| 何事も中途半端はよろしくない |
さて、ここ最近集中的にプロトタイプが目撃されているフェラーリの新型SUV「プロサングエ」。
ただしフェラーリはこのクルマについて「SUV」と呼ぶことを嫌っており、あくまでもGTカーという位置づけに設定していて、たしかにプロトタイプを見ると「SUVというよりはワゴンに近い」ルックスを持つようですね。
フェラーリにとって背の高いクルマは未知の領域
なお、このプロトタイプはマセラティ・レヴァンテのボディを身にまとっており、よって発売時には全く異なるフェラーリ独自の姿を持つ可能性が大。
ただしフェラーリは「前後重量バランスを最適化できない」「重心が高い」「乗員や荷物の数によってコロコロ重心が変化する」クルマを作ったことがないためにそのパフォーマンス確保に苦労していると言われ(なんせ今まで、走りのためにほかの要素を潔く切り捨てたクルマばかりを作ってきた)、現在そのディメンション(ホイールベースやトラック、車高など)を詰めている最中だと考えると、そしてこの状態のプロトタイプが頻繁に目撃されていることを鑑みるに、ディティールは別として、プロポーションはおおよそこれが最終形なのかもしれません。
とにかくフェラーリにとって「走りを最優先に考えることができない」クルマというのは苦労の連続であり、そんな中で「どうやって荷室空間と居住性、そしてフェラーリらしい走りとのバランスを取るか」ということに時間を割いているようです。
見た印象だと中途半端のようにも思えるが
その結果としてプロサングエは「クーペ風のリアを持つワゴン」ということになりそうで、FFやGTC4ルッソを4ドアに、そして背を高くしたようなルックスとなる可能性が大。
となるとたしかに「SUV」とは呼びにくく、しかしなんとなく中途半端な気も。
例えば批判を恐れて中庸な仕様に落ち着いてしまい、その結果誰からも好まれないような製品になってしまったり、部下に嫌われるのが怖くて部下を叱ることができず、結果的に部下に舐められてしまい組織のパフォーマンスを落としてしまうような上司といったイメージですが、もうどうやっても「4ドアで車高の高いフェラーリ」はこれまでのフェラーリではないので、もっと車高を上げて「モロにSUV」的なルックスにしたほうがいいんじゃないかと思うワケですね。
ちなみにフォード・マスタング「マッハE」はそのSUV的ルックスによって大きな非難を浴びることになったものの、販売結果を見ると「テスラのシェアを侵食し、フォードに新しい顧客を連れてきた(マッハE購入者の70%がはじめてフォードを購入する)」ということが数値にて示されており、これは「思い切ってSUVスタイルを採用したからこそ」と言えるかもしれません。
加えて、現在フェラーリにとって(もちろん自動車業界全体にとっても)2大市場である中国と北米において「ワゴンスタイルの人気がなく、SUVボディが支持されている」ということを鑑みるに、なおさらフェラーリはプロサングエを「ワゴンではなくSUVに」仕立て上げるべきだと考えています。
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参照:Varryx