| アウディSUV史上もっとも強力、もっとも速く、そして最も大きなタイヤを装備 |
アウディのハイパフォーマンスカー部門、「アウディスポーツ(Audi Sport)」がその最新モデル、RS Q8を正式発表。
このRS Q8は、つい先日ニュルブルクリンクにてメルセデスAMG GLC 63を破り「SUV最速タイム」を記録したばかり。
その際はまだカモフラージュが施されたままでしたが、今回はカモフラージュが取れ、その全てが公開されたということになります。
もちろん「Q」シリーズでは最強最速となるクルマであり、その詳細を見てみましょう。
【動画】発表直前のスーパーSUV、アウディRS Q8が「SUVニュル最速」タイムを記録し王座についたと発表。華々しいデビューを飾ることになりそうだ
アウディRS Q8は紳士協定に囚われない
アウディスポーツはここ最近、「RS6アバント」「RS7スポーツバック」を立て続けに発表していますが、これらに積まれるのは4リッターV8ツインターボエンジン+マイルドハイブリッド。
出力は592HP(600PS)、800Nmという”とんでもないトルク”にてRS Q8の巨体を引っ張り、0-100km/h加速は3.8秒、0-200km/hは13.7秒、そして驚くのは最高速度が305km/hということ。
アウディはドイツの自動車メーカー間での「紳士協定」に参加していて、これは最高時速を250km/hに制限する、というもの。
メルセデス・ベンツだとAMG GT、アウディだとR8といった例外はあるものの、僅かな例外を除くと概ね紳士協定を遵守しています。
ただ、近年のクルマのパフォーマンスは非常に高くなり、この紳士協定に満足しないオーナーも多数。
そういった場合には、オプションの追加(BMWだと”Mドライバーズ・パッケージ”のような)にて、この”250km/hリミッター”を引き上げる(解除ではない)ことが可能となっています。
ただ、今回のRS Q8については250km/hを大きく超える最高速を持っており、これがひとつのきっかけとなって紳士協定対象外が増えてくるのかも。
そしてさらに驚かされるのは、この305km/hという数字ですら、「リミッターによって抑えられている」ということです。
なお、アウディと同じくフォルクスワーゲングループに属するランボルギーニのスーパーSUV、ウルスの0-100km/h加速は3.6秒、最高速は306km/h。
つまりRS Q8よりもちょっとづつ「勝る」数字ということになりますが、これは「ウラカンとR8」のように、(ブランド間ヒエラルキーを維持するため)意図的に差を設けているのかもしれません。
RS Q8は「Q8のバリエーションのひとつ」なので、ボディ形状こそ変更はないものの、専用のバンパーやスプリッター等が付与されることで過激と言えるまでのルックスに。
直線を組み合わせた大胆なデザインを持ち、ここは「曲線」を用いることが多いメルセデスAMG、そこまで過激にはなれないBMW Mとはちょっと異なるところ。
ホイールは22インチ、タイヤサイズは295/40を採用し、これは「アウディ史上、もっとも大きなホイール(とタイヤ)だそう。※しかもオプションで23インチまで対応
フェンダーはこのサイズのタイヤを収めるためにフロント10ミリ、リアで5ミリ拡大され、ルーフマウントスポイラーも大型化するなどパワーアップや高速走行に対応した仕様変更がなされています。
なお、ブレーキはオプションにてカーボンセラミックディスクが用意される、とのこと。
アウディRS Q8のインテリアはこうなっている
アウディRS Qのインテリアも当然ながらQ8をベースにしたもので、但し随所が「RS仕様」に。
スポーツシートはレザーで覆われ、フロントグリル同様のハニカムパターンがステッチで再現されています。
デジタル液晶メーターにはRS専用表示が採用され、オプションではヘッドアップディスプレイもラインアップ。
なお、インテリアもエクステリア同様に直線を基調とした「テクノロジー」を強く感じさせるもの。
これもメルセデス・ベンツ、BMWとは異なるアウディ特有のデザインだと言えますね。
RS Q8の納車開始は2020年の第1四半期から、そして価格は127,000ユーロ(約1523万円)。
ニュルブルクリンク最速SUVという肩書を持ち、そしてランボルギーニ・ウルス(2918万円)に匹敵するパフォーマンスを持つクルマとしては「かなり割安」だと言えるかもしれません。