GT3 RS/911ターボ、ロータス・エキシージ。
ホンダNSXも(タイプS ZERO?)。
NSXも中東でかなり好まれるクルマですね。
とにかく驚きのクルマが集う、ほかに例を見ないイベントであった模様。
それでは動画を見てみよう
こちらが「総額数十億円」のクルマが集結しサーキットを走る動画、「APOLLO IE DRIFTING! w/ McLaren F1, Mercedes-AMG CLK GTR, Porsche 993 GT1, Maserati MC12」。
VIA:Lovecars