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シュコダは1957年にこんな美しいクルマ「1100 OHC」を作っていた!当時ル・マンに参加する予定で製造されるも冷戦によりその夢が閉ざされた悲運の一台

投稿日:2021/07/31 更新日:

シュコダは1957年にこんな美しいクルマ「1100 OHC」を作っていた!当時ル・マンに参加する予定で製造されるも冷戦によりその夢が閉ざされた悲運の一台

| シュコダは歴史も古く、航空機用エンジンも生産するなど「実力十分」な自動車メーカー |

現在はフォルクスワーゲングループ参加にてコストパフォーマンスの高い車をリリースしている

さて、チェコの自動車メーカー、シュコダが1957年に「ル・マン24時間レースに参戦するため」に製造されたレーシングカー、100 OHCの情報を今になって公開。

これはシュコダのモータースポーツ120周年記念事業の一環としてお披露目されたものですが、1950年代〜1960年代というとちょうど冷戦の時期に該当し、そのため残念ながら「西側の」ル・マン24時間レースに参加すること無く終わったとされています。

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シュコダはこんな自動車メーカー

なお、シュコダは日本国内では販売されておらず、馴染みが薄いと思うので、ここでちょっとおさらいをしてみましょう。

シュコダはまず1895年に自転車メーカーとして誕生しており(このとくはラウリン&クレメント社)、1899年にはオートバイの製造を開始しています。

その後に第一次大戦の特需によって大きく成長し、しかし工場の火災によって業績が悪化して1925年にシュコダ工業へと買収され、ここで「シュコダ」へと統一されることに。

ここからはシュコダブランドにて自動車の生産を行うことになりますが(同時に自転車とバイクから撤退)、イスパノ・スイザと提携して航空機用エンジンを製造していたという関係上、自動車においても同社と提携を行い、「シュコダ・イスパノ・スイザ」なるクルマを生産していたこともある模様。

参考までにイスパノ・スイザは創業1898年という歴史ある自動車メーカーで、1963年にはブガッティを買収したこともあり、なにかと自動車史のあちこちに顔を出す会社でもありますね。

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その後1948年にシュコダはチェコスロバキア共和国の国有企業となり、この際に自動車製造部門のAZNP社とパーツ部門のシュコダ・プルゼニ社とに分割されますが、AZNP社はその後も「シュコダ」ブランドでクルマを製造し続けており、1950年〜1960年代にかけてはモータースポーツ活動に力を入れていたとも言われます。

さらに1989年になるとAZNP社が民営化されることになり、ここでフォルクスワーゲングループがAZNP社を買い取って現在に至る、というのが大まかな流れ。

シュコダ1100 OHCは共産主義諸国間では一定の強さを発揮

今回シュコダは「モータースポーツ活動120周年」を掲げていますが、逆算すると1899年にモータースポーツに参戦していたということになり、この時分だとオートバイでの参加であったのだと思われます。

そしてこの1100 OHCについては1956年に開発が開始され、1958年6月にムラダ・ボレスラフ・サーキットでのデビュー戦において初勝利を飾ったという記録が残っているようですね。

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車体構造は鋼管スペースフレームが採用され、エンジンは1,089cc4気筒(92PS)。

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このエンジンをフロントへ縦置きにて搭載し、リアに5速トランスミッションを配置するというトランスアクスルレイアウトを採用しています。

なお、スペアタイヤもリアへと搭載されており、重量配分に注意が払われていることもわかります。

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このシュコダ1100 OHCは非常に軽量であったことが特徴で、ロードスターだと583kg、クーペでは555kgという軽さを誇り、最高速度は時速200キロ。

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車体のデザインはヤロスラフ・キンドル、ボディパネルはガラス繊維強化プラスチック(GRP)製で、当時としてはかなり先進的だったのかもしれません。

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ボディサイズは全長3,380ミリ、全幅1,430ミリ、全高わずか964ミリ。

正直「美しい」といって差し支えないデザインを持っており、そのパフォーマンスとあわせ、「もし実際にル・マン24時間レースに参戦していたならば」現在の自動車の歴史は変わっていたのかもしれません。

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シュコダ1100 OHCは1957年と1958年にGRP製オープンボディの2台が製造され、1959年にはアルミボディのクーペ2台が追加されています。

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残念ながら2台のクーペは事故で廃車となってしまったそうですが、シュコダは残った部品を使ってあらたなる1台を製造している、ともアナウンスされています。

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オープンボディ版は2台とも現存していて、1台はチェコのムラダー・ボレスラフにあるシュコダ博物館のコレクションとしてヒストリックレースに参加しており、もう1台はシュコダUKが所有しているとされ、つまり「世界に2台しか存在しない」ということになるため、その価値は「計り知れない」ということになりそうですね。

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なお、シュコダというと、そのエンブレムに起因してぼくは「グリーン」というイメージを持っており、それだけにこの「レッド」はちょっと新鮮。

「共産主義圏のクルマだからレッドなのか」と考えたりしますが、実際のところは不明です。

参照:Skoda

 

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