｜ せっかくのワンオフモデルが「ポルシェから公式に」否定されたようでちょっと辛い ｜
さて、空冷ポルシェ911のレストモッドで知られるジンガー（シンガー）・ビークル・デザイン。
レストモッド以外にも「ジンガーDLS」などのオリジナル車両をリリースしていますが、ちょっと前にはポルシェ959をイメージしたオフローダー、「ジンガーACS」を公開済み。
「ACS」のネーミングは「オールテレイン・コンペティション・スタディ」に由来しますが、あのジンガー・ビークル・デザインがオフローダーを、ということで世に大きな衝撃を与えています。
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衝撃はそれだけにとどまらなかった
ただ、その衝撃は思ったよりもさらに大きかったようで、このジンガーACSはほどなくポルシェの知るところとなり、ポルシェはジンガー・ビークル・デザインに対して「PORSCHE」という文字がこの車両に入っていることに対してクレームを申し入れたと報じられ、実際にジンガー・ビークル・デザインの公式サイト、FacebookページからもジンガーACSの姿が削除されています。
参考までに、このジンガーACSは英国のショップとジンガーとのコラボレーションによって誕生したものですが、ポルシェから公式に「否定」されることになり、ショップとジンガー・ビークル・デザインとしては「立場を失った」ということに。
ジンガー・ビークル・デザインとポルシェとの問題はこれだけではない
ちなみにジンガー・ビークル・デザインに対してポルシェがクレームを入れたのはこれが「初」ではなく、ジンガーがビジネスを開始したごく初期には「ポルシェ」の名を入れずに「ジンガー」としてクルマを販売していたものの、このときは逆に「お宅が売っているのはポルシェであってジンガーというクルマではない」と申し入れており、そこからジンガー・ビークル・デザインはポルシェのエンブレムや文字を車体に表記するようになったと記憶しています。
なお、ジンガー・ビークル・デザインは、レストモッドの範疇を大きく超えたジンガー・ポルシェ911DLSをリリースしており、こちらはジンガーACS以上に大きな話題となったものの、現在もジンガー・ビークル・デザインのウエブサイトに大きく（PORSCHEレター入りで）掲載されているので、こちらに問題はなかったようですね。
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そう考えると、今回のジンガーACSは「オフロード」という、現在の911とは相容れない要素、そしてジンガー・ポルシェ911DLSよりも「行き過ぎた」オリジナリティが問題視されたということになりそう。
なお、ポルシェが問題視しているのは、ジンガー・ビークル・デザインがこういったクルマをリリースしたことではなく、ジンガーACSにポルシェのロゴが入っていることで、このロゴが削除されれば、再びジンガーACSが（ジンガー・ビークル・デザインのウエブサイトに）カムバックするのかもしれません。
ポルシェが示したのはこういった考え方
なお、ポルシェはこのジンガーACSを全否定しているわけではなく、存在そのものについては認めていて、上述の通り主張は「PORSCHEロゴ」の一点のみ。
カーメディアのインタビューに対し、ポルシェはこういった考えを示したようです。
「我々は、ポルシェ・エンスージアストのコミュニティが拡大していることを嬉しく思う。我々の作り出したクルマの多くは未だ現役で、過去のモデルであってもファンに愛されているが、我々は同時に”ポルシェ製品”に対して責任を持つ必要がある。ポルシェという名を使用して良いのは我々が直接ライセンスを与えた製品だけだ」。
現在のところ問題となるのはこのジンガーACSのみではあるものの、今後ほかのジンガー製ポルシェ911にも問題が波及し、一転して「ポルシェの名を付けてくれるな」となると、これまた面倒なことになりそうです（見たところ、ジンガーがレストアを行うポルシェ911に施されるPORSCHE文字はステッカーのように見えるので、すぐに剥がせそうではあるが）。
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