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現在出品中のポルシェ・カレラGTが「史上最高額を記録しそう」に。電動化時代を前にカレラGTのピュアさがようやく正当に評価されるようになった?

現在出品中のポルシェ・カレラGTが「史上最高額を記録しそう」に。電動化時代を前にカレラGTのピュアさがようやく正当に評価されるようになった?

| とくにこのカレラGTは「ワンオーナー、低走行」という特徴を持っている |

こういったクルマはもう二度と作られることはなく、今後も価値を下げることはないだろう

さて、現在アメリカはイリノイ州シカゴで開催されているオークションにて、走行距離の少ない2005年式ポルシェ・カレラGTが出品されており、カレラGT最高額となる約140万ドル(約1億6000万円)にて落札される可能性が出てきたとして話題に。

カレラGTは史上最高のスーパーカーのひとつであり、(当時は予定販売数を消化できなかったものの)今になってようやくその価値が認められるようになってきたと見え、かつては70万ドルから80万ドルの間で取引されていたところ、今では120万ドルを超えるのが普通といった状況です。

なお、新車価格は30万ユーロに設定され、日本においても(ポルシェが為替リスクを嫌ったため)ユーロにて支払う必要があり、当時のレートで5700万円くらいだったと記憶しています。

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高額落札されそうな「その理由」とは?

現在PCarMarketに出品されているこの個体につき、おそらく史上最高額となりそうな理由は「ワンオーナー」、そして「走行距離がわずか342マイル(550km)」ということ。

新車時にはテキサス州のディーラーよりオーナーへと納車され、最近になって約5万ドルをかけてエンジンを降ろしての重整備が行われたと紹介されています。

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エクステリアは「カレラGTらしい」GTシルバーメタリック、そしてフロントとドアミラーにはペイントプロテクションフィルムが貼られているそうですが、この走行距離では「飛び石を受けることもなかったんじゃないか」という感じですね。

画像を見る限りでは、どこをどうみても「新車」同様。

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フロント19インチ、リア20インチのオリジナルホイールには、ミシュラン・パイロット・スーパースポーツ・タイヤが装着されていますが、新車時のタイヤなのか、途中で交換されているのかは不明です。

ブレーキはPCCB(ポルシェ・セラミックコンポジット・ブレーキ)。

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カレラGTはもともとレーシングカーとして設計されており、搭載されるエンジンは専用に設計された5.7リッターV10、そして出力は612馬力(発表された2003年当時、この数字は誰もが驚くものだった)。

ただし様々な事情で計画していたレース(ル・マン24時間レースだったと言われる)に出場する機会を失い、ポルシェとしては開発にかけたコストを回収する必要があるということでこのクルマを「市販」することにしたわけですね。

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もともとレーシングカーとして設計されていたため、フレーム、ボディパネルともにカーボンファイバーで成形されており、そのため車体重量はわずか1380kgという軽量性を誇ります。

なお、ボディサイズは全長4631ミリ、全幅1921ミリ、全高わずか1166ミリ。

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カレラGTの目標販売台数は1500台、しかし実際の販売は1270台でストップしてしまい、つまりは230台ぶん「未達」となっていますが、カレラGTにて使用されなかったパーツは2013年に発売された918スパイダーに再利用されていると言われます。

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この5.7リッター自然吸気V10エンジンは「レース用に設計された」ために(市販車用にデチューンされたといえど)高回転設定となっており、ピークパワーを発生するのは8000回転。

鍛造チタン製コンロッド、鍛造ピストン、ドライサンプ潤滑、可変吸気タイミング付きデュアルオーバーヘッドカムシャフトが採用され、ピュアエレクトリックへと移行しようとしている今の時代において、「自然吸気大排気量」というところも再評価されているのだと思われます。

なお、サウンドに優れると言われるV10エンジンの中でも、このカレラGTに積まれるV10エンジンは「格別」という評価が高く、レクサスLFAとともにV10エンジンの最高傑作だと言われていますね。

ポルシェ・カレラGTのインテリアはこうなっている

そしてこちらはカレラGTのインテリア。

「もともとレーシングカーとして企画された」ということが信じられないほど(当時のポルシェにしては)スタイリッシュかつラグジュアリーな仕様を持っています。

ちなみにシフトノブはかつてのポルシェ917に採用されていた「軽量木材」を組みあわせていた仕様を再現したものです(911のレストモッドにおいても、このシフトノブをモチーフにする例も少なくない)。

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デタッチャブルルーフの内側はダイヤモンドステッチが入る豪華仕様。

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インテリアのいたるところにエクスポーズド(むき出し)カーボンファイバーが採用されており、カーボン好きには「たまらない」仕様ですね。

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なお、ステアリングホイールや・・・。

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メーターは当時のポルシェ911(996)からの流用となっており、ここは「レーシングカーとロードカーとの関係性が近い(当時はそれがさらに顕著だった)」というポルシェならでは。

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そして随所には高品質なアルミパーツが装着されていることもわかりますね。

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奥の方にはこれまたアルミ製のペダルが見えますが、カレラGTが「完売できなかった」理由のひとつがここにあり、というのもカレラGTは当時主流となりつつあったセミATを持たず、「超重い」クラッチを踏んで6速マニュアル・トランスミッションを操作する必要があったため。

その重さたるや尋常ではなく、実際にクラッチペダルを踏み込んでも「ビクともしない」重さを持っており、ボクにはこのクルマは運転できない、と直感したことを思い出します。※ツインプレートのポルシェ・セラミック・コンポジット・クラッチを採用している

そのほか、カレラGTにはフロントリフターがなく、凹凸の多いアメリカの道路事情にマッチしなかったとも言われていますね(後付けのリフターを装着するオーナーも多かった)。

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インテリアカラー同色のレザー製ラゲージセット、ボディカバー、バッテリー充電器、パンク修理キット、その他付属品や説明書も完備されるという「まさに理想的な個体」だと言え、カレラGTの価値が今後さらに上昇するであろうことを考慮するに、150万ドルに到達しても「おかしくはない」かもしれませんね。

このポルシェ・カレラGTを紹介する動画はこちら

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参照:PCarMarket

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