
さて、2020年7月の国内自動車登録。
台数ベースだと前年比80.4%となり、先月の(前年比)73.4%に比較して回復傾向にあるようですね。
特筆すべき点としては4位にトヨタ・ハリアーが入っていることですが、発売後の1ヶ月にて45,000台の受注を集めたと報じられているため、来月以降も同程度もしくはこれ以上の販売台数を記録するかもしれませんね。
なお、この価格帯のクルマがこれだけ上位に位置することは非常に珍しく、トヨタにとってはかなり”ありがたい車種”だと言えそうです。
参考までに、ハリアーの平均販売価格が400万円くらいだとすると、45,000台を売ると「1800億円」となり、そしてその数字は(まだ受注が入ってきているため)増え続ける、ということに。
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そんなに売れているのか新型トヨタ・ハリアー!発売1ヶ月で目標の14.5倍、インプレッサの1年分以上の受注を集める
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まずは2020年7月の日本国内自動車登録状況を見てみよう
まずは7月の乗用車登録ランキングがこちら。
詳細については後に述べたいと思います。
今月の順位 | メーカー | 車名 | 今月の販売台数 | 前年比 |
1 | トヨタ | ヤリス | 14,004 | -% |
2 | トヨタ | ライズ | 12,283 | -% |
3 | トヨタ | カローラ | 10,994 | 124.2% |
4 | トヨタ | ハリアー | 9,388 | 273.3% |
5 | ホンダ | フィット | 9,213 | 106.3% |
6 | トヨタ | アルファード | 8,448 | 135.6% |
7 | 日産 | セレナ | 7,686 | 87.4% |
8 | 日産 | ノート | 6,730 | 60.9% |
9 | トヨタ | ルーミー | 6,528 | 68.9% |
10 | トヨタ | シエンタ | 5,344 | 49.8% |
11 | トヨタ | ヴォクシー | 5,316 | 66.1% |
12 | ホンダ | フリード | 5,302 | 69.7% |
13 | トヨタ | RAV4 | 4,963 | 57.4% |
14 | トヨタ | プリウス | 4,654 | 35.4% |
15 | トヨタ | ノア | 4,067 | 82.2% |
16 | ホンダ | ステップワゴン | 3,884 | 82.4% |
17 | トヨタ | アクア | 3,642 | 37.9% |
18 | トヨタ | タンク | 3,601 | 47.9% |
19 | スズキ | ソリオ | 3,430 | 111.6% |
20 | スバル | インプレッサ | 3,050 | 71.0% |
21 | トヨタ | パッソ | 2,944 | 71.7% |
22 | ホンダ | ヴェゼル | 2,935 | 58.0% |
23 | スズキ | スイフト | 2,690 | 86.1% |
24 | ダイハツ | ロッキー | 2,595 | -% |
25 | スバル | フォレスター | 2,591 | 87.7% |
26 | トヨタ | C-HR | 2,160 | 51.5% |
27 | マツダ | MAZDA2 | 2,125 | -% |
28 | スズキ | ジムニー | 2,099 | 337.5% |
29 | トヨタ | エスクァイア | 1,909 | 50.0% |
30 | 日産 | エクストレイル | 1,812 | 63.5% |
31 | トヨタ | ランドクルーザー | 1,794 | 77.0% |
32 | マツダ | CX-30 | 1,684 | -% |
33 | トヨタ | クラウン | 1,631 | 65.5% |
34 | マツダ | CX-5 | 1,581 | 61.7% |
35 | ホンダ | シャトル | 1,524 | 41.0% |
36 | マツダ | MAZDA3 | 1,500 | 40.9% |
37 | スズキ | クロスビー | 1,301 | 67.3% |
38 | トヨタ | ヴェルファイア | 1,289 | 38.4% |
39 | ダイハツ | トール | 1,212 | 57.6% |
40 | スバル | レヴォーグ | 1,047 | 59.9% |
41 | マツダ | CX-8 | 975 | 59.9% |
42 | ホンダ | オデッセイ | 945 | 84.1% |
43 | トヨタ | ハイエース | 913 | 69.4% |
44 | ホンダ | CR-V | 844 | 113.7% |
45 | トヨタ | カムリ | 833 | 42.7% |
46 | 日産 | リーフ | 680 | 36.5% |
47 | マツダ | CX-3 | 650 | 110.0% |
48 | 三菱 | デリカD5 | 627 | 44.4% |
49 | レクサス | UX250H | 530 | 41.7% |
50 | レクサス | ES300H | 497 | 42.2% |
トヨタの一部車種は凋落が激しい
このランキングをみて思うのは、トヨタがランキング上位を占める一方、大きく販売を落としている車種もある、ということ。
たとえば一時大人気となったC-HRは26位に止まり、前年比51.5%。
一方、C-HRの直接のターゲットであたヴェゼルは22位。
そして1位常連であったプリウスは14位まで落ちて前年比35.4%、そして同じくプリウスと1位を争っていたアクアは17位で前年比37.9%と見る影ナシ。
そのぶんRAV4やハリアー、ライズがランク上位にあるためトータルでは販売を伸ばしているのだとは思われるものの、世代交代がホンダや日産に比較して激しく、トヨタのように「自社のクルマで食い合いながらも、自社でランキング上位を独占」するほうがいいのか、それともスバルやホンダ、日産のように「車種は多くなく、新型車もさほど出ないものの、ランキング中盤以下で同じ車種を売り続ける」ほうがいいのかは不明。
会社としては後者の方が(効率が)いいということになりますが、雇用を発生させるという意味ではトヨタ型のほうがいいのかもしれません。

ジムニーの供給は3倍増
そしてもうひとつ注目すべきはスズキ・ジムニー(シエラ)。
先月に引き続き登録台数が3倍となっていますが、これはおそらく、販売ができなくなった英国向けの台数が日本に振り分けられたと考えて良さそう。
ジムニーは(工場のキャパシティの問題で)生産台数に限りがあり、そのため、日本おいてはこれまでずっと同じ販売台数(1,000台前後)だったわけですね。
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注文が多数あれども生産が追いつかなかったというのがこれまでの現状で、そのため「日本割り当て分の1000台」を細々と消化していたものの、先月からこれが突如3倍になっており、しかし生産が3倍になったとも考えられず、「日本への割り当てが増えた」と考えるのが妥当かもしれません。
もちろん供給が3倍となったことで中古相場にもなんらかの影響が出ることになりそうです。
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VIA:日本自動車販売協会連合