| 規制のためエレクトリック化が進む一方、その開発費用の負担は企業に、購入時の負担増は消費者に |
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メルセデス・ベンツがGLEに「ディーゼル+ハイブリッド」を投入。
その名も「GLE350de」という聞き慣れない名称となっており、エンジンは194馬力を発生する2リッター4気筒ターボディーゼル、そしてこれに136馬力を絞り出すエレクトリックモーター(1個)をプラスしています。
なお、最高出力は「ガソリンエンジンとモーターがピークパワーを発生する領域が異なるので」320馬力になる、とのこと。
欧州ではハイパフォーマンスガソリンエンジンが軒並み「アウト」
そしてこのGLE350deについては、今のところ「欧州市場向け」。
なぜ欧州市場にディーゼルハイブリッドを投入するのかということですが、近年厳しくなる環境規制に対応するためで、現在欧州ではハイパフォーマンスガソリンエンジンの使用がかなり難しいため。
よって、先日発表されたアウディ「S5」も欧州市場ではディーゼルエンジンのみのラインアップとなっており、「Sモデルがディーゼルとは・・・」という驚きも。
エレクトリック化は環境には優しくとも、企業や消費者には「優しくない」
こういった現象については「やむを得ない」ところもあり、反対の意を表することはできないものの、自動車メーカーに対しては「ハイパフォーマンスカーを作るな」と言っているようなもので、しかし自動車メーカーとしても営利企業であり、株主の利益そして雇用を守るためにはより優れたクルマを作らないと「売れず」、そうなると経営状態が悪くなって従業員を解雇しなくてはならない、ということに。

そこで登場するのがディーゼル(欧州ではディーゼルは環境負荷が低い仕様)ですが、これもおそらくは過渡的なもので、今回のGLE350deのようにハイブリッド化しなくては今後製造することができなくなるものと思われます。
そうなるともう次は「ピュアエレクトリック」しかなくなるわけですが、つまり政府が目指しているのは「自動車のピュアエレクトリック化(現在はその段階的締め付け)。
ただ、ピュアエレクトリック化へと移行する途中の「ハイブリッド」によって高くなってしまった車両価格を支払うのは消費者で、これまた高価なピュアエレクトリックカーの代金を支払うのもまた消費者。
多少の減税はあるといえど、高価格化したぶんを吸収するには程遠く、こうなるともう結局は「クルマに乗るな」ということなのでしょうね。

メルセデス・ベンツGLE350deはこんなクルマ
それはともかくですが、今回のメルセデス・ベンツGLE350350deについて、0-100km/h加速6.8秒、最高速度210km/hというパフォーマンス。
いわゆるPHEVということになり、バッテリーサイズは31.2kWhリチウムイオンバッテリーで(ホンダeが34kWhとされるので、かなり大きい)、エレクトリックモーターのみでの走行可能距離は約99キロ。
ただしバッテリーを積むためにカーゴスペースは多少犠牲になっており、ハイブリッドではないGLEが2,055リッターのカーゴスペースを持つのに対し、GLE350deでは1,915リッターに減少。

DC充電器を使用すれば、バッテリー残量10%の状態から80%までは20分、100%までは30分で充電できるといい、家庭用コンセント(200V?)からだと満充電にかかるのは約5時間。
なお、エレクトリックモーターは非常にトルクが大きく、その立ち上がりが「瞬時」なのでSUVとは相性がよく、メルセデス・ベンツいわくGLE350deは3,500キロまでの牽引能力がある、とのこと(欧米ではボートやヨットを引っ張る人が多い)。
メルセデス・ベンツは「GLC350e」も発表
そしてメルセデス・ベンツはもう一台の「ハイブリッドSUV」として新型GLC350eも発表。
こちらはすでに発売済みモデルの「フェイスリフト」となります(画像はフェイスリフト前)。

フェイスリフト前のモデルが積むハイブリッドシステムは「第2世代」、そして今回発表されたGLC350eに搭載されるものは第3世代となるそうですが、2リッターガソリン4気筒エンジンとエレクトリックモーターとの組み合わせにてトータル315馬力を発生し、トランスミッションが7速から9速に変更されることで加速や燃費が大きく向上。
バッテリーパックも8.7kWhから13.5kWhと大きくなり、エレクトリックモーターのみでの走行可能距離は46-49km程度、とアナウンスされています。
0-100キロ加速は5.6秒、最高速度は209km/h、エレクトリックモードでは135km/hに制限される、とのこと。
VIA:Mercedes-Benz