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【動画】本当にグランドセイコーはいい腕時計なのか!ロレックス・サブマリーナと細部を比較してみた。両者の考え方の差が明確に

2020/02/03

| 甲乙つけることができない部分もあるが、明白に優劣が見える部分も |

さて、ロレックス・サブマリーナ116655LNとグランドセイコー・スポーツSBGA229との比較動画が公開に。
ロレックス・サブマリーナについてはもはや説明を要さないと思われるので、グランドセイコー・スポーツSBGA229について触れておくと、まずグランドセイコーには「エレガンス」「スポーツ」「ヘリテージ」といったラインが存在。
価格を見ると、このSBGA229ダイバーズウォッチの中では比較的上位にあるようですが、グランドセイコーはそのムーブメントに「機械式」「スプリングドライブ」とが混在し、単に価格だけで比較できないのがその難しいところです。

グランドセイコー・スポーツSBGA229はこんな腕時計

そしてこのグランドセイコー・スポーツSBGA229の希望小売価格は640,000(税抜き)なので、ロレックス・サブマリーナ(116655LN)の943,800円(税込み)よりはちょっと安い、ということに。

ケースサイズは44ミリなのでサブマリーナの40ミリより大きく、その素材はステンレス。
防水性能はグランドセイコー・スポーツSBGA229が200メートル、サブマリーナは300メートル。

もっとも大きな違いは、グランドセイコー・スポーツSBGA229のムーブメントに「スプリングドライブ」が採用されている、ということ。
これはセイコーが独自に開発したムーブメントで、自動巻き腕時計のようにローターでゼンマイを巻き上げますが、その運動を電気エネルギーに変換し、「クオーツ時計」として機能させるもの(クルマで言えばハイブリッドのようなもの)。
平均月差はプラスマイナス15秒、パワーリザーブは約72時間というスペックを持っています。
ロレックス・サブマリーナは1日でプラスマイナス2秒、パワーリザーブは48時間なので、この点においてはグランドセイコー・スポーツSBGA229の圧勝だと言えそうです。

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ロレックス・サブマリーナとグランドセイコー・スポーツSBGA229を比較してみよう

ただ、腕時計は「精度」で決まるものではなく、というのも現代の腕時計はもはやアクセサリーもしくは自己満足アイテムであり、そこにどれだけの充足度を見つけることができるのか、ということ。
つまり「買ってよかった」と思えるだけのフィニッシュを持つかどうかということですね。

まずは文字盤。
グランドセイコー・スポーツSBGA229の「GS」はかなり精度が高く、サンドブラスト仕上げを持つ模様(そしてキメが細かい)。
「Grand Seiko」の文字も立体的なテクスチャを持っています。

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一方こちらはロレックス。
割と平面的。

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こちらはベゼルのエッジ。
肉眼で見るとロレックスのほうがシャープでエッジが美しいように見えますが、拡大してみるとグランドセイコー(左)のほうが「ひと手間多く」意図的にやわらかく仕上げていることがわかり、これまでの(グランドセイコーはエッジが甘いという)印象が覆った部分でもあります。
なお、ブラシ仕上げとポリッシュ仕上げ部分について、グランドセイコーとロレックスとが「逆」なのは面白い相違ですね。※針においてもロレックスはポリッシュ、グランドセイコーはブラシ仕上げと”真逆”

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こちらはリュウズ。
グランドセイコー(左)はGS文字を彫り込んだ後にサンドブラスト加工を行い、そこからポリッシュ。
ロレックスはおそらく鋳造品(段差部分の処理を見ると削り出しではなさそう)を磨いただけなのでは、という印象です。

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なお、インデックスには多面カット(ロレックスはポリッシュ)。
仕上げには好き嫌いがあるかと思われるものの、相当な手間がかかっているのは間違いのないところ。

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針の先端は尖っているもの、側面は「丸く」処理がなされている模様。
このあたりはベゼルのカドの処理と同じで、「鋭く」仕上げるよりも「丸く」仕上げるのがグランドセイコー流だと言えそう。
なお、針についてはカドを落とすのも、もしくはロレックスのように薄く平面で仕上げるのも同じように高い技術が要され、これも「どちらがどう」と言えない部分です。

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ただ、こういった針の処理を見る限り、グランドセイコーのほうがやや複雑な工程を経ているのではという印象も。
文字盤についても異なる表面処理が混在するのはグランドセイコーならではです。

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こちらはブレスレット。
ぼくはブランドセイコーのブレスレットは「隙間が多く」あまり好きではないのですが、ブレスレットにも両者の考え方がよく現れていて、ロレックスはより精密に隙間なくシャープに、そしてグランドセイコーはより丸く、といった感じ。
バックル部分のロゴ、コマのプレスや磨きにおいてもグランドセイコーのほうが手間がかかっていることはわかるものの、これも好き嫌いの問題かもしれません(結局、腕時計はすべてが好き嫌いになるとは思う)。

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バックル内部は他と異なり、完全な優劣が現れた部分。
グランドセイコーの内部は「金属の板をプレス加工して製造」という安っぽい作りであるのに対し、ロレックスは鋳造パーツ(たぶん削り出しではない)に磨きをかけた、剛性の高いパーツを使用しています(これは現行モデルから採用された変更)。

ロレックスは「ブレスレットやバックルなど、全体を含めた状態が一本の腕時計」と考えていることがわかりますが、セイコーの考える腕時計とは「ムーブメントや、見える部分だけ」なんじゃないかとも思わせるところで、このバックルは「何十万円も出して買ったのにがっかり」することになりそうです(逆に、ロレックスは購入後”こんなところにまでこだわっているのか”と驚かされそう)。

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VIA: Watchfinder & Co.

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