>BMW(ビー・エム・ダブリュー)

【動画】生産されたのはわずか1台!1990年当時、BMWが「高価すぎて販売できない」と判断しお蔵入りとなったM8プロト。アイドリングは3000回転というトンデモカーだった

投稿日:2021/03/16 更新日:

生産されたのはわずか1台!1990年当時、BMWが「高価すぎて販売できない」と判断しお蔵入りとなったM8プロト

| なお、搭載されるV12エンジンは後にマクラーレンF1に搭載される |

BMWが公式にて、1990年代に製作された「M8プロトタイプ」を公開。

現代の(2代目)8シリーズにはM8が存在するものの、初代8シリーズ(E31)にはM8が存在せず、しかしBMWが「M8発売の可能性を探るため」に製作したのがこのM8プロトタイプ。

ただし実際には「あまりに高価過ぎる」ということで市販化に至らず、よって初代M8として存在するのはこの試作車1台のみとなっています。

初代M8プロトタイプはこんなクルマ

そして初代M8ですが、見た目は8シリーズをとの共通点が多く、しかしフロントのリトラクタブルヘッドライトは(空気抵抗低減のため?)廃止され、かわりにヘッドライトはバンパー内に移動。

そのほか、クーリングを考慮した結果、フロントバンパー形状も大きく変更されています。

さらに、ボンネット上には「サメのエラ」風スリットが見えますね。

M8 (4)

ボディサイドには冷却のため大きなダクトが設けられ(ミドシップではない)、サイドステップ形状も変更に。

4

リアバンパー形状も「専用」となっています。

意外ではありますが、フロントやリアにはダウンフォースを強化するための改良がほぼ見られないようですね。

M8 (1)

左右テールランプの中間は「ブラック」。

M8 (5)

ドアミラーはエアロ形状。

独自形状のミラーを装着するのは「Mの伝統」と言えるかもしれません。

M8 (2)

ホイールはなんと(ディスク部が)カーボンファイバー。

当時としては相当に先進的だと思います。

2

ただしその中身はもっと特別だった

なお、このM8はフェラーリやランボルギーニなど「イタリアンスーパーカーに対抗するため」に企画されており、そのためにレース用の燃料タンクを装備するなど様々な改装が施されます。

ただ、最大のトピックは何といってもそのエンジン。

8シリーズ発売初期に用意されていたフラッグシップ「850i」にもV12エンジン(5リッター/300馬力)が搭載されていましたが、このM8プロトタイプには専用に製造された6リッターV12エンジン(640馬力)を搭載しています。

640馬力というと、ランボルギーニ・ウラカンEVOと同じ出力、そしてフェラーリ488GTBの670馬力に迫る数字であり、当時としては「途方も無い」出力であったということがわかりますね。※しかもBMW M8プロトタイプのエンジンは自然吸気

7

なお、このエンジンはわずか3基のみが製造されたそうですが、フロントからダイレクトに吸気を行うことでインテークマニフォールドの加熱(によって吸気が熱せられる)を防ぎ、つねに最適なパワーを発揮できるとのこと。

6

加えてドライサンプ採用によって搭載位置を下げることが可能となっていて、しかしその代償によりオイルクーラーはリアトランク内に(ここしか場所がなかった)。

ちなみにリアのオイルクーラーとエンジンオイルとのやりとりは「ルーフ内のパイプを伝って」行われるそうで、BMWのエンジニアいわく「このレイアウトは世界のどんなクルマも持っていない」とのこと(そりゃそうだろうな・・・)。

30

そしてスロットルバルブのかわりに装着されるのは「スロットルバレル」。

フルスロットル時には類稀なレスポンスを発揮するそうですが、これもBMWのエンジニアいわく「かわりにアイドリングは”災害”レベルだと言っていい」。

どういうことかというと、アイドリングは常に2,000~3,000回転を行ったり来たりすることになり、6リッターV12エンジンが停車中でもその回転数を発しているワケで、その騒音は推して知るべしといったところです(燃費も・・・)。

5

BMW M8プロトタイプのインテリアはこうなっている

そしてこちらはBMW M8プロトタイプのインテリア。

メーターやステアリングホイールは通常モデルと大きな相違はないものの、ダッシュボードやセンターコンソールはアルカンターラへと張り替えられていて、シートはフルバケットへ。

M8 (3)

準レーシングカーといってもいいほどの作りを持ち、もし発売されていたらトンデモないことになっていたのかもしれません。

1

何故かその存在は20年も隠されていた

実際のところこのM8は「到底生産して販売するにはコストが見合わない」と判断されることになりますが、市販化されなかったのには「リアトランクが使えない」「頭の上を熱いオイルが通る」「アイドリングが2000-3000回転」というところにも理由があったのかもしれません。

そうやってM8はBMW自身によって封印されることになり、それが解かれるのはなんと20年後の2010年。

さらにその10年後、今回BMWはM8をレストアし動画にて公開したワケですが、なんとも数奇な運命をたどったクルマだと思います。

参考までに、このM8に積まれたエンジンは5.7リッターに縮小されて1994年には850CSi(381馬力/S70B56型)に搭載されたほか、さらにチューンされてマクラーレンF1用として供給されることになります(6.1リッターのS70/2型、出力は627馬力)※BMW M部門によって開発されたエンジンは”S”が頭につく

そう考えると、M8の試作は「全くの無駄ではなかった」のかもしれませんね。

世界に一台、BMW M8プロトタイプを紹介する動画はこちら

合わせて読みたい、関連投稿

復活を遂げたBMW 8シリーズ。初代(E31)はどんな車だったのか復習してみよう

BMWは「8シリーズの復活」を実現させていますが、8シリーズというと1990年代におけるビッグネーム。オリジナルの8シリーズに関しては今も多くのファンがおり、今回の復活について心待ちにしていた人も多い ...

続きを見る

BMWが46年前のスーパーカー「BMWターボ」再公開。M1、8シリーズにもつながる「ルーツ」がこれだ

| BMW M1、8シリーズ、Z1の元祖はコイツだった | BMWが100周年記念の一環として過去のコンセプトカー「BMWターボ」を紹介する動画を公開。 BMWとしては現在までで「唯一」のガルウイング ...

続きを見る

何このBMW 7シリーズ?なんとBMWは80年代に「V16エンジン」をテストするために”シークレットセブン”なるV16エンジン搭載”767iL”を製作していた!

| ただしというか当然ながら市販化にいたらず永遠に闇に葬られることに | BMWが自身のFacebookにて、なんと「過去にV16エンジンを開発していた」という事実を公表。自動車史上「16気筒」エンジ ...

続きを見る

参照:BMW Group Classic

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でintensive911をフォローしよう!

->BMW(ビー・エム・ダブリュー)
-, , , , , , ,

© 2021 Life in the FAST LANE. Powered by AFFINGER5