>ポルシェ(Porsche) ■そのほか車関連のネタなど

いったいなぜ?HV前提で開発された新型911なのにポルシェは方針を一転させ「HVなし。ガソリンエンジンを守り続ける」

投稿日:2020/03/06 更新日:

| 少なくともハイブリッド911は2026年まで発売されず、フルエレクトリック911は2030年以降の登場 |

992世代の911が登場した際には、公的に「992のフェイスリフトモデル、すなわち後期モデルではハイブリッドモデルを投入する」とアナウンスされたのは記憶に新しいところ。
ただ、ポルシェはその方針を撤回したようで、というのも今回Autocarが報じたところでは、ポルシェは現在911をハイブリッドもしくはピュアエレクトリック化することに対して否定的である、とのこと。

これはポルシェ911のモデルラインアップマネージャー、フランク・シュテファン・ウォリーザー氏の言として紹介されたもので、内容としては「我々は911にガソリンエンジンを残すために戦い続ける」。
さらに911はポルシェにおいてエレクトリック化される最後のクルマとなり、ハイブリッドモデルでは2026年、フルエレクトリックモデルでは2030年以降になるだろう、とも語っています。

ちなみにこれまでのポルシェの方針だと、「(992世代後期型となる)911ハイブリッドにはマイルドハイブリッド、そして919ハイブリッド直系のパフォーマンス追求型ハイブリッドが存在する」とし、ハイブリッドモデルは911の頂点に君臨するだろうと主張していたほど。

ポルシェ「911ハイブリッドは、全911の中で最高のパフォーマンスを持つ」。つまり911ターボ、911GT3 RSはもちろん911GT2 RSよりも「上」

なぜポルシェは翻意したのか

そして気になるのが、なぜポルシェは急に911に対してハイブリッドを投入しないことにしたのか?ということ。
なお、ポルシェはオーナー向け機関誌「クリストフォーラス」にて、992に搭載されるPDKはハイブリッド化を見越し、ガソリンエンジンに加えてモーターからの入力も想定した設計を持つとも述べていて、つまりは992開発時にはハイブリッド化が「確定」であったとも考えられます(もちろん他のモデルにもこのトランスミッションを使用し、ハイブリッド化することを想定していたとは思われる)。

それがイキナリ「ハイブリッドはない」という方向へとスイッチすることになったわけですが、その理由にはまず「バッテリー性能が思ったレベルに達しない」ということがあるのかも。
これはポルシェに限らずですが、多くの自動車メーカーが同様の見解を示しており、現在および近い将来のバッテリー性能では到底スポーツカーとして満足できるレベルのハイブリッドカーを作れない、ということですね。

つまり、十分なパワーを得られるだけのバッテリーを積むとクルマが(スポーツカーとしては)重くなりすぎるということで、これは新型フォルクスワーゲン・ゴルフGTIが「ハイブリッド非搭載」で登場したことからも推測可能。
フォルクスワーゲンは現在ポルシェを傘下に収め、ポルシェ、アウディとともにエレクトリック化を推進しているわけですが、ポルシェだとカイエン、パナメーラの(パフォーマンス面での)トップレンジに「ハイブリッド」を据え、フォルクスワーゲンでもトゥアレグのトップレンジはハイブリッドの「トゥアレグR」。

それでもゴルフのFFモデルにおけるトップレンジたるGTIは「ハイブリッドなし」であり、つまり現段階ではゴルフGTIをハイブリッド化しても、重量が重くなるだけでパフォーマンスが一向に向上しないということなのかもしれません(よって、ハイブリッド化で恩恵を被るのは、もともと大きく重いクルマ)。

そして、おそらく現在のリチウムイオンバッテリーの性能では、「ちょっとやそっとバッテリー密度が向上したくらいではスポーツカーには向かない」のだとポルシェは身をもって(その開発段階において)知ることになったのだと思われます。

ハイブリッドは趣味性の高いクルマに向いてない

そしてもうひとつの理由が、「ハイブリッドをそもそも顧客が求めていない」。
これは多くの自動車メーカーが理解していることで、よってそういった常識を覆すために「エレクトリック化はクルマの楽しさを向上させる」ということを強調したり、レーシングカーにハイブリッドを導入して「ハイブリッドはパフォーマンス直結」だとアピールしてきたわけですが、やはりエンスージアストの考えを変えるには至らなかったのかも(加えて、エレクトリックカーは発展途上であり、いかに性能が高いクルマであっても、すぐにそれを超えるものが出てくるという予測もある)。

なお、フォルクスワーゲングループはコンセプトカーとしては多数のエレクトリックカーを発表し、市販車としてもフォルクスワーゲンからは「ID.3」、ポルシェからは「タイカン」、アウディからは「e-tron」を発売。
ただ、実際にEVを発売したからこそ知り得た事実もあると思われ、それは「EVはやっぱり売れない(そもそも誰も欲しがっていない)」ということなのかもしれません。

フォルクスワーゲンであればまだしも、ポルシェのような嗜好性の強いクルマであればなおのこと、顧客は「EVを求める」傾向が顕著ではないと思われ、やはりポルシェはこれまでの経験から、とくにタイカンのプロモーションを通じて「スポーツカーとEVとの相性は(性能だけではなくイメージ的に)極めて良くない」と感じた可能性が高そう。

なお、ポルシェとともにフォルクスワーゲングループに収まるブガッティについても、これまで「シロンに追加するバリエーションはエレクトリックSUV」というウワサが濃厚であったものの、最近のコメントでは「ガソリンエンジンを可能な限り使用し続ける」としてハイブリッド、そしてフルエレクトリックを全否定。

つまりフォルクスワーゲングループ自体が、これまでの「とにかくエレクトリック」という方向性から一転して「(一部ブランド限定で)ガソリンエンジンを守り続ける」という方向にシフトした、ということになりますね。

ブガッティが方向転換?「2030年まではガソリンエンジンにこだわる。その代わり、ヴェイロンとシロンが出す排ガスをチャラにするだけの植林を開始する」

VIA: Autocar

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でintensive911をフォローしよう!

© 2020 Life in the FAST LANE. Powered by AFFINGER5