
| 一方、英国車の人気は全般的に低かった |
さて、2020年9月の輸入車登録台数。
輸入車登録合計だと前年比74%という数字となっていて、国産車の約80%よりもやや悪い数字です。
諸外国のように大きく落ち込まなかったものの回復も小さく、雰囲気からして今後の伸びにもあまり期待ができないかもしれません。
困難な状況下でも成長を続けるブランドも
そんな中でも調子が良いブランドがいくつかあり、前年同期比100%を超えたのはポルシェ(102.8%)、ルノー(109.2%)、シトロエン(115.8%)、ランボルギーニ(101.5%)、フォード(102.3%)、シボレー(130.3%)。
通年で100%を超えているのはロータス(110.5%)、フェラーリ(108.5%)、シトロエン(104.5%)、ポルシェ(105.1%)といった面々。
これらを見るに、メルセデス・ベンツやBMW、アウディといったジャーマンスリー、ジャガーやベントレーのような高級車は今ひとつ弱く、好調なのはスポーツカーはじめ「個性的なクルマを持つブランド」であると言えそう。
順位(累計) | ブランド | 当月販売台数 | 昨年同期比 | 今年の累計 | 昨年同期比 |
1 | メルセデス・ベンツ | 7,071 | 89.2% | 40,645 | 82.8% |
2 | フォルクスワーゲン | 4,898 | 82.4% | 28,437 | 77.3% |
3 | BMW | 4,233 | 78.7% | 25,015 | 69.6% |
4 | アウディ | 3,026 | 98.2% | 15,535 | 87.0% |
5 | MINI | 2,453 | 87.5% | 14,229 | 74.9% |
6 | ボルボ | 1,868 | 80.5% | 12,271 | 82.0% |
7 | ジープ | 1,821 | 91.7% | 9,514 | 91.2% |
8 | プジョー | 1,011 | 87.1% | 6,622 | 79.9% |
9 | ポルシェ | 932 | 102.8% | 5,464 | 105.1% |
10 | ルノー | 733 | 109.2% | 4,684 | 84.7% |
11 | フィアット | 732 | 84.5% | 4,053 | 83.8% |
12 | シトロエン | 565 | 115.8% | 3,176 | 104.5% |
13 | ランドローバー | 268 | 49.1% | 2,513 | 72.3% |
14 | アバルト | 323 | 93.4% | 1,818 | 85.5% |
15 | ジャガー | 109 | 33.1% | 1,072 | 40.1% |
16 | アルファロメオ | 174 | 65.9% | 995 | 52.7% |
17 | フェラーリ | 114 | 99.1% | 767 | 108.5% |
18 | マセラティ | 109 | 69.4% | 616 | 63.8% |
19 | DS | 121 | 99.2% | 601 | 88.9% |
20 | ランボルギーニ | 66 | 101.5% | 518 | 94.0% |
21 | キャデラック | 54 | 80.6% | 360 | 96.0% |
22 | ベントレー | 40 | 93.0% | 336 | 84.8% |
23 | フォード | 45 | 102.3% | 303 | 98.1% |
24 | ダッジ | 42 | 77.8% | 298 | 94.9% |
25 | ロータス | 15 | 68.2% | 168 | 110.5% |
26 | マクラーレン | 19 | 32.8% | 153 | 51.8% |
27 | スマート | 2 | 1.4% | 123 | 6.9% |
28 | アストンマーティン | 17 | 50.0% | 142 | 56.6% |
29 | ロールスロイス | 23 | 79.3% | 148 | 88.1% |
30 | シボレー | 86 | 130.3% | 223 | 53.2% |
31 | アルピナ | 7 | 24.1% | 107 | 62.2% |
32 | ヒュンダイ | 0 | -% | 2 | 90.0% |
33 | ブガッティ | 0 | -% | 0 | -% |
累計 | 18,039 | 84.3% | 149,862 | 77.9% |
参照:日本自動車輸入組合
クルマのデザインは販売に大きく影響
そしていつもながら思うのが、クルマのデザインが販売に及ぼす影響は大きい、ということ。
ちょっと前だとボルボやプジョーがデザインを一新し、それによって大きく販売が伸びていますが、最近だと主張の強いデザインを採用しはじめたシトロエンの伸びが顕著であり、やはり輸入車は「デザインで買う」部分が多いのかも。
加えてジープ(前年同月比91.2%)、ダッジ(94.9%)、キャデラック(96.0%)といったアメリカ車も平均よりは高いレベルで推移しており、趣味性の強いクルマも「逆境に強い」ということがわかります。
反面、メルセデス・ベンツ(前年比82.8%)、フォルクスワーゲン(77.3%)、BMW(69.6%)、アウディ(87.0%)はそれらに比較すると低い水準にとどまり、この中だとアウディがもっとも健闘していて、「アウディの支持が高い」ということもわかります。
販売が苦しいのはこのブランド
そして販売が苦しいのはジャガー(前年比33.1%)、マクラーレン(32.8%)、アストンマーティン(50.0%)、ランドローバー(49.1%)であり、なぜか(すべてではありませんが)英国勢のセールスが落ち込んでいるようですね。
なお、もっとも前年比(単月)で落ち込んでいるのはスマートの1.4%で、これは「通年」で見ても6.9%というレベル。
ダイムラーはスマートの株式半数を中国の吉利汽車に売却しており、おそらく今後は「何もしない(吉利汽車任せ)」つもりなのかもしれず、せっかく京都に専売店を作ったのに「もったいない」なあ、と思ったりします。
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