| フェラーリにはフェラーリにしかできない”貢献方法”がある |

先日、ランボルギーニがマスクとフェイスシールドの生産を開始したという報道がありましたが、今回はフェラーリが、コロナウイルスと医療現場にて戦う人々のため、人工呼吸器用のバルブ生産を開始した、とのこと。
おそらくはもっとも必要とされるもの、そしてフェラーリがそれに対して手助けできるものとしてこのバルブが選ばれたのだと思われ、さすがにフェラーリだけに吸気効率が高そうな仕上がりとなっています。
フェラーリ製バルブはこうやって作られる
このバルブはフェラーリのプロトタイプを製造する部署にて設計/製作されるそうですが、エンジニアがこんな感じでバルブを設計。

そして3Dプリンタにて成型を行います。
これも平時だと「プロトタイプのパーツを作っているプリンタ」なのでしょうね。

さらに完成したバルブにはフェラーリのプランシングホース(はねうま)がレーザーにて刻印されることに。

こういったロゴは不要だという向きがあるかもしれませんが、フェラーリはイタリアのプライドであることに間違いなく、人々が希望を失いかけているときだからこそ、”誇りを身につける”ことは重要であり、それがフェラーリにできるサポートということなのだと思います。

フェラーリはサプライヤーと強力な関係性を構築
なお、今回フェラーリが公開した動画では、エンジニアの制服やグローブに「フェラーリのサプライヤーの」ロゴが見られます。
さらに発行されたプレスリリース中においても、「設計はどの会社が協力」「輸送はどの会社が担当」といった感じで協力企業の名称が多数登場。

これはフェラーリがサプライヤーを重視しているということの現れでもありますが、サプライヤーはこれによって「フェラーリに重用されている」という意識を持つことができ、フェラーリに対する忠誠心が増すわけですね。
つまりは「購入」という金銭的メリット以外にも、フェラーリの絶大なブランド力を活かして、「フェラーリと取引している会社である」という企業側にとってのメリット(モチベーション向上、そしてその企業の信用力向上)も与えていることになり、これはフェラーリ以外ではなかなか難しいことなのかも。
同様の理由だと思われるものの、フェラーリはその車両の説明においてもサプライヤー名を公表したり、サイト上にもサプライヤーのロゴを表示することがあって、これもまたほかの自動車メーカーには見られない傾向。
そしてフェラーリは、こういった「相手企業にとって、金銭以外のメリット」を与えることでその取引上有利な立場に自身を置いていて(これは長年の努力によって培ったブランド価値を利益に結びつけているということなのでアンフェアでははない)、とくにずっとフェラーリのデザインを手掛けていたピニンファリーナに対してこの傾向が強かった、とも言われます。
要は、ピニンファリーナは「通常よりも安い価格で」フェラーリのデザインを請け負い(ものの本によると、”屈辱的な価格で”)、しかしかわりに手に入る「フェラーリのデザインを行っている」という看板をもって、世界中の富豪からワンオフモデルを受注することが可能となり、それによって”補って余りある”利益を得ることが可能となる、ということですね。
もうひとつ参考までに、フェラーリはサプライヤーと良好かつ密接な関係を築いており、フェラーリの出身者がサプライヤーに(友好的に)転職することも多く、これもまたフェラーリとサプライヤーとの関係を強固にしている、とも言われます。
VIA:Ferrari
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