| とことん手間を掛ける場合もあれば、キャリパーを着脱せずにササっと行うケースも |
アキュラ(ホンダ)TLに採用されているブレンボ製ブレーキキャリパーを分解して塗装する過程を収めた動画が公開に。
ブレーキキャリパーのペイントというと一般的なカスタムの部類に入ると思われ、ぼくもこれまでフォスクスワーゲン・シロッコ、アウディTT、レンジローバー・イヴォーク、BMW i3、ポルシェ911カレラ、ポルシェ・ボクスター等でブレーキキャリパーを塗ってきましたが、「こうやって塗ってたんだな」とその工程をはじめて知ることとなっています。
ブレーキキャリパーはこうやって塗装する
まずこちらは塗装前、車両方取り外した状態のブレーキキャリパー。
これをどんどん分解。
動画ではブレーキの構造や動作も見せており、なかなかためになる動画だと思います。
そしてブレーキキャリパーを分割。
このブレーキキャリパーは「左右2ピース」タイプですが、これが一体式となっている「モノブロック」も存在します。
2ピースキャリパーはコストが安いものの、ハードブレーキングを繰りかえすと「開いてくる」場合があり(通常の走行ではまず開かない)、よってハイパフォーマンスカーでは「モノブロック」を採用するのが通例。
アキュラTLはリアルスポーツではないので2ピースでもOKということになりますが、同じアキュラでもNSXになるとさすがに「モノブロック」を使用しています。
ちなみにモノブロックキャリパーはこういった外観を持っており、側面から見ると「2ピースかモノブロックか」判別できないものの、キャリパー中央に分割線があるかどうかによって判断可能。
なお、ぼくにとって2ピースなのかモノブロックなのかは「スポーティーカーか、スポーツカーか」の境界線であり、購入しようとするクルマは必ずホイールの内側に手を入れ、ブレーキキャリパーの構造を確認するようにしています(スポーツカーと謳っているのに2ピースキャリパーを採用していると信用できない)。
その後は汚れを落とし、脱脂した後にサンドブラストにてもとのペイントを剥離。
ボルト穴などは加工中に「ユルくならないよう」詰め物を行ってから作業していますね。
そのあとにペイント。
オーブンにて焼き付け。
もとのパーツを組み立て。
もちろん、組立時に影響が出ないよう(塗料の厚みでパーツが入らないなど)必要に応じてマスキングを行います。
さらに組み立て。
bremboステッカーを貼りますが、この動画ではステッカーを貼り付けだけで済ませ、上からクリヤーを吹いていないようですね。
完成。
こちらがその作業の流れを収めた動画。
動画を見るとけっこう手間のかかる作業であることがわかりますが、日本だとおおよそキャリパー塗装1個あたり3~4万円といったところ。
ちなみに対向ピストン式キャリパー塗装の場合はキャリパーの着脱を伴うため、ブレーキフルードの交換費用も必要となります。
ブレーキキャリパーには色々な形状がある
そしてブレーキキャリパーには「対向ピストン」「フローティングキャリパー」等様々な形状があって、こちらはマツダ・ロードスター(MX-5)に採用されるフローティングキャリパーをペイントし、ロゴを入れる動画。
フローティングキャリパーは動画で見てもわかるとおり、表面が「凸凹」していますが、ショップによってはその凹凸をパテで埋めて「ツルツル」にしてくれるところも(もちろん追加料金が必要)。
なお、フローティングキャリパーの場合は、キャリパー着脱を行わず、遅乾性塗料を使用し「筆塗り」する場合もあります(ぼくは、フローティングキャリパーの場合はそうやって”自家塗装”している)。
こちらは対抗ピストン式ブレーキキャリパーを自家塗装するユーチューバー(キャリパーそのものは着脱している)。
そしてこちらは対抗ピストン式ブレーキキャリパーを「着脱せず」塗装を行うツワモノです。