| 現実は自動車メーカーが予想したとおりには進まなかった |

フォルクスワーゲンの技術開発担当、マティアス・ラーベ氏が英国 Autocarに語ったところによると、「ガソリンそしてディーゼルエンジンは、我々はもちろん、人々が予想するよりも長く存続するだろう」。
これには大きく分けて2つの意味が含まれ、ひとつは「ガソリン、そしてディーゼルエンジンの環境性能が予期していたよりも向上し、高いレベルの規制を満たせるようになったこと」、そしてもうひとつは「バッテリー性能が予期したほど向上しないこと」。
これについては両方とも「納得」で、エンジン環境性能の向上については、ハイブリッドもしくはマイルドハイブリッド技術の向上もこれに含まれそう。
さらには小排気量ターボ等の技術によってエンジン単体の燃焼効率も高いレベルにまで押し上げられており、つまりは自動車メーカーであっても「ここまで環境性能が向上するとは考えていなかった」ということに。
それとは反対に、バッテリー性能は予想したほど向上しておらず、これによって「一回の充電あたり走行可能距離が伸びない」ままだったり、満足できるだけの走行距離を実現しようとすると「ガソリン車の1.5倍位の価格になる」という現状も。
数年前までは多くの自動車メーカーが「エレクトリックこそ自動車メーカーの将来」と信じて疑わず、実際にアウディ含むフォルクスワーゲングループも「2025年には販売の半分をエレクトリック化されたクルマで構成する」と宣言したほど。

反面、iブランドにていちはやく電動化に取り組んだBMWはエレクトリック化の限界を感じたのか「2025年でも電動化比率はいいところ20%という悲観的な意見を述べています。
BMW「2025年のエレクトリックカー販売比率は20%がいいところだろう」。以前の想定に反し悲観的になるもVWは「2025年に50%」の予測。将来は方向性によって明暗が分かれそう
そのほか、ポルシェやブガッティも「最低でも10年はガソリンエンジン単体で動くクルマを存続させる」とするなど、多くの自動右車メーカーが当初の予定からは大きく考え方をシフトさせていることもわかります。
ポルシェ「ガソリンエンジンを諦めたわけではない。それはEV、HVと並んで3本柱のひとつであり、最低でもあと10年は存続させる」
エレックトリックカーの普及にはインフラの整備といった問題もあり、つまりは”自動車という製品単体のみにとどまらない”事情も内包するわけですが、今後の成り行きについては予想の範囲にとどまるとは思えず、ただただ見守るしかなさそう。
なお、一部の国では期限を設けて「ガソリンエンジン禁止」を決定していて、さらにはメルセデス・ベンツのように「ガソリンエンジンの開発を停止した」自動車メーカーもあり、もしこのままガソリンエンジンの環境性能が進化し続けて「ものすごくクリーンに」なったりしたら、そういった国々やメーカーはどうするんだろうな、と思うこともあります。
ブガッティCEO「あと10年はW16エンジンを存続させる。そうしてブガッティはコレクターズアイテムとなり、芸術品に昇華するのだ」
VIA: Autocar
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